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sugiyukumamani

ただ かぜがふいているだけ・・・。  
  

風や草と語る (4)

2009-11-29 | 暮らし
 <濃度上昇の原因は化石燃料の使用と森林破壊>

 08年のWMO の温室効果ガス年報によるとCO2の平均濃度は
385.2ppmに達した。07年より0.52%増加、原因は上記の通り。

 CO2を減らそう、太陽光発電、風力だと技術革新や経済的な
手段を駆使してもそれは部分的な改良にすぎない。問題はもっと
根本的なところに根をはっている。しかし。そこのところが
よく見えない。

 『気流の鳴る音』インディアンの老人が文化人類学者の青年に
「カラスの予言を聞き、草と話をすることが世界を理解する第一歩だ」と
教える部分がある。

『気流の鳴る音』は見田さんの名前を真木悠介というペンネームとともに
有名にした本だ。アメリカ先住民のヤキ・インディアンの生き方や知恵を
素材に近代社会を相対化する視座を開いてみせた著作だが、水俣の漁民の
豊かな世界が、その問題意識をもつきっかけになったという。

 石牟礼道子さんの作品のなかの漁民の豊かな世界は、動物や植物、
風などの人間以外のものと対話し、交歓しながら生きるインディアンの
世界の豊かさ美しさに結びつく。
「そうすると水俣やインディアンの世界のほうが普遍的で近代のほうが
特殊なんじゃないかと気づかされましてね」。

水俣では人間に水俣病が発生する前に猫が狂い死に、カラスも死んだ。
さらにそれより前に魚の行動に異常が現れていた。だからもし、魚の
言葉やカラスの予言が聞こえる感性があれば、人間の水俣病は
防げた、と見田さんはいう。


風や草と語る (3)

2009-11-29 | 暮らし
  <草と語る感性が地球を救う・・・>

 地球温暖化は待ったなし、「WMO(世界気象機関)は地球温暖化の原因と
されるCO2(二酸化炭素)の平均濃度が観測史上最高値を更新したと
発表した、とマスコミは伝えています。

 一方、CO2の二大排出国、米国と中国はこれまでお互いを牽制しあって
あまりたいした約束をしませんでしたが、約2週間後にせまった
COP15の開催を前に、2020年までのCO削減目標を固めたと伝えられます。

 このことは、またいずれふれることもあるかと思いますが、
「風や草と語る感性」についてもう少し書いてみたいと
考えます。お付き合いをお願いできたらと・・・。

 私の筆ではなかなか先に進みませんので、比較社会学者の
見田宗介さんに再登場していただきます。重複する部分も
ありますが、御了承のほど。

 例えば、温暖化対策の交渉が先進国と途上国で対立する、
現実の問題としてあるわけです。見田さんはこういいます。

「他者への共感能力を失えば世界が読めなくなるわけです。他者
すなわち自分が属する共同体以外の人々や人間を取り巻く自然への
共感能力、その能力は、花の咲く時期が年々早まるなど、生物たちが
こぞって地球温暖化への警告を発している今、私たちが取り戻す
必要のある能力です」(つづく)。

風や草と語る (2)

2009-11-28 | 暮らし
 <理屈よりも感性>

 メロスの続きです。その前に数年前になると思いますが
一杯のかけそば」という話が話題になりました。
話の内容は省略しますが貧しい親子が一杯の年越しそばを
分けあって食べるということなのですが、実話ではないか
とも云われましたが作り話だったようです。

むやみに道を説く人とか、美談というのは結構多いです。
およそ、美談というのは理に落ちる。
つまり、感動を説明的にひきだそうとしますが、真実、人が
心を動かされるのは理屈ではなく、みしろ感性の領分では
ないでしょうか。一杯のかけそばにもなにか嘘が感じられる。
私の考えですが、メロスにもそういう面があるではと。

 ガーデニングや登山、登山とまでいかなくても
野山を歩く人が多くなりました。とくに女性の方が多い。
自然破壊で緑が年々少なくなっていく、春秋はめぐってくるが
同じ春はこない。緑を求める感性というのは男よりも
女性の感性が優れていると私は信じています。

