金木病院

太宰治のふるさと津軽の金木町。危機に瀕した金木病院がみんなの協力でもちこたえました。

救急再開の現場記録!

医師不足・次は歯科医!?

2006年11月24日 13時15分14秒 | その他
歯科医師の資質向上などを話し合う厚生労働省の検討会(座長=斎藤毅・日本大学名誉教授)は21日、2025年には歯科医師が必要数を約1万1000人上回るという推計をもとに、国家試験の合格基準の引き上げなどで、歯科医師数を抑制する必要があるとの見解を示した。(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061121-00000515-yom-soci

医師不足で麻痺した青森県の歯科業界はどうなっているのだろうか。 Dental Statsによると、青森県の歯科医師数はやはり全国的に見て少ない。トップが東京で一歯科医師当たり人口は843人。青森県は石川県についで少なく(全国ワースト2)一歯科医師当たり人口は2081人にもおよぶ。

医師不足の背景には2017年からの医師過剰をみこした医師数の削減が背景にあることはすでに述べたとおりだ。これとまったく同じことが将来歯科業界でも予想される。深刻な医師不足から学び、はやめに歯科医師確保の対策を県は練らなければならない。医師が足りない、こんどは歯が痛くても我慢しなければならないでは、青森はますます住みづらくなる。夕張ではないが、やむを得ずふるさとを捨てなければならない時代が青森県に到来しつつあるのではないか。

金木病院・署名活動(3)

2006年11月23日 06時26分26秒 | 金木病院を守ろう
署名簿が続々と集まりつつある。23日現在、取りまとめ場所である事務局には署名に取り組んでいる全地区なかの約一割の地区からしか届いていないが、それだけで既に2,000筆を優に越えている。

そんななかに、ひときわ傷んだ署名簿があった。油ジミがつきしわだらけで、四つ折にした痕もある。

胸がジンとした。

この署名簿を書いた人はどんな人なのだろうと思いをいたさずにはいられなかった。折り目の痕は、署名用紙を持ち歩いたことを伺わせる。知人や親戚に署名してもらったのだろう。ここまで真剣に署名を集めたのには何か訳があるのだろう。夫か妻が、祖父か祖母が、あるいは子か孫が病に伏せているのかもしれない。ひょっとしたら手遅れで愛する人を失い、その悲しみをいまだ引きずっている人なのかもしれない・・。

そう思ったら涙が出てきた。このクシャクシャの署名簿に涙がこぼれ落ちて、願いのシミをまたひとつ付け加えた。

(写真:金木病院の救急体制がなくなると患者の「タライ回し」がおこなわれる。救急車は行くあてなくさまようことになる・・)

いいはなし♪

2006年11月22日 14時29分58秒 | その他
医師確保とともに看護師確保も重大な問題。三重のとりくみに拍手。医師にも適用されないか。三重はドクタープール制度など医師確保にも積極的だ。

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県内看護系大の地元出身者 修学資金の返還免除へ

【三重県】県立病院の看護師不足解消のため、県病院事業庁は21日、県立病院で一定期間勤務すれば在学中に受け取った修学資金の返還を免除する制度の対象を、来年度から県内の看護系大に通う県内出身者にも広げる方針を明らかにした。県内の看護系大に通う県外出身学生や、県外の看護系大の学生には出身地に関係なく既にこうした制度があり、さらに広げる。

 28日開会の定例会に関連条例の改正案を提出する。修学資金の貸与額は年間60万円で、上限は4年間計240万円。貸与年数プラス1年間、県立病院に勤務すれば全額の返還が免除される。可決されれば、三重大看護学科、県立看護大に加え、来春開校を目指す四日市医療看護大にも適用される見通し。

