川越だより

妻と二人あちこちに出かけであった自然や人々のこと。日々の生活の中で嬉しかったこと・感じたこと。

高社郷開拓団犠牲者の命日に

2009-08-25 10:24:25 | 中国残留日本人孤児
 高山すみ子様

 先日はご一緒にあなたのふるさと・飯山市福島を訪ね心に残るひと時をすごすことができました。満州に渡るまで働いた阿弥陀堂付近の畑、ご両親の眠る実正寺の裏山、僕にももう故郷の風景のように懐かしく思い出されます。
 お土産にいただいたスイカやたくさんの野菜はその日の晩、秋山郷の「のよさの里・牧之の宿」で料理してもらい、宿のかたがたとともにおいしくいただきました。真夏の旅が続くので、新鮮な美味しいうちに味わいたいという妻の希望で、そうさせてもらいました。鳥甲山のすばらしい景観とともに忘れることはないでしょう。ありがとうございます。

 今日は8月25日、高社郷開拓団の集団自決でなくなられた方々の64回目の命日です。

 高山さんの二人のお子さん、旭さんと怜子さんをはじめ犠牲となった多くの方々のご冥福を遥かに川越の地から祈ります。

 この64年間、なくなられたお子さんたちの瞳を片時も忘れることなく、慰霊と平和の確立に尽力されてきたあなたの歩みに対しても、心から「お疲れ様でした」と申し上げます。四国遍路にも何回も出たと伺いました。
 21歳の若いお母さんでした。「ノノさんになるんだよ」といってわが子をあの世に送った母の気持ちを想像すると、僕でさえ胸が張り裂けそうになります。
 
 四国をめぐっても心は晴れない、思いは届くものだろうかとおっしゃっておられました。これだけの思いが届かないとしたら、誰のどんな思いが届くというのでしょうか。
 高山さんの尊い思いは犠牲になったお子さんの霊を慰めるだけではなく、この地で人として生きたいと願う多くの人々の心の糧にもなっています。
 この春、お目にかかった「残留孤児」の方々や北朝鮮から脱出してきた家族の方々の心に響いて元気と勇気を生み出しています。

 高山さんと苦労をともにされてきた同士の皆さんの長きに亘る活動に心から深い敬意をあらわし、あわせてご健康を祈念します。
 
 10時から中野の慰霊碑前で慰霊祭が始まったはずです。 霊よ安かれ。(合掌)