KEIの詰め所

「13th CHAINSAW 666」のVo KEIの
適当な独り言です。

さあ、たまには真面目な事を語ってみようか?

2013年01月14日 21時51分44秒 | 日常
1月9日

書店で気になる本をみっけて、珍しく新刊で小説を買ってしまいました。



ある有名な漫画の、スピンオフノベル作品です。

この小説の中で舞台になる街の設定は
「街の花は福寿草、特産品は牛タンの味噌漬け」

ピンと来る人もいるでしょうが、実はこの街は
ジョジョの奇妙な冒険の第4部と、ジョジョリオンの舞台の杜王町です。

しかも!

原作が荒木飛呂彦で、小説が乙一っつう、アタイにしたら
「バターと醤油」並のナイスコラボ!

ジョジョの世界観そのままに、乙一の文章力で書き上げた
どちらのファンも納得出来るストーリーになってます。

お馴染みのキャラや名所も出て来て、当時の読者なら
「ああ、あったわこんな場面!」
と、楽しめる事請け合いです♪

物語冒頭の序章から、鉄塔男の話が出て来るわ
アンジェロ岩やボヨヨン岩、第一話の亀のいる池や
本にされたエニグマのスタンド使い(名前忘れた!)の話なんかは
もうそれだけで、一気に本の中の景色に引きずり込まれるね!


それにしても、この「杜王町」という街。

これだけ度々登場するという事は、作者、荒木飛呂彦の中で
相当、思い入れのある街なんだろうか?

作者のプロフィールを見ると、それとなくモデルとなった地方がわかるのだが・・・

この街がジョジョシリーズ全体を通して見た時に特異な点は
シリーズほぼ全ての作品が、ある場所からスタートして
様々な街や国を旅して物語が進んで行くのに対して
この第4部だけは、「杜王町」という、小さな街だけで話が進行していく。

M県S市のベッドタウンとして発展し、街の花や名物
国勢調査による人口は58713人と云う所に至るまで
ディテールを造り込まれ、まるで、この「杜往町」も
あたかも登場人物の一部であるかのようだ。
(作者の荒木飛呂彦は、主要人物の詳細な履歴書を作成している)


話は少し逸れるが、私の好きな海外の作家で
スティーブンキングと云う作家がいるのだが
(グリーンマイル、ミザリー、スタンドバイミー等の作者
実はシュワルツェネッガーのバトルランナーも、彼の偽名による作品)
この作家の作品の中でも、同じように、度々登場する街がある。

キャッスルロック(ある時はジェルサレムロット)と云う名の街なのだが
キングの短編集で、多い時は一冊の中の2~3作品に名前が出て来る。

ある時キングは、この街の人口統計をとったり
区画調査を行った事もあり、そこに住む人達や街並み
この道を曲がると、何と云う店があり、隣にはこういう店がある
といったディテールまで、頭の中で再現出来るまでになったと云う。

熱心なキング読者になると、街の名前を見ただけで
作家に近い目線で、自分も街を散策している気分になれる。

ここまで来ると最早、フィクションの中の街では無くなってしまっている。

つまり

「フィクションで在りながら、限りなくノンフィクション」なのである。

こういった現象を考え、突き詰めると、同等こ事が
ステージに立つ者にも言えるのではないかと思う。

自分の内面(本質)を表現するために作り上げた自分が
ステージと云う限られた場所では、本当の自分で在るかの様になってしまう。

これも一つの

「フィクションで在りながら、限りなくノンフィクション」

に、なるのではないか?

まあ、作り上げた自分を完全に演じきれなければ
見ている側に、いとも容易く見抜かれてしまう訳ではあるが・・・


ステージに置ける自分を、ノンフィクションの自分として魅せる。

はやいとこ、そんな存在になりたいものである。





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