"Everything Is Illuminated"
2005年アメリカ
監督)リーブ・シュライバー
出演)イライジャ・ウッド ユージーン・ハッツ ボリス・レスキン ラリッサ・ローレット
満足度)★★★ (満点は★5つです)
アミューズCQNにて
ユダヤ系アメリカ人の青年ジョナサン(イライジャ・ウッド)は、ウクライナから移民してきた家族の記念となる物なら何でもコレクションし、ジプロックに保管したそれらのガラクタを壁に貼り付けている。
ある日、ジョナサンは病床の祖母から1枚の古い写真を受け取る。それは若かりし頃の祖父が若い女性と並んだ写真だった。
一族の来歴に興味を持ったジョナサンは、写真に走り書きされていた「アウグスチーネとトラキムブロドにて」というメモを頼りにウクライナに飛ぶ。
ずーっと前なのですが、『舞踏会へ向かう三人の農夫』(リチャード・パワーズ著/柴田元幸訳・みすず書房刊)という本を読んだのを思い出しました。詳細な内容はよく覚えてないのですが、一張羅を着て農道に佇む無名の3人の農夫を写した古い写真から、彼らの人生を想像して物語を紡ぎあげてゆくなかなか読み応えのある小説でした。
この小説の面白いところは、無名の人間に焦点をあて、その写真の中の佇まいだけを頼りに物語を膨らませていったところであり、それはこの映画にも言えることだと思います。
若い頃の祖父と若い女性がただ突っ立っているだけの写真。それはただの古い記念写真でしかないし、そこにはドラマのかけらさえ無い。
だけど、ジョナサンが、珍道中の末に現地の案内人アレックス(ユージーン・ハッツ)とその祖父(ボリス・レスキン)と共に祖父の故郷トラキムブロドを探し当てた末に知ったその写真の背景にある物語の重み。
それはその平凡な写真からは想像できないような苛烈なものだったし、その写真が導き出した真実は道行を共にした3人全てに大きな影響を与えるわけです。
平凡でつまらない物でも、人が触れてきた物にはその人の歴史が刻まれており、それが後世の人間を啓発する。"Everything Is Illuminated"というちょっと風変わりな題名には多分こういう意味がこめられていたんだと思います。
という、なかなか面白い題材の作品ではあったのですが、映画作品として観ると、いささか中途半端な印象でした。何と言うか、メリハリが利いていない。エキセントリックで潔癖症なジョナサンとクストリッツァ作品の登場人物のようなウクライナ人家族。面白そうな組み合わせなんですけどね、どこか手堅くまとめすぎたような印象。
イライジャ・ウッドは『エターナル・サンシャイン』『シン・シティ』に続いてまもやちょっと変わった役。この後には『フーリガン』なんていうのも控えていて。いよいよフロドの印象を払拭できそうです。
雰囲気のある作品でしたね、、、
最初あまりにもコメディチックだったかと思えば後半はわりとシリアスでした、、、
こころもちゆるめでしたがなかなか気に入りました。
「舞踏会へ向かう三人の農夫」が読んでみたくなりましたー。
サッカーものにはあまり興味ないんですが、『フーリガン』だけは観たいです♪
そうそう、前半と後半で雰囲気がガラッと変わりましたよね。僕は、前半のコメディ路線で押し切ってくれたほうがもっと楽しめたような気がしています・・・。
『舞踏会へ向かう三人の農夫』、面白いですよ!
内容をかなり忘れてしまったので、僕もこれを機に今度読み直してみようと思っています。
『フーリガン』、WCにあわせて来月封切ですよね。これは僕も楽しみにしています。