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sugiyukumamani

ただ かぜがふいているだけ・・・。  
  

中期目標 (Ⅲ)

2009-06-07 | 風まかせ
 <温室ガス削減7%>

 「温室効果ガスの排出量を減らす中期目標について、政府は90年比で
7%(05年比で14%減)とする方向で最終調整に入った」と、各メディアは
伝えている。

 これは、中期目標検討委員会が先に示した6つの選択肢のなかの+4、
+1~-5、に次ぐもの。この数値が目標値として高い数字かそうでないか
(低い)とか私見をいう気はない。もっとも-7%が妥当かどうかを分析する
能力も持ち合わせていないのだが。

 90年比ー7%は、05年比-14%ということらしい。欧州連合(EU)や米国も
05年比でー14%で日本も同じ削減幅となった。

 話は少し古くなる、お許しを願う。中期目標検討委員会・座長は03~08年
まで日銀総裁であった福井俊彦氏である。昨年11月末、メディアの「福井さん、
温室ガス削減議論をどうすすめますか?」の質問に対し、次のように答えて
いた。
 「環境、エネルギー、経済の将来予測モデルがある。単に二酸化炭素(CO2)
を削減するプロセスを示すというより、経済に好循環を生むかどうか、さらに
日本経済だけでなく、グローバルな経済のメカニズムにどう働きかけるか。
他国の削減目標を検証しながら、他の国々と着実に削減できる見本をしめす
ことになるかもしれない」。
 経済界には+4%(現状維持)案を推す声が強かったそうだ。多くの環境
NGOが支持する-25%案、そのなかでの-7%、麻生首相の最終決断のうえ
で「ポスト京都議定書」の温暖化対策を話しあう国際交渉で日本の基本的立場
となる「中期目標」は10日には公表される。

中期目標 (Ⅱ)

2009-06-06 | 風まかせ
 今月10日にも発表されるだろう「中期目標」は今後の日本
の国際的指導力を占う指標になるだろう。国連気候変動枠組
み条約締約国(COP15)の議長国、デンマークのコニー・ヘデ
ゴー気候エネルギー相は、麻生首相が中期目標を公表する前
に首相はじめ関係閣僚と意見交換するために来日して「日本
が野心的な目標を出すことで、現在90年比20%減という目標
を掲げている欧州連合(EU)に30%減に踏み切らせるようで
なくてはならない、中国に対する圧力にもなるだろう」と述
べている。

 <中期目標・10日に発表?>

 麻生首相は5日、国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長と
電話で協議し、中期目標について「野心的な目標を立てるこ
とを期待している」とした潘事務総長に対し、「国内の反発
はあるが乗り越えなくてはならない」と意欲を示したと
各メディアは伝えている。

中期目標 (Ⅰ)

2009-06-06 | 風まかせ
  <日本経団連は4%増案を推す>

 もしも、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が予測するように
最大で5~6度という気候変化が起きたら・・・・。
 温暖化問題の本質は、地球の危機を回避し、世界の子供たちの未来
への安心を埋め込みたいという価値観、倫理観にもとづいた地球規模
での政治判断ーとするならば「できるかできない」ではなく、「やる
かやらない」である。

 1年前の6月、北海道洞爺湖サミット を間近にひかえた福田首相(当時)
は「福田ビジョン」と名付けた温暖化対策を明らかにした。「日本は。
省エネ先進国だが、さらに14%減(05年比)が可能」。この数値は「最大
導入ケース」に基づくものだった。海外からは、これが日本の目指す中期
目標のひとつの目安だと受け止められた。

 中期目標を決めるのは「最後は麻生首相の意思」としながらも、政府は
経済産業省や環境省とつながりの深い研究機関に目標づくりを丸投げした
という。
 「一番低い(削減幅)選択肢しかありえない」、今月13日の政府主催の
中期目標に関する国民との意見交換会で鉄鋼労働者などでつくる基幹労働
組合員は主張した。製紙会社員は「産業の削減余地はほとんどない」と
いったーと報じられた。