 県病院事業庁は「県内出身者が県外の病院に流れているというデータもあり、県内出身者をつなぎ留めたい」と話し、県内出身の学生も対象にすることにした。

 県立4病院では11月1日現在、看護師の定数679に対し、実際の職員は633人。さらに出産や育児、病気などで休んでいる職員数を除くと598人。欠員は81人で、深刻な状態になっている。 (加藤益丈)
(中日新聞) - 11月22日12時1分更新

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061122-00000005-cnc-l24

金木病院・広がる波紋

2006年11月22日 06時34分01秒 | その他
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』は、インターネット時代が切開いた全く新しい情報源・・21世紀の「百科事典」である。
私はもはや旧来の百科事典は用いない。インターネット上でキーワードを検索すれば、微に入り細を穿った情報が得られるからだ。(国語辞典や英和辞典も埃をかぶっている。ブラウザの「辞書」窓で大抵の問題は解決する)

ウィキペディアで金木病院を検索してみた。ちゃんと載っている。これが情報社会のスピードだ。例えば・・情報を都合のいいように制御するために「やらせTM」をいくら巧妙に企画しても、インターネットの無限とも言える情報システムの前では無力なのだ。時代は変わった。

金木病院問題はすでに全国を駆け巡っている。せいぜい一週間前に開設された当ブログに毎日200近いアクセスがあることが、その証左である。

ウィキペディア「公立金木病院」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AC%E7%AB%8B%E9%87%91%E6%9C%A8%E7%97%85%E9%99%A2

金木病院・観光地としての役割

2006年11月21日 06時41分24秒 | 金木病院を守ろう
秋田の観光地田沢湖。その町にある病院の救急体制がこのたび取り下げとなった。(10.13 毎日新聞)救急患者は15分先の角館に運ばれる。

「観光産業に頼る地域という観点からも、救急病院の空白化は深刻な問題だ。田沢湖地区の温泉パック旅行の客足が鈍ることを懸念し、市に救急指定再申請を要請している旅行代理店もある。市対策室は『この事態が長引けば、地域全体の集客にも影響しかねない』と危機感を募らせる。」(同紙)

まるで金木町にそっくりそのままあてはまる。太宰のふるさと「金木町」はいまや全国ブランドである。現地に救急体制があるかないかは観光業者にとっても観光客にとっても実に重要な要素なのだ。観光客は救急体制の不備な観光地を敬遠する。観光の町「金木町」は大きな損害を被るだろう。むしろ・・太宰のふるさと「金木病院」と銘打ち医療体制を充実するほうが理にかなうというものだ。

地吹雪ツアーで体調を崩した参加者が、救急体制の不備で犠牲を強いられたなどという事態にでもなれば、とてもしゃれでは済まされない。

病院の赤字問題

2006年11月20日 16時10分29秒 | 青森県の医師不足
2006年11月19日 山形新聞ニュース

県は18日までに、県内15市町・組合の2005年度の病院事業会計決算の状況をまとめた。10団体までが単年度で赤字を計上。真室川町を除く14団体が累積欠損金を抱え、その合計額は04年度を1億3000万円上回り、167億2000万円に膨らんだ。
http://yamagata-np.jp/kiji/200611/19/news06659.html

一人の医師は年間平均5,000万円~1億円の仕事をするといわれている。医師が減ると大きな減収となる。病院経営が赤字になると医師の待遇は向上しないから、激務に耐えられず病院を去る。出口の無い「負」のスパイラル現象だ。

地方の自治体に、独自に医師を確保する体力や能力などあろうはずもない。医療の地域格差はますます拡大するだろう。地方では安心してくらせない・・そんな国はまっぴらごめんだ。国は医師供給システムを根本的に見直す必要がある。地方を優遇する財政的措置や法整備を早急におこなうべきである。

地域医療を考える県民フォーラム

2006年11月20日 07時25分32秒 | その他
地域医療を考える県民フォーラムが開催された。三村知事は「従来の仕組みは通用しない。病院の機能再編成は必要」と、県の方針である中核病院構想による地域医療の再編成を語るのは当然として、地域医療が壊されつつあることに不安や疑問をいだくひとたちには決して頷けないものだ。