 鎮魂の文学と評された『苦界浄土』で水俣病を書いた
石牟礼道子さんはあるインタビューのなかで昔の人は
海の方から西風が吹いてくると「西あげ殿が吹いて来らすぞ
早く戻ろう」と風にも殿という敬称をつけた、

畑の草には「2,3日来ないうちに太うなったね」と話かけた、
と語っていました。

環境の危機に対し、問題解決のためには、国民国家という
単位でなく世界いや地球規模という単位での諸課題の解決が
求められるようになるでしょう。一般市民には難しくなり
ますますわかなくなっていくように感じられます。
が、風や草と語ることが今こそ必要かもしれません。温暖化の
主な原因が私たちの暮らし方にあるとするならば、自分の感性を
信じて。

風や草と語る

2009-11-27 | 暮らし
 <私事のみを・・・・>

 拙いブログを見ていただき有難うございます。
「花の咲く時期が早まるなど、生物たちがこぞって
地球温暖化への警告を発し始めている 今・・・」
と風聞草(1)に書き始めたのは今年の4月の末でした。

 普通の一市民の私の私見など書いても、おもしろくも
おかしくもかゆくもない、と今でもそう思っております。
が、最近変わってきました。何がどう変わったかと
聞かれてもはっきりとは答えられません、あえて
言わしてもらえるなら、私も少し年をとったのかもと
考えます。

 恐縮ですが、私事を書きます。先日TVのドラマを見ました。
途中からわずか20分ほどでしたが、盲目の教師がマラソンをする
シーンでした。前後を見ていませんので、ストリーもなぜ走るのかも
わかりません。生徒が交代で伴走しながら、42.195kmのフルマラソン
を完走するのです。生徒と走りながらその教師がメロスのことを
話します。

 太宰治の『走れメロス』、小学生か中学生のころ教科書に
ありました。その時の教師がどう解説したか今ではもう
忘れてしまいました。たぶん、橋の流された激流の川を泳ぎ、
夕日の中を自分の身代わりとなつた友を助ける、信じてくれる友の
ためにということではなかったかと思います。(つづく)

 

(続) バイオマス

2009-11-25 | 暮らし
 <ものを大切に>

 「マ」と「ガ」の一字違いですが、11/24に書きました
バイオマスの続きです。お時間などありましたら
フィードバックしていただけたらと考えます。

「・・・食糧との競合が問題視される・・・」、エタノールの
原料となるトウモロコシの高騰で輸入飼料に頼る日本の畜産農家
が困っているという報道もありました。

 同じバイオマスでも、ススキやササなど草がエネルギー源、と
いうのが「NPO法人 九州バイオフォーラム」。
 
<草からエネルギーが生まれる>

 熊本県阿蘇の山を囲むなだらかな傾斜地。1万5000㌶の草原は
高度経済成長期に農家は後継者不足に悩んだ。
人手をかけて野焼きや草刈をして牛馬を育てても採算はあわず、
放置された草原は草やぶになった。草も見方を変えれば資源になる。

 ススキをガス化して、電気と熱を作り、阿蘇市の温水プールに
利用する。将来的には地元の草で作った燃料を農耕車に使い
エネルギーの地産地消をめざす。

 宮古島バイオエタノール プロジェクト 沖縄ではさとうきびは
「うーじ」と呼ばれる。宮古島は島の面積の3割がうーじ畑である。

 砂糖を作った後に残る糖蜜からエタノールを生産する。
この方法でなら、砂糖の生産を減らすことなく、エタノールを
作ることができる。生産には加熱などにつかう燃料が必要だが
サトウキビの搾りかすであるバガスを燃やせば新たに石油系の
燃料は必要でないという。


バイオガス (2)

2009-11-25 | 暮らし
 バイオガスについて少し補足を、と考えています。
その前に、余談です。おつき合い願います。

フードマイレージは食品の輸送のことです。輸送距離が短くなれば
エネルギーも減る、だけでなく新鮮な食品は栄養的にもいいはず。
食品は地産地消と以前から叫ばれています。
「エネルギーはそれぞれ必要なところで作って使う」と以前に
書きました。エネルギーの地産地消はできないものでしょうか。