中期目標

2009-06-06 | 風まかせ
  <欧米の中期目標>

 温室効果ガスの削減量は、その国の経済や人々の生活を
大きく変える。
 環境先進国の日本の示す中期目標に世界が注目している。

 「経済か、環境か、そのどちらかを支援するのは間違って
いる。目指すは持続可能な低炭素経済をつくりあげることだ」
英国のエド・ミリバンド気候変動・エネルギー担当相は、4月
末国民向けのメッセージを出した。温室効果ガスを「22年まで
に90年比34%減」と義務づけた予算の発表に合わせたものだっ
た。温暖化対策を急ぐ英国の強い意志がある。

 英国を含む欧州連合(EU)の中期目標は「20年に90年比20%
減、他国が同調すれば30%減に引き上げる」と表明している。

 米国はオバマ政権に変わってから予算教書で「05年比で14%
減(90年比ゼロ水準)とEUと比べると低いものの、経済を環境
への投資で立て直す「グリーン・ニューディール」という考えを
広めた。

 一方、日本、「中期目標の設定にできるだけ幅広く意見をいた
だきたいと努力してきた」という麻生首相。景気優先を掲げる
麻生内閣からは「野心的な目標を示し、達成のために必要な
政策メニューを打ち出すという政治の指導力はみえてこない」
と報じられている(つづく)。

風聞草 ( 60 )

2009-06-04 | 風まかせ
 <2030年のCO2排気量を90年比50%削減>は、嘉田由紀子滋賀県知事
が示したビジョン。野心的、不可能と言われながら、まずは、条例策定
に着手するとともに、ビジョン実現のための工程表(ロードマップ)を
づくりを準備しているーそうだ。

 この目標設定の背景は、滋賀県の抱える琵琶湖の水に危機がせまりつつ
あるーことだ。琵琶湖周辺では、暖冬により2年前から平均約1,5度の気温
上昇が見られた。琵琶湖では、豊富な酸素が含まれた表層水が冬場に冷や
されて深層に沈み込み、湖底の酸素濃度を回復させる「琵琶湖の深呼吸」
が見られる。この営みが、2年前の冬には遅れた。そのせいか、湖底をすみ
かにしている、イサザやスジエビなどの貴重な生き物の大量死が確認された
さらに「深呼吸」が起きずそれによって深層が無酸素状態になると、湖底に
堆積したリンや窒素の溶出、底生生物が死滅するといった事態が懸念される。

 もしも、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が予測するように最大で
5~6度という気候変動が起きると琵琶湖には取り返しのつかない破滅が懸念
されるーという。
 つまり、IPCCが示した、多くの生物が絶滅し、洪水や干ばつが広がり、私
たちの暮らしや経済システムが維持できなくなるというー気候変動リスクを
認めるなら、手を打たないといけないということだ。

風聞草 ( 59 )

2009-06-04 | 風まかせ
 温室効果ガス削減の20年までの中期目標について、
世界に示す時期が近づいている。「中期目標の設定は
国民生活に大きな影響を与える」ため政府は今年4月
に6つの選択肢を示し、世論調査や意見交換会を通
じて国民の意見を公募。6月前半には中期目標は決まる
予定だが・・・・。

 政府が示した6つの選択肢には、他国の削減分や余剰分
を取得する排出枠や、森林が吸収する分は含まれていない。
斉藤環境相は、国連交渉で日本が中期目標を打ち出す際は、
国内削減以外分を上乗せした「15~25%減」を打ち出し、
世界の温暖化対策に積極的に貢献する姿勢を印象づけるべ
きだと強調する。

 12月に開催される国連気候変動枠組み条約締結国会議
COP15)の議長国、デンマークのコニー・ヘデゴー気候エネ
ルギー相が中期目標の公表前に麻生首相をはじめ関係閣僚
と意見交換する目的で来日。
 「日本には真に野心的な目標を出すことを期待している」
と述べ、日本のこれまでの温暖化対策を評価しながらも、
「世界で最もエネルギー効率の高い経済とという実績を、気候
変動に対するチャレンジから身を引く口実にしてはならない」と
釘をさした。

風聞草 ( 58 )

2009-06-03 | 風まかせ
 日本では、石油危機後の80年、石油代替エネルギー促進法
制定された。石油代替エネルギー(代エネ)は再生可能エネルギー
に原子力、石炭、天然ガスを加えたものだ。(*日本以外では
代替エネルギーという場合は原子力、石炭、天然ガスを含まない
ので使うときは注意が必要)。

