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伊達だより 再会した2人が第二の故郷伊達に移住して 第二の人生を歩む

田舎暮らしの日々とガーデニング 時々ニャンコと

小説を発信中

  
  
  
  

  

ジャコシカ44、45

2018-05-27 18:40:10 | ジャコシカ・・・小説
 皆が真顔になって高志を見た。

 慌てた高志が眼の前で、開いた両の手の平を振った。

 「いやあ、それはありません。僕はあの入江がすごく気に入っていますから。最初連れて行かれ

た時から、何かわくわくしています。あそこは流人の島どころか、豪華な秘密のお城みたいな所で

す。日本中探したって、あんな素敵な所はありませんよ。鉄さんだってとてもいい人ですし、僕、

当分出て行く気はありません」

 最後の言葉は千恵を見て言った。

 彼女は気圧されたように、黙ったが、すぐに弾き返すように言った。

 「よかったね鉄小父さん。暫くは楽できるっしょ。それに寂しくないかも」

 「千恵お前はどうしてそう遠慮のない物言いをするかね」

 トキが困った顔で、鉄さんにちよっと頭を下げる。

 「千恵ちゃんの言う通りだよ。猛さんは良い拾いものをしてくれた」

 「ほらあ、鉄小父さんの方が遠慮なしでしょう」

 どっと皆の笑い声が上がった。

 旨いものと酒の力も加わって、その後も部屋の中は明るい笑いと、話し声で満たされた。

 高志はこれは入江の家と同じく、自分にとっては勝手の分からぬ、不思議な初体験の世界だと思

った。

 世の中にはこんな団欒に恵まれた生活もあるのだと驚かされた。ふと自分は、根なし草の

生活を続け過ぎたのかも知れないと思った。

 あたり前の人の生活を、あたり前だと感じられなくなっていたのかも知れないと思った。

 久し振りに忘れかけていた、東京の家のことが思い出された。家出同然であの家を出てから既に

5年が経っている。

 父や母は、そして兄や妹は元気だろうか。今でも自分のことを、思い出すことがあるのだろうか。

 ずるずると芋蔓式に引き寄せられる記憶を、高志は酔いを払うように振り払った。

 
 どんなに酒が入り、賑やかに騒いでいても堅気の暮らしの夜は、時間がくると皆さっと床に着

く。二人の来客も入江の時刻に合わせたように、客間で床に就いた。

 冷えた部屋と寝具を気遣って、トキさんが入れてくれた湯たんぽが、心地良く嬉しかった。


 翌朝は皆と一緒に起きて、懐かしいみそ汁の香りが漂う朝げに着いた。

 心配していた空模様は、どんよりとして前日と変わらない。

 風が無いので凪(なぎ)を期待して、鉄さんと高志は漁協に出勤の清子と一緒に家を出た。

 二階を駆け下りて玄関まで追って来た千恵が叫んだ。

 「春には釣りに行くし山菜取りにも行くから、連れて行って」

 「待ってるよ。いつでもおいで」

 鉄さんが心得顔で言った。

 「清子さんも一緒に来てな。忙しいだろうけれど子供の時みたいに来て欲しいんだ」

 「そうさせてもらいます」

 清子はほっくりと笑って言った。

 彼女は傍にいるだけで、空気を柔らかくする。

 高志はそれとなく、そんな彼女に視線を投げて思った。


 海は期待に応えてはくれなかった。
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キキ頑張っています

2018-05-27 11:54:00 | 愛猫のキキ
 キキの介護をしている娘から

 毎日のように報告の電話が・・・

 先日動物病院へ行き 娘だけ話を聞いてきた。

 内臓の働が弱っていてカリカリを受け付けなくなったらしい・・・

 ニャンコの離乳食をスポイトで食べさせてみたら・・・とのアドバイス


 早速実行するとスプンで二つは食べたという

 その後は自力で少し食べたが

 昨日離乳食の缶詰を変えたら自力で食べず

 食べさせるとやっとちょこっと食べるとのこと・・・

 元の缶詰に替えてみるとのことだったが


 いよいよ食べられなくなったような気がする。


 奇跡を起こすといいのですがネ


 昨日は10日振りのウンチが出たと喜んでいた。


 頑張れキキ


 6月にはかぁしゃんが行くからニァー


 藤の花がきれいに咲いたよーキキ


  


