ポリティカルセオリスト 瀬戸健一郎の政治放談

政治生活30年の経験と学識を活かし、ポリティカルセオリストの視点から政治の今を語ります。気軽にコメントして下さいね!

選挙をどう改革するか。

2007-01-27 02:10:51 | 市議会議員として
※添付画像は、昨年の選挙で私が公営選挙で2,000通郵送した「選挙ハガキ」です。お手元に届かなかったみなさま、ごめんなさい。

昨年の市議会議員選挙では、多くの温かいご支援をいただきましたが、同時に、いくつかの無視できない厳しい声もいただきました。公営選挙におけるポスター代や選挙期間中に大音量で街宣する選挙カーの騒音などが具体的な問題でした。

■ご存知ですか?選挙期間にできること。

現行の公職選挙法では、選挙期間中に行えることは、
①選挙ポスター(選挙管理委員会が設置する選挙ポスターの公営掲示板に規格どおりのポスターを貼り出すこと。)
②選挙公報(選挙管理委員会が発行する選挙公報に規格どおりの記事を掲載すること。)
③選挙ハガキ(規程枚数=草加市議選の場合は2000枚を郵送すること。)
④選挙カー(選挙管理委員会と警察署の審査を合格した街宣車で、午前8時から午後8時までの間、街宣活動を行うこと。)
⑤演説会(選挙管理委員会から支給された垂れ幕を掲示し、立会い演説会を開催すること。)

この内、①選挙ポスター制作費、②選挙公報掲載料(版下は自前)、③選挙ハガキ郵送料(制作費は自前)、④選挙カー(レンタカー代、ガソリン代、運転手日当)などが公営選挙費用として税金から支出されます。

■これって効果的?お金のかかる選挙。

果たして、これらの手段が民主的に自分たちの代表を適正に選ぶために必要なものであるのかについて、私たち選挙に立候補する立場にある者も考えなくてはならないと思います。

選挙ポスターというのは、洋の東西を問わず、選挙の道具としては古くて伝統的なものでした。これを制作することが、選挙で一番、お金のかかる仕事なので、昔からお金のある人でないとこれを作り、町中に貼り出すことはできませんでした。

このコストを低減するために、選挙の事前ポスターの貼り出しが禁止され、公営掲示板のみに、選挙期間中に限り、公費で制作したポスターを貼り出すことが出来る現行の制度が出来上がりました。

それでも、政党や政治団体が開催する立会い演説会の周知ポスターであれば、選挙告示日直前まで貼り出すことが出来るため、県議選に向けたポスターが町中に増え始めてきました。

相変わらず、金がなければ事前ポスターを貼り出すことはできない。

それならば、いっそ、以前の制度に公職選挙法を戻して、公費による選挙ポスター制作をやめた方がいいのではないか。

そんな議論も可能です。

■本質的な議論を!選挙を近代化する。

さらに、公営掲示板を設置し、公費で制作されたポスターを市内約350箇所に1週間貼り出すことが果たして効果的に有権者が立候補者を理解し、比較し、選択する材料であり得るのかという視点が、今回、公営選挙ポスターの制作費について熱く問題提起しておられた、ある地元経営者の方のお話しを実際に伺って、私自身が気づかされた、本質的な議論です。

昨年の選挙は私も、既存のルールに従って、出来る限りの手段を講じて戦いました。しかし、これから4年間で、もしも選挙そのもののあり方に、何らかのブレークスルーが創れるのならば、その議論を今から始めてみようと考えています。

例えば、昔はテレビなどの視聴覚メディアを利用することは、地方選挙では経済的に現実的ではありませんでした。しかし、今や草加市議会の本会議はインターネットのストリーミング技術の発達によって、常に同時中継されており、録画映像も、いつでも簡単に見ることができます。

確かに、インターネットを利用できない人はまだ多数いるかもしれません。しかし、インターネットによって配信される視覚メディア映像は、テレビに映し出すことができますから、ポスターのための公営掲示板の設置費用で、公共施設にテレビを増設して、市議選候補者の政見放送を放映することは十分に可能です。

しかも、選挙ポスターの公営掲示板は1週間の選挙が終われば撤去して処分されますが、テレビやインフラは永続的に市民の財産になります。

■本物の選挙制度改革こそがデモクラシーを活性化させる。

私は、草加市議会が日本一の議会になるように、日本一の議員削減率を達成したことによる財源の一部を使って、副議長時代にインターネットによる議事録の検索システムを導入し、さらに議長時代に本会議場の大改修によって、デジタルビデオカメラを設置してストリーミングによるインターネットでの本会議中継の基礎を創りました。これらのことが草加のデモクラシーを活性化させる方法だと信じていたからです。もちろん、今でもそう思っています。

しかし、これらの手段を選挙制度に応用しようという発想が、今回、私に熱く語ってくれた地元経営者のNさんのお話しを直接、聞くまでありませんでした。

とても、恥ずかしいです。

おそらく、これからの4年間に、コミュニケーション技術はさらに格段に進歩するでしょう。その時代にふさわしい公職選挙法をつくることを、このブログの読者である皆さんの知恵を借りながら、微力ながらやっていきたいと思います。それが日本のデモクラシーを活性化させる本質的な議論になるかもしれません。

今後とも、皆さんの声を、私に聞かせてください。よろしくお願いいたします。

瀬戸健一郎
Kenichiro Seto
草加市議会議員
Soka City Councilor



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
選挙カーの”騒音” (ヨットマン)
2007-01-29 19:28:48
瀬戸議員様

 よくぞ、言ってくれました。
地元で”残された人たち”は、選挙期間中、この
選挙カーには”連日、朝から晩まで、ある意味一方的に、単なる候補者の”連呼”という”騒音”に
悩まされるのです。
 
 その昔、私も宣車運転をしました・・路地路地
まで行く事が、その候補者にとっては、”宣伝”に
なると喜ばれたものでしたが、今考えると、”騒音”を放ちに行ったと猛省しております。

 これからは、貴方が書かれた様に、メディアを通じての、候補者の考え方を、”いつでも”引き出せる
そんな時代の”さきがけ”と草加市がなって欲しい
と思います。

 静かな・・そのくせ、候補者の考え方、主張を
有権者が、いつでも”引き出せる”そんな”熱い”
選挙があっても良いと思います。

 賛成!
 
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静かな選挙 (しっかりしろ!吉川市)
2007-02-02 18:14:19
これはある程度感情的な問題もあるのかも知れませんが、普段から何らかの方法で情報発信している方なら、選挙期間中の街宣車の連呼もそれほど気になりません。しかし、後援会や支持組織のみにしか顔を向けず、選挙の時だけ街宣車で連呼する候補者はタダの騒音にしか聞こえません。選挙の時期だけ、新聞の折り込みチラシで「議員お手柄経歴」や、推薦文を載せてくる候補者もノーサンキューですね。
金のかからない草の根の選挙や、手作り選挙が最高だとは思いません。やはり、手段の一つであって、地域や候補者によって方法は違うと思います。
ヨットマンさんのおっしゃるとおり、候補者の考えや主張を、いつでも聞くことが出来る環境は必要です。選挙の時だけ名前を連呼されても、何を考えて何を成し遂げようとしているか、まるで判りませんから。
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