 <石油代替エネルギー>
 70年代の2度の石油ショックを受け、導入が進んだ。最近は温暖化
対策を重視し、政府は、非化石エネルギー源の利用を促す法案
今国会に提出した。
 海外の再生エネルギーの普及をみてみると、ドイツは総発電に占める
割合が14,2%で、2020年には25~30%に引き上げるのが目標。
 オバマ政権になって温暖化対策に前向きなアメリカも2025年には25%
にするとしている。
 日本はかって太陽光発電は世界一だったが、昨年は6位との調査もある。

 

風聞草 ( 57 )

2009-06-03 | 風まかせ
< 石油頼み・・>

 日本人は、1人あたり燃料やプラスチックなどで平均
1日約6,7リットルの石油を使っているといわれている。
日本全体なら、6,7×日本の総人口=・・・・となるし、
1年間の使用量はそれに365日を掛ければよい。詳細が知
りたい人は石油等消費動態統計年表 経済産業省 へ。

 <エネルギー転換は・・・>
 
 麻生首相は「2020年に再生可能エネルギーの比率を20%
にする」といったが「新エネルギー」という言葉は避けた。
 ここで、いつものようにお時間をいただきたい。最近よく
「新エネ」という言葉を聞く、前述の「再生可能エネルギー」
「石油代替エネルギー(代エネ)」などなど整理してみたい。

 新エネルギー (新エネ)は、日本独特の分類で政府は
「再生可能エネルギーのうち普及のために支援がいるもの」
と定めている。具体的には、太陽光、太陽熱、バイオマス、
風力、中小水力(1000キロワット以下の水力発電)地熱発電
などがある。

 では、再生可能エネルギー  とは、石油のように使えば減る
エネルギーではなく、太陽光や風のように使っても減らなか
ったり、木材のように再生産できるエネルギーのこと。
 新エネとの違いは、小さな水力発電(1000kW以下の水力
発電)は含むがダムなどによる発電は含まない。再生エネル
ギーとほぼ同じ意味で自然エネルギーということもある。新
エネルギー、波力、大規模水力発電などということになる。
                       (つづく)

風聞草 ( 56 )

2009-06-03 | 風まかせ
 大戦争も天地異変もないなのに、世界が一斉に打撃を
受ける金融危機が起きた。日本では「百年に一度の危機」
といわれている。その不況風は今も吹き続け出口はみえ
ない。貿易と金融の自由こそが豊かさへの近道という仕
組みが揺らいでいる。

 <エネルギー転換は・・・>

 20世紀の経済は、原油が必要なら供給を増やすという
ことで対応してきた。この100年間で人口は4倍になった。
エネルギー消費と鉄の生産は15倍に伸び、化学産業が
肥料を大量生産して穀物生産は7倍になった。では原油
がこれ以上供給できなくなったらどうなる。

 安い石油がその仕組みを支えてきた。石油がその安さか
ら、エネルギーを支配していた時代が終わろうとしている。
石油の限界と地球温暖化が同時に近づいている。石油に頼
らないエネルギーの時代にしなければならない。エネルギ
ー転換は・・・可能なのだろうか?

風聞草 ( 55 )

2009-06-02 | 風まかせ
  < 温室ガス増 オイルサンド採掘 >

 ガスを燃やす炎が、灰色の世界でオレンジ色に燃える。
製油所から吹き出る煙と水蒸気が、低くたれたく雲まで
届きそうだ。森林地帯は伐採され、露天掘りの現場が
雪原に散らばっている。

 黒い壁をショベルカーで崩し、黒い土を巨大なトラック
に載せる。カナダ・アルバータ州の北部の町、フォートマ
クマーレが活況を呈している。国内外から労働者が吸い寄
せられ町の人口はこの10年間で、倍増して約65000人に。
現在の生産量は140万バレル(日量)、15年後には約400万
バレルを越すと予測される。400万バレルは日本の1日の
消費量である。長期的にはオイルサンドの時がはじまった
ーとの見方もある。

 だが、前回ふれたように、生産段階で従来の石油の2~
3倍のエネルギーがかかりより多くの二酸化炭素をだす。

 風力や太陽といったクリーンな自然エネルギーに向かう
一方で石油の限界は石炭使用の増加を招いている。そして
オイルサンド・・・・。