寝返りは大事（その２）

　前回の続きです。寝返りをするには頸椎（首の骨）の可動性が大事です。

　猫を高いところから変な姿勢で落とすとクルリと体を回転させて地面に着地するのは誰でも知っていると思います。その時に初めに動くのは首です。首で拍子を上手くとってバランスよく着地しています。体操選手なども空中で体を回転させるのをスローで見ると皆、首を先導させて動いてから体全体を動かしているのが分かると思います。

　人間は頭の比重がとても重い生物です。その重い頭でバランスを崩すことで体を操作しています。人は猫のように高いところから飛び降りることは普通ありませんが、寝返りするときに首から動きます。その首の可動性が悪いと寝返りが上手くできません。

　寝返りが出来ないとお年寄りの場合、床ずれ等を起こすのは知られています。では、若い人の場合はどうかというと床ずれにはならないでしょうが、寝ていて疲れが取れません。

　子供の場合、寝相が悪いほど身体に良いと言われています。これは寝ながらストレッチをしているようなものです。しかも身体の欲求を聴いて寝返りをします。それが歳を取るにしたがって首も身体も硬くなってしまいます。

　しかし、睡眠中は意識がないので寝返りしようとしても難しいですね。そういう人は床に入って寝付く前に首を左右に動かしたり、膝を立てて揃えたまま左右に倒したり、片膝を立ててその膝を左右に倒したり、普段あまりしない運動をしてみてください。

　その時のコツは力を入れずに「気持ち良い」と感じながら行うことです。無理に伸ばすことはしないよう注意してください。身体が弛むと自然と寝返りが出来ます。寝返りが出来ると質の高い睡眠がとれて疲れが取れます。お試しください。

　　　　杉並区西荻窪の整体・木村均整院