毎日のように同じ時間になると玄関にやってくる志麻子。
息子を待っている。
いつもこの時間、息子が帰ってくると思っている。
息子のこぐ自転車の音の微妙な感じを覚えている。
遠いところから聞こえてくるペダルの音を志麻子はわかっていて、眠っていてもその音が聞こえると首を持ち上げる。
そんな志麻子の愛情を息子はどれほどのことなのか知らない。
なので、待っている志麻子の背中を撮影した。
息子はしんみりとしていた。
志麻子にとって息子は何なんだろう。
子どもなんだろうか。親だろうか。兄妹だろうか。恋人だろうか。
明日もたぶん同じ時間に志麻子は玄関にいるんだろうな。
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