第3章から「5つのステップ」の説明に入っていきます。第3章のタイトルは、「自分の霊的賜物を明らかにする」です。
本からの引用。「霊的賜物とは、他の人に仕え、キリストの体を建て上げるために用いられる、特別な能力である。それは、すべてのクリスチャンに、回心の時に与えられる、聖霊の賜物である。霊的賜物というのは、聖霊によって与えられる特別な能力のことであり、いわゆる生まれながらの才能とは異なるものです。」
著者は「霊的賜物に関する10の真理」を挙げています。
1.霊的賜物とは、クリスチャンだけに与えられるものである
2.すべてのクリスチャンには、少なくとも一つの霊的賜物が与えられている
3.すべての霊的賜物が与えられている人はいない
4.すべての人に与えられる霊的賜物というものはない
5.霊的賜物は、自分の力で獲得したり、働きの対価として受け取るものではない
6.私の霊的賜物を決定されるのは、聖霊である
7.私に与えられている霊的賜物は変わることがない
8.私は神から与えられた霊的賜物を磨くべきである
9.神が与えてくださった霊的賜物を無駄にすることは罪である
10.賜物を用いることによって、神の栄光を表すことができ、私自身も成長する
次に「霊的賜物の目的」を2点挙げています。
1.私自身のためではなく、他の人たちの益のために
2.霊的家族である教会に成熟と安定をもたらすために
更に「霊的賜物に関して注意すべきこと」として7点挙げています。
1.霊的賜物と生まれながらの才能とを混同しない
2.霊的賜物と御霊の実を混同しない
霊的賜物を受けてはいても、霊的に未熟である、ということが大いにあり得ます。
3.霊的賜物とクリスチャンとしての役割を混同しない
4.「賜物投影」をしてしまう危険性があることを心に留めておく
「賜物投影」というのは、他の人に自分と同じような仕え方を期待したり、同じような結果を出すことを要求したりする態度のことです。
5.自分に賜物が与えられているからといって、他の人より優れていることにはならないことを肝に銘じておく
6.どんなに賜物を活用したとしても、愛がなければ何の値打ちもないことを覚えておく
7.自分が教会でなすべき働きには、主要なミニストリートと二次的なミニストリーがあることを覚えておく
主要なミニストリーというのは、自分が賜物を与えられている分野で行なうミニストリーのことです。一方、二次的なミニストリーというのは、教会の中で自分が必要とされている時に行なうミニストリーのことです。
2には注意が必要だと思う。著者が言うように(目立つ)霊的賜物を持っていると成熟していると思われがちですが、以外にそうではなく、未熟であることが結構あります(もちろん成熟している人もいます)。
4は教会で起こりやすいと思う。混乱の元になるので気を付ける必要がある。
そして、「自分の賜物を発見するにはどうしたらよいか」で、まず著者は、「とにかく始めること、実際にいろいろなミニストリーに関わってみること」と勧めています。賜物を通してミニストリーを発見するよりも、ミニストリーを通して賜物を発見する方が容易である、と書いています。そして5点を挙げています。(頭文字を並べると「START」になります)
1.学ぶ(Study)
2.試行錯誤する(Trial & Error)
3.分析する(Analyze)
4.他の人の意見を聞く(Request responses from others)
5.訓練を受ける(Take Training)
私の場合も大学生時代に依頼されて、日曜日の教会学校で子供たちを教えることを実際に始めることを通して、自分に「教える賜物」があることを発見したことを思い出した。
最後に著者は、聖書に出てくる霊的賜物リストを、教会の5つの目的のうちの「ミニストリー(奉仕)」を除く、「礼拝」「交わり」「霊的成長」「伝道」の4つの目的に従って分類して、一人ひとりが自分の賜物を明らかにできるように助けています。
<霊的賜物リスト>
「神のことばを伝えるための賜物(伝道)」 ・説教(預言) ・伝道 ・宣教 ・教会開拓(使徒)
「神の民を教育するための賜物(霊的成長)」 ・教え ・励まし(勧め) ・知恵 ・霊を見分ける力 ・知識
「神の愛を示すための賜物(交わり)」 ・奉仕(援助) ・憐れみ(慈善) ・もてなし ・牧会(養育) ・施し(与えること)
「神の臨在を祝うための賜物(礼拝と祈り)」 ・音楽 ・美術工芸 ・とりなし ・いやし ・奇蹟 ・霊の祈り(異言、異言の解き明かし)
「4つの目的」を支援する賜物」 ・指導(リーダーシップ) ・管理・運営(アドミニストレーション) ・信仰