久しぶりの更新です。
何やら最近忙しく、落ち着いてPCを開く時間がなくなってきて・・・。
映画を観る時間は何とか確保してるんですけどね。
11月は出張が多かったりしてさらに時間のやりくりに苦労しそうな気配なのですが、ボチボチと記事をアップしてゆきたいと思っています。
ということで今回も最近観た作品を駆け足で振り返りたく。
Oiビシクレッタ "O Caminho das Nuvens" 2003年ブラジル
満足度)★★
シネマ・アンジェリカにて
うーん、こういうネオ・レアリズモ風の映画を「つまらない」と言うのってちょっと気が引けますね。
だけど言い切ってしまいましょう。
これはつまらない。
貧困から抜け出すために自転車で都会を目指す家族を描いたロード・ムービーなのですが、なにしろプライドだけは高い父親の虚勢のはりっぷりにイライラしてしまって。
ちなみに自転車でスローな旅をする家族ののんびりほっこりした話を期待すると裏切られます。
ブラック・ダリア "Black Dahlia" 2006年アメリカ
満足度)★★★★
スカラ座にて
ブライアン・デ・パルマによるジェイムス・エルロイ作品の映画化。
これが期待せずにおられましょうか!胸を躍らせて観にいきました。
確かに面白い。水準を大きく超える出来。
デ・パルマの流麗な映像とエルロイの男臭さがバッチリ堪能できて。
だけど、それだけ。想定の範囲内というか。
ちょっと期待が大きすぎたのかもしれませぬ。
トリスタンとイゾルデ "Tristan & Isolde" 2005年アメリカ
満足度)★★★☆
シネプレックス幕張にて
普通だったら絶対に観にいかない類の作品なのですが、大好きなアイルランド絡み、ということで全然期待せずに観に行きました。
いや、これはなかなかの拾い物。
古典物語が原作なだけに、なにしろストーリーの骨格がしっかりしていて飽きさせない。
地味な俳優陣の地味な演技も地味に良かった。
サンキュー・スモーキング "Thank You for Smoking" 2006年アメリカ
満足度)★★★☆
シャンテ・シネにて
こぼしたコーヒーをファスト・フード店のせいにしたり、電子レンジの中で死んでしまった猫を電器メーカーのせいにしたりして裁判を起こしてしまう(そして勝ってしまう)ヘンチクリン国家・アメリカらしい作品。
親と子のいかにもな絆をサブ・プロットに据えているのもアメリカ風味を強調。
それにしても、主人公の煙草業界ロビイストの敵役を演じたウィリアム・H・メイシー、相変わらず良い仕事してます。
悪魔とダニエル・ジョンストン "The Devil and Daniel Johnston" 2005年アメリカ
満足度)★★★☆
ライズXにて
正気と狂気の狭間で創作活動を行う芸術家にはやっぱり惹かれます。
大学の同級生への憧れを25年後も歌い続けるダニエル・ジョンストン。
悪魔に付け狙われていると信じ込むダニエル・ジョンストン。
マウンテン・デューへの愛着を真剣に唄いこむダニエル・ジョンストン。
全てが愛おしい。
CD速攻で買ってしまいました。
レディ・イン・ザ・ウォーター "Lady in the Water" 2006年アメリカ
満足度)★★★
渋谷TOEIにて
もっともらしくメジャー映画を作り続けていますが、シャマラン監督作品の本質はそのB級感にあると思います。本作のショボさを観るとそれがよくわかる。
全てがご都合主義的に強引に展開してゆくし、CGの怪物も随分なのですが、それでも駄作!と切り捨てるには惜しい何かがあるのも確か。
テレ東のお昼の映画を観ていたら意外に面白くて気付いたら全部観ちゃった、みたいな微妙な魅力があります。
ワールド・トレード・センター "World Trade Center" 2006年アメリカ
満足度) ★★★☆
ワーナー・マイカル・シネマズ市川妙典にて
オリバー・ストーン監督ですから政治的で押し付けがましい作品になるかと思ったのですが、思ったよりも抑制の効いた印象。
WTCの瓦礫の下で救助を待つ警察官とその家族に焦点を絞った力強い作品。
題材が題材ですから色々な意見もあるかと思いますが、惨状の中でも助け合う人達の様子にはやっぱり感動します。
来週以降は、また通常営業に戻るつもりですので、ひとつ宜しく御願いします。
天高く馬肥ゆる秋、皆様いかがお過ごしでしょうか。
最近観たい映画がドッと封切られまして嬉しい悲鳴。
とりあえず何とか全部観てはいるのですが、困ったのは記事を書く時間が取れないこと。
もう6本も溜まってしまいましたよ。このままだとどうにも行き詰まってしまいそうで。
ここらで一回身軽になるべく最近観た映画を一括一言レビューしてお茶を濁そうなどと画策してみました。
そんなわけで、最近観た映画一言レビュー、どうぞ!
