伊達だより 再会した2人が第二の故郷伊達に移住して 第二の人生を歩む

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ジャコシカ145

2020-06-10 23:45:37 | ジャコシカ・・・小説

千恵さんの言う通りあやふやなのです。

 

頭のてっぺんから足の先まで、あいまいで自分でもどうしょうもない。

 

 気が着いたらそんな生き方をしていた。

 

 だからこれからも、多分そうやって行くのだと思っている」

 

 「本気でそんな風に考えているの」

 

 あやは不思議な生き物を見る眼付きで高志を見た。

 

 「本気かと聞かれると困ります。言った通りあやふやなのですから。だから僕に漁師になる気が

 

あるのかと聞かれても答えようがないのです。

 

 ただ今は気に入っているとしか言いようがない」

 

 「高志さんて正直な人なのね」

 

 足元に眼を落として聞いていた清子が短く言った。

 

 「正直かも知れないけれど、何だか悲しいね」

 

 千恵は戸惑う眼付きで高志を見た。

 

 「それに腹が立つわ。私あなたみたいな人に、以前どこかで会ったような気がする。

 

 縁があるのかも。

 

 そうなのね。今少こしだけ判った気がする。そういう人なのね」

 

 あやは先程と違った、はっきりとした視線で高志を見て言った。

 

 「私はさっぱり分からない。高志さんの言葉を言葉通りに、理解することなんてできない」

 

 千恵の顔は曇ったままだ・

 

 その表情を見て高志は少こし狼狽した。

 

 「いやあ、ごめん。僕は時々自分でも理由が分からないことを言うくせがあるんだ。

 


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