 ララの好きだった裏庭に咲いた藤・・・ララくん空から見てるかい。


 

 5月の初めに行ったときは元気だったのに・・・・

 18日に急変したらしい。

 


 
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服をはぎ取られる

2018-05-27 08:20:18 | 家族
 姉と姪で昔の話をしていて大笑いした。

 Yちゃんは中学生の時からバンドをやっていて

 ピアノは小学生の頃から習っていて才能があったらしい。


 中学生の頃から目立っていて 可愛く 大人びていた

 常に何か深く考えているような目をした賢い子だった。


いつも遠くを見つめていたような気がする。


 専門学校を卒業して上京

 モデルにでもなるのかなぁーと思っていたら普通のOLだった。

 外見は派手だったが実は真面目だったのネ

 
 私の若い頃に似ている。


 毎年田舎にお盆に集まる

 Yちゃんが中学生の時

 私の着ていたワンピーがステキ・・・と何度も言うので

 姉がそれYにあげて・・・と万札をくれた。

 お金に目がくらんだ私はその場で服を脱ぎ

 Yちゃんに着せるとぴったし・・・。


 そんなエピサーソードもあったよネと

 笑い合えるきょうだいって本当に最高・・・


 たった一人の姉さん


 長生きしてニァー。


  Yちゃんの次男君も来年北大を卒業

  速いねぇー


  そうかそうか

  肩の荷を下ろしたら少し楽になるんだ・・・

  個性的だから きっといい小説も書けると思うよ・・・。


  私からはぎ取った服を着た

  おませな中学生のYちゃん


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そんなことあったなんて・・・初耳

2018-05-27 07:21:13 | 家族
 昨日姉と姪が遊びに来た時

 姪のYちゃんが

 おばちゃん もう小説を書いてないの・・・

 と訊いてきた。


 私は若い時小説を何篇か書いていた。

 あっそうだった 30代の時同人誌に数年はいっていたこともあったっけ・・・

 すっかり忘れておった。

 作品も三篇ほど発表していた。

 それを言うのをすっかり忘れておった。

 才能が無いと分かり書かなくなりましたがネ

 それでもエッセィは書き続けている。


 特に辛い時は文章を書き、本当に辛い時は

 短歌を詠み乗り越えてきた。

 モチお酒も飲みましたが。

 大手の短歌誌にも参加していた時期もあったっけ・・・・。


 Yちゃんも小説を書きたいそうで・・・創作講座に通うかな?

 と言う話になり

 行かないよりも行ったほうがいいかも知れないが・・・

 感性の問題だからネ


 と言うと


 が突然

 過去に某所から、創作の講座を開きたいので講師を、と依頼されたが

 断った・・・小説は教わるものではない・・・・

 えぇー


 知らなかった


 そんな話 わたし 聴いてない


 どうやら私が札幌に行っていた時らしい・・・


 おしかったねぇー。


 小説は感性の問題だけれども、書く前のテニオハは教えられるのに

 残念

 二人で講師になったらバッチリだったのにいー

 
 今さら嘆いても後の祭り


 は伊達にきてから二回ほど講演しているが

 それもしぶしぶ

 
 目立つことを嫌う マイペースの人だからネ

 しゃーない。


 小説を書いているうちに勝手に指が動く

 に二人で納得

 そんな域に達したいものデス。


 私がの小説をワードに打ち込むバイトをしている

 と

 言うと


 Yちゃん

 私もやりたい・・・と「茅葺アパートの住人たち」の原稿600枚を


 編集者になったみたい・・と言いながら


 嬉しそうに持って行った。

 
 フッフフフ 。


  Yちゃん 講座に通うよりも の小説を打ちこむ方が

  勉強になると思うよ・・・。

 

 
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