歴女ピアニスト:ピアノコンサート&イベント日記

コンサートホール、社寺、博物館の歴史講座などで歴史トーク&演奏している珍し~い「歴女ピアニスト」のブログ。

井口基成先生評伝、”鍵盤の天皇”読みました。

2022-05-26 12:55:33 | 日記
日本のピアノ界に君臨したカリスマ
ピアニスト、そしてピアノ教育家
井口基成先生の評伝が出版されました。

私の周りには、井口先生に直接指導を
受けた方、自分の先生が井口先生に
師事されていた方もいっぱいです。

1983年に亡くなられたので、もう
亡くなられて40年近くなるのに、
ピアノ音楽界でその影響力は大きかった。





井口先生の教えはお弟子さんや、
そのお弟子さんに受け継がれていき、
まさに”鍵盤の天皇”といった感じです。

しかしこの本には、井口先生が日本の
ピアノ界に残した偉大な業績だけでなく、
私生活のトラブルやスキャンダルまでも
くまなく取材して書かれていました。
その”負の部分”が驚きでした。
強烈な印象を残しています。

昔、私の師事していた先生は、
井口先生と並ぶ大家、クロイツアー先生の
お弟子さんだったので、井口基成先生とは
ちょっと相性が悪かったようでした。

「井口先生の業績が偉大なのは認めるけれど、
先生の奏法、私はあまり好きではないです。」
いつもそう言って批判していました。

ある時、「この噂、知っている?
井口先生は奥様と別居して、湘南あたりで
一人暮らししていたけど、若い恋人ができて、
東京で一緒に暮らしているらしい。
この環境で本当に真剣に音楽に集中できる?
私だったらできないだろうな。」

同じ音楽の世界にいると、そんな情報も
自然に入ってくるのでしょうね。
厳しいレッスンで有名な井口先生のこと、
若い恋人?それはあり得ないでしょう!
単なる噂話だと思っていました。

この本を読んで、昔、先生から聞いた噂話、
実はホントの話だったのかと驚きました。
音楽界のカリスマ井口先生の
別の顔がしっかり描かれているのです!

また、井口先生の公開レッスンを受けた方が
こんなことを言っていました。

「ある時、井口先生の公開レッスン中、
小さな子供が会場に入ってきて、歩き回ったり、
騒いだりしました。でも誰も注意しない。

厳しいレッスンで知られる井口先生なのに
子供が入ってきて騒いでも、何も怒らない。
それってあまりにも不思議でした。」

「後で聞いてびっくりです。
その子供、”井口先生の隠し子”なんだよと
みんなが教えてくれたから。
”隠し子”? 先生の愛人の子供なんだって。
うっそ~。井口先生、愛人がいるの?
信じられない。あの厳格な先生に愛人?」
お孫さんぐらいの年齢の子供さんだったとか。

この話も本を読んで納得しました。
でも、井口先生、私生活ではいろいろあっても、
人間としての魅力あふれ、本当に尊敬できる
スケールの大きい超人的な方だったと、
お弟子さんみんながおっしゃっていました。

井口先生も亡くなって40年近くなって
この本が出版され、驚いているのでは?
いや、没後40年近く経ったから、
厳格な先生の私生活やスキャンダルなど
負の部分も公開された(?)のかも。

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