『サムサッカー』 "Thumbsucker" 2005年アメリカ
満足度) ★★★☆ (満点は★5つです)
シネマ・ライズにて
この映画の予告編で、監督のマイク・ミルズについてソフィア・コッポラやジェフ・マクフェトリッジとお友達、などとそのオシャレっぷりを強調していたものだからケッと思っていたのですが作品自体はまあまあ。普通に面白い青春譚です。
自分がティーンエイジャーだったらもっとグッと来たかも。
サントラはエラく良かったなあ。
『セレブの種』 "She Hate Me" 2004年アメリカ
満足度) ★★★☆
アミューズCQNにて
『セレブの種』という邦題からはキワイ印象を受けますがなかなか正統な作品ですよ、これは。
イタリアン・マフィアを演じたジョン・タトゥーロのマーロン・ブランドの物真似がナイス!
『カポーティ』 "Capote" 2005年アメリカ
満足度) ★★★☆
シャンテ・シネにて
本作でアカデミー男優賞を取ったフィリップ・シーモア・ホフマンは大好きな俳優さんだし、カポーティの小説も好きなのですごく楽しみにしていた作品だったのですが、うーん、期待の割にはグッと来なかったですね。水準以上ではありましたが。
ただ、特にふてぶてしくしているときのカポーティの嫌らしい雰囲気は良かったなあ。
ということで第2弾に続く!
"天邊一朶雲"
2005年台湾
監督)ツァイ・ミンリャン
出演)チェン・シャンチー リー・カンション 夜桜すもも ルー・イーチン ヤン・クイメイ
満足度)★★★★ (満点は★5つです)
シアター・イメージフォーラムにて
全土が記録的な水不足に襲われ、水の代用品として西瓜ジュースが飛ぶように売れている台北。
女(チェン・シャンチー)は男(リー・カンション)と出会い(再会し)淡い恋心を抱くが、男はAV男優として身をたてていた。
5、6年前でしょうか、大島渚の『愛のコリーダ』のノーカット版が上映され僕もいそいそと観にいったのですが、これが噂に違わぬ名作で。
製作当時(1976年)の基準からすると思い切った猥褻表現だったのかもしれませんが、21世紀に生きる僕達から観るとそれはまあそんなにビックリするほどのものではなく。
だからこそ、と言っても良いかと思うのですが、その分クッキリと僕の心に残ったのはその純愛映画としての素晴らしさ。
果てしない愛欲の末に行き着くところまで行ってしまうふたり。
全てを捨てて求め合う男女の姿、これは紛れも無く純愛映画に思えたのでした。
この『西瓜』にも、同種の手触りを感じました。
インパクト大なAV撮影場面やシュールで過剰なミュージカル・シーンを濾過してみたらそこにはしっかりと純愛成分が残っているという。
気を失ったAV女優と交わる男と、窓越しにそれを見つめる女。
目があった二人がお互いに感応し絶頂に到る。
ツァイ・ミンリャンらしい過剰に長いこのシーンの緊張感たるや、何だか観ているこっちが逃げ出したくなる位で。
だけど、同時に切なくもあるんです。
強く求め合う二人なのにお互いの体を感じあうことが出来ず、他人の体を介して絶頂に達するというその構図が。
西瓜を被ったり、秘宝館みたいな格好をしてお笑いスレスレの体当たり演技を見せるリー・カンション、この怪しげな作品の中でも清明さを失わないチェン・シャンチー、両名のギリギリ演技も特筆です。
しかしあのミュージカル・シーンの数々、どれも何だかものすごいことになってましたが、意外とオシャレだと思うのは僕だけでしょうか?