午後の分科会をリードしたは例の「地域医療研究会」だ。この組織は県の主導のもと県内に4つ作られた。つまり・・県の推進する医療再編成を陰で支える補完装置である。

分科会で西北五地域医療研究会対馬逸子会長は「自分たちの地域、私たちの地域医療のため、もっともっと声をだそう」と語った。前にも聞いたことのあるセリフだ。金木病院フォーラムのときも同じことを言っていた。

そもそも県の思惑の中核病院構想と住民の願いである地域医療の充実は相容れないものであり、対極に位置するものである。ではこの地域医療研のスタンスはいったいどこにあるのか?「声をあげろ」と煽る真意はなんだろう。

これはズバリ「ガス抜き」である。県とて、住民の声を無視して中核病院建設を強行するわけにはいかない。地域との軋轢を避けるために住民の声を出し尽くさせる。そして中核病院がどうしても必要なんだと落とす。汚いやり口だ。

いかにも地域住民の味方のようなお面をかぶり、実は県の走狗・第5列である「地域医療研究会」は解散すべきだ。声をあげたくてもあげられない人がいる。そんな切実な声なき声を反映する市民主体の活動がいま強く求められている。

東奥日報
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2006/20061119192738.asp

だいじょうぶか医療フォーラム

2006年11月19日 07時14分56秒 | その他
本日、「地域医療を考える県民フォーラム」が青森市で開催される。

「地域医療に関する包括的な課題について、行政・医療機関・住民等が一体となって、把握・検討・討議し、当該都道府県における地域医療の充実確保に寄与するとともに、地域が一体となって自ら地域医療について考える全国的なモデル事例として役割を果たすことを趣旨としてフォーラムを開催」するのだそうだ。
http://www.jichi.ac.jp/fdc/

県主導のフォーラムだけにどうもいやな気がしないでもない。

地域住民の生の声がどれだけとりあげられるのだろう。県が策定したグランドデザイン・・中核病院構想と地域医療の切捨て・・のPRに終始することになれば、いま社会問題となっている「やらせ」タウンミーティングと同じことになりはしないか。

青森県の医療設備と医師数

2006年11月19日 06時55分32秒 | 青森県の医師不足
ちょっと古い統計でもうしわけないが、青森県の病院数は全国22位で全国平均より上位にある。同様に病床数も18位でけっして遜色はない。(平成11年10月1日 厚生省「医療施設調査・病院報告」) 驚くべきは救急自動車の台数だ。これはなんと全国第5位である。(平成11年4月1日 総務庁「社会生活統計指数」)

転じて、医師数は下から6番目の42位。(平成10年12月31日 厚生省「医師・歯科医師・薬剤師調査」) このことから、青森県は設備はあるが医師がいないということがわかるが、これほどのアンバランスの原因はいったいどこにあるのだろう。設備につぎ込む予算を医師にむければ、医師を確保できたのではないだろうか。安易にハコモノばかりに走ってきたといえないだろうか。

ちなみに青森県の平均寿命は全国で最下位に低迷している。生活改善などが声高に叫ばれているが、医師を確保し医療体制を充実させれば平均寿命が延びることは子どもでもわかる道理だ。

金木病院・署名活動(2)

2006年11月18日 21時36分36秒 | 金木病院を守ろう
今日、仕事先で鶴田町のひとたちから署名をもらった。

鶴田町は五所川原市に隣接する関係で、この町は救急を五所川原西北中央病院に依存している。西北中央病院も医師不足で、50名必要なところ現在35名しかいない。それに加えて年間2,000件もの救急をこなさなければならないのだから、その激務は想像に難くない。

金木病院の救急体制が取り下げになれば、影響は鶴田町にも及ぶのは必然だ。金木病院の救急体制維持は、こと金木町だけの問題ではない。

大きな激励をいただいた。