BioDoxology

生物と映画と政治とマレー・インドネシア語にうるさい大学生の戯言

マレーシア旅行(5)

2011-08-15 00:59:46 | 雑記
 8月4日、宿泊先であるマラッカのA先生のマンションで起床。先生と車の運転をしてくださるHさんは断食中だが、自分のためにトースト、目玉焼き、トマトからなる朝食を作ってくれた。なんだか申し訳ない。トーストのパンにはハーブとココナッツが入っているらしく、緑色で甘い香りがした。日本でもこんなパンは売っているのだろうか。荷物をまとめて午前10時過ぎにマンションを出発。マラッカの土産物屋に行き、いくつか民芸品を買う。先生の助けを借りつつマレー語で店員と会話。地元の店では値切るのが基本である。買ったものの中にキーホルダーがあったが、気に入った柄のものにはキーをつける輪がない。店員に言うと「じゃあ付け替えましょう」とほかのがらのキーホルダーの輪をとって付け替えてくれた(笑)。もう慣れてきましたよ、マレーシアの乗り。じっくり探したかったのだが、先生とHさんを待たせるのも悪いと思い、あまりよく考えずに買って出て行ってしまった。

 Hさんの運転する車でKLへ向かう。ラジオから音楽が流れてきて、何と「愛してる」という日本語が歌詞に入っていた。DJが「『愛してる』とは“I love you”という意味の日本語です」と紹介していた。大きい道路のそばには、小さな果物屋が散在していて、紀行番組のようないい風景。車を止めてそのうちの一軒に立ち寄った。


車の窓から見た店の風景。建物はなく、バイクとパラソルが店になっている。


近づいてみると、赤や黄色のランブータンがたわわにぶら下がっている。

 店主は少し汚れたポロシャツと短パンをはき、日焼けした肌で白髪のじいさんで、まさに紀行番組「街道を行く」の世界。ランブータンやグアバを買い、じいさんに店の写真を撮っていいかと尋ねると、突如じいさんが真面目な顔で一気に話し始めた。何を言っているのかさっぱりわからない。まずいことでも言ったかと思い焦ったが、先生とHさんは時折笑いながら話を聞いているので大丈夫そうだ。そして先生に「食べてていいですよ」とランブータンを渡されたのでとりあえず食べる。ライチと似た味だが、とにかく甘い。昔日本で食べたものとはやはり全然違う。熱っぽく語るじいさんと、話を面白そうに聞いている2人に対し、何もわからず突っ立ってランブータンをかじっているだけの自分がみじめに思えた。10分以上にわたる話のうち、「50年」という言葉が何度か聞き取れ、また自分の日焼けした肌を指して「白」と言っているのがわかったので、「わしはここで50年も果物を売ってきたんだ、白かった肌もこんなに焼けちまった」みたいなことを言っているのだろうか。そのうち、じいさんが店の後ろのほうから黄金色の液体の入ったビンを持ってきて、先生に買わせた。もはや理解不能…。話を終えて3人で車に戻った。

 先生に「あの人は何を話してたんですか?話がわかりませんでした」と聞くと「若いころの話をしてましたよ」とのこと。大枠は当たっていたか。そして謎のビンの正体は天然はちみつだそうだ。


ランブータン。赤と黄色とあります。


はちみつ。上のほうはガスが出てきて泡立っていた。

 その後、薬屋を営んでいるという先生のお姉さんの家に立ち寄り、先生が薬を譲ってもらっていた。なんと薬もハラル(イスラム法で禁じられていない飲食物)でなければいけないのだそうで、ビンに「ハラル」と書いてある。豚の結成から作ったワクチンなどもだめなのだろうか。ムスリムの方々は本当に大変。

 しばらく車で眠っていると、午後1時ごろに高速道路のサービスエリアに到着。「昼ご飯食べますか?」と先生に聞かれたので「はい」と答え車を降りると、2人がついてこない。もちろん、2人が断食中で食べないのは知っているが、自分一人で食べに行けということか…?車に戻って「勝手に食べに行っちゃっていいんですか?」と聞くと「うん、僕たちは車で待ってるから」。さあ、一気に不安になった(笑)。テラス式のぼろい大衆食堂に入ると、例によってラマダンでダルそうな店員が客席で携帯をいじっている。一見客と区別がつかないくらいだ。厨房に貼ってあるメニューを見て(このクラスの店だとマレー語表記しかない)、恐る恐る店員に近づき、つまずきつつも塩シーフード・ナシゴレンを注文した。出てきたナシゴレンを食べると、これが驚くほどに絶品。本格的にこったスパイスや調味料はあまり使われておらず、中国のチャーハンに近いくらいで日本人の口に合う。具は小さめのエビが何尾か殻ごと、それに細かく切った白身魚と、生の巨大キュウリが数切れ。いたってシンプルな具だが、エビも魚もおいしく、塩味も絶品だ。まさに家庭の味といった感じ。値段にして5.5リンギット(約150円)だが、結局マレーシアで食べた食事の中で一番のうまさだった。初日に70リンギット払ってまずかったルームサービスは一体…。

 写真を撮りたかったのだが、周りで食べている人たちが明らかに現地の人といった感じで、なかなかいかつい人も多く、それに店員もだるくしているので、委縮してしまって撮れずじまいに。さらに、半分ほど食べたころから野良猫が近づいてきた。マラッカにもいたが、マレーシアには野良猫がとても多い。一度目があってしまったが最後、どんどん近づいてきて自分のいるテーブルの真下に来た。引っかかれたりして病原菌が入ると出国できなくなる恐れもあり、びびって席を立つと、その席に飛び乗ってきたので追い払った。猫は床でのんびり寝ていて、周りの客は目にとめる様子もない。猫ごときにびびって立っているのは自分だけで、カモな雰囲気を出しまくっている。なんだか怖くなってきたので急いで食べ終えて車に戻った。

 KLに入り、初めに寄ったのは王宮イスタナ・ネガラ。もとは鈴鉱山開発で成功した中国計商人の家だったが、のちに国が買い取ったものである。門にはイギリスのような衛兵もいる。普段国王は別の公邸にいて、王宮へは行事のある時などにしか来ないそうだが、黄色い旗が立っている時には王宮にいるらしく、この日はビンゴでその旗が立っていた(門の外からしか撮影できなかったのでわかりにくいが)。


左は門の正面。右は左の写真に入りきらなかった門の端。黄色い旗が何とか見えるか…。


柵越しに撮った王宮。

 きりが悪いですが、いつものごとく長くなりすぎたのでいったん終了。次回が最後になります。たぶん。

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