平成18年度決算否決＠決算特別委員会

※画像は昨日の草加市議会一般会計決算特別委員会での草加市平成１８年度決算不認定の議決を報じる新聞各紙。

■市民の財産を公益に活かさず払い下げ。

都市計画マスタープランという草加市のまちづくりの大きな指針で決められた道路を整備するために、草加市が所有していた４３０坪もの赤道（旧道路）と青道（旧水路）の用地を「付け替え」（道路拡幅などに必要な位置の敷地と公有地を交換すること）することを怠り、平成19年2月に木下市長は丸ごとある企業に払い下げる決裁をしていました。

■転売禁止規定（特約）も付けず大規模マンション開発。

しかも、払い下げによって自社所有地と合わせて約４，８００坪の整形地を手にした売却先の企業が、草加市からの払い下げの直後にこれをマンション開発業者に転売してしまったことは、払い下げの売買契約に「転売禁止規定」という特約をつけていなかったことが原因でした。

■議会への説明責任を果たさず５０億円で買い戻すことを提案。

さらに、これら一連の決裁を自ら行っていたことを木下市長は議会に一切報告することなく、自分の決裁によって約２倍に跳ね上がった当該用地を約５０億円で取得するためにその意向や方法を議会だけではなく、市内選出の県議会議員たちにまで相談していました。

■払い下げから３ヶ月で３億円以上もの差損。

約１億３千万円で払い下げた４３０坪だけに視点をあてても、これを買い戻せば、約４億５千万円になるわけで、木下市長が何をしようとしていたのかが分かりません。まして、もともと公有地としてこれほどの一等地を取得する意向があったならば、赤道・青道の払い下げという決裁そのものがおかしかったことになります。

■民間企業の社有地売却とマンション開発に事実上の便宜供与。

結果的に、売却先企業が自社所有物件を約２～３倍の高値で転売することに木下市長は便宜供与してしまったことになりますし、転売された先がマンション開発業者であったことを考えると、草加市の未来のために有効であった土地を公共目的ではなく、マンション分譲に付け替えたことになります。

■平成１８年度決算は否決（不認定）。

今回の決算は、現在開会中の草加市議会９月定例会の最終日、９月２８日（金）に再度本会議にかけられ、否決（不認定）される見通しです。

■草加市平成１８年度決算の認定に賛成した議員（４名）

吉沢哲夫（無所属）、小澤敏明（平成クラブ）、飯田弘之（平成クラブ）、浅井昌志（平成クラブ）

■草加市平成１８年度決算の認定に反対した議員（８名）

瀬戸健一郎（自由市民クラブ）、浅井康雄（自由民主）、浅井喜久男（自由民主）、佐々木洋一（公明）、西沢可祝（公明）、関一幸（民主）、平野厚子（共産）、斉藤雄二（共産）

※草加市議会では「予算特別委員会」と「決算特別委員会」に正副議長と議会選出の監査委員を除く２７人すべての議員がいずれかに参加することになっています。平成１８年度決算を審査した今回の決算特別委員会は無所属を含む１３名で構成され、特別委員長は飯塚恭代（公明）が務めました。

※自由市民クラブは私を含めて５名の議員団です。その内、須永賢治は現職の議長、中山康は現職の議会選出の監査委員であり、佐藤勇が今年度、初代の予算特別委員長を務め、これに松井優美子がフロアーメンバーとして参加していたために、決算特別委員会には自由市民クラブから私１人だけが選出されました。

※通常、決算特別委員会開会中の４日間は、委員外議員は登庁する必要はありませんでしたが、現職の須永議長は全日程、議長経験者の中山議員と佐藤議員も最終日前日には採決のゆくえを心配して、終日控え室で待機してくれていました。議長経験者というのはありがたい存在です。委員として出席していた浅井康雄議員と私を含めると、現職の草加市議会議員の中で現職議長と議長経験者が全員そろっていたことになります。本当に草加市議会のリーダーたちの高い意識にありがたい感謝の思いでいっぱいです。

【関連ブログ記事】

「赤道＆青道って？～大きな便宜供与となる危険性。」
http://blog.goo.ne.jp/ken-seto/e/6c3257e57b7a27350ed1769d1144b6a7

【関連新聞記事】

埼玉新聞「市有地払い下げに異議　草加市議会特別委」
http://www.saitama-np.co.jp/news09/14/09x.html
※ウェブ版の新聞記事には期限があります。期限切れの場合はご了承ください。


瀬戸健一郎
Kenichiro Seto
草加市議会議員
Soka City Councilor