sugiyukumamani

ただ かぜがふいているだけ・・・。  
  

風聞草 ( 31 )

2009-05-16 | 風まかせ
  <省エネや環境問題にも取り組む>

 '77年、株式会社「大地」も設立。農家を応援する運動としての宅配事業
が表裏一体になった。素人商売は資金難にも窮した。諍いもあった。表示の
信憑性に欠けるとの批判もあったが、気がつけば、有機の宅配は生協やネット
販売などが参入する激戦区になった。

 しかし、目指すのは商品の背後に隠れている「社会の真実」を届ける世直し
ビジネスだ。「農薬の危険性を100万回叫ぶより、1本のダイコンを作り、運び
食べることからはじめよう」設立の志は食の不安が渦巻くいまも掲げられて
いる。

 夏至と冬至の夜、電気を消して暗い夜を楽しむ「100万人のキャンドルナイト」
やアフリカなどの貧困を考えるホワイトバンドに参加した。目先の利益に目を
奪われ荒れた社会をつくりだすのは、農薬に頼り切った農業も、アフリカの貧困
も根は同じだと。便利な生活はなんだろうと電気を消して考えることもいいので
はないだろうか。

風聞草 ( 30 )

2009-05-16 | 風まかせ
   <おいしい有機野菜で・・・>

 縦に包丁を入れたニンジンにオリーブ油を塗って焼く。わずかな塩が
味を引き出しほんのりとした甘みが舌を包む。「大地を守る会」直営で
有機の味を披露する料理店が東京・広尾にある。
 「有機野菜がおいしいからです。安全だけではつづかない。長く続け
るには、楽しさや面白さ、つまり快適さが必要だと。おいしい野菜を食
卓に並べヘルシーな暮らしを実感すること」。

 無農薬で育てた大根を一本でも多く売ることが農家を変えると考えた
のが始まり、だがスーパーに並ぶ野菜に比べ有機野菜は形も貧弱で
値も高い、生協に打診したが断られた。やむなく、都内の団地に持
ち込み、青空市場で直販。産地との連携が都会の片隅で始まった。

 '75年、「大地を守る市民の会」が発足した。「面白い運動を始めたね」
ひょっこり元全学連委員長の藤本敏夫さんが訪れ、都市と農村の連帯で
意気投合。'76年、生産者を加えた「大地を守る会」に改編、藤本さんを
会長に据えた。

 初代会長の故藤本敏夫さんの妻で歌手、加藤登紀子さん「藤本は地味
な取り組みでも夢のある未来を語る大風呂敷が得意。現代表の藤田和芳
さんは人をまとめしっかり経営ができるいいコンビでした」。事業拡大
とともに社風も変わる、オーガニックやスローライフという生き方に
そった組織に変貌した。
 

風聞草 ( 29 )

2009-05-16 | 風まかせ
     < 環境新語 >

 低炭素社会を形づくるために新しい言葉が生まれている。「環境新語」と
でもいうのだろうか。前回「風聞草 (28)」では「カーボンプットプリント」
に少しだけふれた。

 33年前に有機農業運動を始め、野菜の宅配事業を成功させた「大地を守る会」
では、いま9万世帯が、有機栽培に取り組む農家を支えている。同会では、輸送
にかかる二酸化炭素(CO2)量を表示する「マイレージ」で「国産」の価値を訴えて
きた。
 「大地を守る会」では、CO2を100㌘削減すると1ポコ(POCO)という単位をつくり
食料の輸送にかかるエネルギ消費を表すフードマイレージに使っている。例えば
台湾から空輸するウナギを、トラックで鹿児島から運んだものに変えると、6ポコ
(二酸化炭素600㌘)の節約になる。国産は自給率が上がるだけでなく環境負荷
が減る。ポコというモノサシで環境にあたえる影響を実感できる。
 大地を守る会については次回で・・・。(つづく)