私の町吉備津

岡山市吉備津に住んでいます。何にやかにやと・・・

疑問だらけの穴穂御子の戦術ー戦いなき戦いー

2016-05-03 10:01:07 | 日記

 此の二人の兄弟でお互いに兵器の種類は違っていたのですが、戦闘準備をします。機先を制すべく、まず、行動を起こしたのは弟君の方です。鉄製の戦闘用の矢じりを用意したくらいですから最初からその気があったのではないでしょうか・・・。兄君の方と云えば呪術には長けていたのですが、実際の戦闘に慣れていなかったはずですから機先を制するなんて戦術は知らなかったのではないでしょうか。まず、

 ”於是穴穂御子興軍<ココニ アナホノミコ イクサヲオコシテ>”

 と、古事記には書いてあります。

 軍を率いて軽太子の逃げ込んだ大前小前宿禰の家を取り囲みます。すると、どうでしょう。此の宿禰は呪術が専門の家です。どう占ったのかは分かりませんが、弟君の軍隊がその門前に現れた時に、俄かに、大空が掻き曇り、”大冰雨<ヒサメ>”が降り出したのです。冷たい雨が豪雨となってです。
 攻め込んでいた弟君の軍隊も、急に降りだした冷たい氷雨をどうすることもできません。その時、普通ならそんなことと思われるようなことを、弟君の軍隊は、平気でしたのです。それは、その軍隊を敵方である宿禰の家の門の屋根の下で雨宿りをさせるのです。そこには戦闘も何も起こってはいません。静かに敵である弟君の兵隊の雨宿りを許したのです。

 こんなことって考えられます??? そんなことが行われたということは、この弟君の軍隊も、何かいわく因縁がありそうだとは思われません???此の両郡の間には、初めから激しい戦いなどは考えてはいなかったのではいかと思われる様な、静かな戦いなき戦いだったのではないでしょうか? 事前に何か両軍の首脳の間には話し合いがあったのではんないかと思われる様な争いではなかったのでしょうか。