金木病院

太宰治のふるさと津軽の金木町。危機に瀕した金木病院がみんなの協力でもちこたえました。

救急再開の現場記録!

つまずく病院再編

2007年05月04日 06時56分13秒 | 青森県の医師不足
先進地・山形県置賜地域の今 医師不足 患者も敬遠
先細る周辺3施設

『朝日新聞』 http://www.asahi.com/

(山形県・置賜地域の病院ネットワーク化について)当初の計画だと、総合病院は救急対応などに備えて外来患者は1日千人に抑え、サテライトで計800人を受け持つはずだった。だが現在、総合病院の患者数は計画より1割多く、サテライトは2割以上少ない。紹介状を持たずに総合病院を受診すると初診料は1570円高いが、それでも毎日約200人が紹介状なしに来院するという。

「サテライトには必要な医師が配置されていないから患者が大病院に集まってしまう」。サテライトの一つ、公立置賜南陽病院の原田正夫院長はそう指摘する。

南陽病院には市立病院時代、約20人の常勤医がいた。サテライトになった後は7人にする計画だったが、現状は4人。長井病院も同じだ。

総合病院がサテライトの外来や当直に医師を応援に出してはいるが、患者にしてみれば診療科が少ないうえ、行くたび医師が違うので不満が出やすい。結局、総合病院に患者が集まり、医師はさらに忙しくなる、という悪循環に陥っている。

サテライトの常勤医は、再編前から勤める50代以上が中心だ。60歳の松橋昭夫・長井病院長は「僕らが辞めた後、サテライトに医師がいるかどうか・・・」と話す。

サテライトが先細りすると、住民は大きな影響を受ける。総合病院は国の医療費抑制策にもとづいて入院期間を短くしていて、症状が一段落した患者は早期退院を求められる。サテライトはそうした患者が家に戻るまでの受け皿になっているのだ。また、車を運転できない高齢者にとって、歩いて通えるサテライト施設の存在は大きい。

【関連】
山形県置賜地域 第二の再編か ―医師確保で苦悩―
http://www.izai.net/jmdounaru.html

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当記事に「病院ネットワーク化の動きがある主な地域」として、

青森県五所川原市など2市4町
岩手県全域
宮城県大崎市
山形県南陽市など2市2町
名古屋市
兵庫県豊岡市など3市2町

があげられている。

金木病院は五所川原市が計画している199億円総合病院を中核としたサテライト化がすすめられようとしている。山形の失敗から学ばないと西北五地域の医療は崩壊する。

いまだ中核病院すら存在していないのに、周辺病院の規模を縮小するなどもってのほかである。体制不備のまま見切り発車されたのではたまったものではない。平川病院も05年にすでに津軽医療圏再編構想で廃院が計画されていたという。この医療圏も中核病院構想が頓挫したままで、これまた見切り発車といわざるをえない。

金木病院は内科医の退職によって救急停止となった。地域のひとたちは金木病院に内科医がいないと思い込んで、五所川原市の西北中央病院に集中しているという。朝5時30分に行っても診てもらったのが昼過ぎだったという話も聞く。

青森県は山形の例から学ばなければならない。青森県が進めているグランド・デザインは再検討されなければならない。