ライラック:むらさきはしどい;リラ(モクセイ科)花言葉は、若き日の思い出;思い出を大切に。落葉低木で公園や庭にうえられる。ライラックは英名で、「リラ」はフランス名である。明治中期に渡来した。樹高5,6mになり、晩春に薄紫色の筒状の小花を房なりに群がり咲かせ、香りが高い。花色は、白、赤、赤紫、青色など、また八重咲きもある。寒い地方でよく花が咲く性質を持ち、暖かい所では、根が伸びすぎ木の生育は良いが花付きが悪い。北海道では各所に栽培されて札幌の市の木に指定されている。私がこの花を初めて見たのは、苫小牧の勇払工場に出張した折に工場寮の門前に咲いていた。一枝折つて部屋のベツトの前に飾つた。Y5マシンと製品倉庫の完成立会いの為の出張だつた。「若き日の思い出」という花言葉は、甘美なこの花にふさわしい。「空もまた暮れつつリラの色となる 水原秋桜子」「さりげなくリラの花とり髪に挿し 星野立子」「絵硝子の聖母の素足リラの花 沢本欣一」「リラ挿せば羽たき過ぎし月日かな 林 翔」「リラ咲いて煉瓦舗道の街古ぶ 有働 亨」「匂ひ出てリラの夕づく異郷かな 小池文子」「ライラック海より冷えて来りけり 千葉 仁」「聖者には長き死後ありリラの花 片山由美子」「リラの香や押せば鈴鳴る茶房の扉 原 阿城」「リラ冷えといふ美しき夜を独り 関口恭代」。(リラの花 挿して ベツトに寛ぎぬ ケイスケ)