 バイオバスの話です。バイオガスを買い取って一般に供給して
いるのは金沢市と新潟県長岡市だけーだそうです。
両市とも近くの下水処理場から都市ガス製造所まで管を通じて
送り、100倍以上の都市ガスと混ぜたうえで供給している。

 この方式なら品質管理は容易だが、導管の敷設費が高く、
バイオガス発生所とガス製造所が近くないと難しい。
重複するが、バイオガスを既存のガス管に入れるとガスが
あまり混じりあわないまま家庭に届く、このため、都市ガスと
成分をそろえる高度な精製設備や品質の監視装置が必要である。

 こうした設備投資は、バイオガスの製造者がガスの売却代金で
回収することになる。太陽光発電による電力の買取代金を電気代
に上乗せする方法と同じやり方だ。

 ガス会社もガス代の値上げを避けるため、購入金額は高くできない。
双方にとってコスト的にあわないことが普及を妨げてきた。

バイオガス ( 1 )

2009-11-24 | 暮らし
 <ガス会社に義務化>

エネルギー供給構造高度化法が成立し、一定の規模以上の
ガス会社は2年以内にバイオガスの利用が義務付けられる。

バイオガスは下水処理場の汚泥や生ゴミなどを醗酵させて
つくる。主成分はメタン。バイオガスは燃やしても
動植物が成長の過程で取り込んだ二酸化炭素を再び
放出するだけなので、環境にやさしいとされる。

 国土交通省によると、全国約300ヶ所の下水処理場からでる
バイオガスは年間3億立方㍍。このうち3割は場内でも
使い切れず、燃焼させて大気中に放出している。

ガス会社による買い取りが進めばこうしたガスも有効に
活用できる。

だが、バイオガスを既存のガス管に入れると
ガスがあまり混じりあわないまま家庭に届くため、
都市ガスと成分をそろえる高度な精製設備や品質の
監視装置が必要だ。

 地球温暖化対策の一環として経済産業省は対象となる事業者や
義務量などの議論を始めるとともに、ガス会社による買取に向けた
実証実験に乗り出した。

バイオマス

2009-11-24 | 暮らし
 <化石資源を除く、動植物由来の有機物のこと>

 自然エネルギーについて、太陽、風力と
ふれました、少し回り道をしましたが今回は
バイオマス」です。

 動物の排泄物や木材などを、メタンガスなど気体燃料や
ペレットなど固体燃料にしたり、電気や熱をつくって
利用する。燃焼の際に出るCO2は育成中の植物に吸収され、
成長した植物がまた燃料になる、という自然循環型エネルギーで、
理論上CO2排出は+-0(カーボンニュートラル)とされる。

 バイオマス燃料も大気中のCO2が増えない
「CO2フリー」な燃料と考えられている。燃やすとCO2は
でるもののそのCO2は原料の植物が成長中に大気中から
吸収したものであるため、一般的にはと給温暖化対策には
有利な燃料と考えられている。

このバイオ燃料のなかでも注目されているのがガソリンの
かわりになるエタノール。アメリカとブラジルでは
年間1600万キロリットル以上生産されている。

トウモロコシなどで作る液体燃料もバイオマスの一種だ、
全体で、世界の一次供給エネルギーの1割を占める。
だが、食糧との競合が問題視されている。


エネルギーシフト

2009-11-23 | 暮らし
 <なぜ、今必要か?>

 「日本の一次エネルギー構成」、
「2050年のエネルギー構成」などお時間がありましたら比較して
いただけたらと考えます。本来なら、ここでそうすべきなのでしょうが、
手抜きさせていただきます。
                   (御了承のほど願います)。

 構成比は国によってそれぞれです。日本は約8割が、
化石燃料になっています。(「日本のエネルギー構成」より)。
「2050年の構成比」をみると化石燃料は0(ゼロ)になって
います。

話を変えます。イギリスは温室効果ガスの排出を90年比で
20年までに34%削減、50年までに80%削減させる目標を掲げて
いる。その具体的対策として、イギリスの総発電量に対して
原子力や風力など低炭素エネルギーによる発電が占める割合を
2020年までに現在の20%から40%に倍増させる計画です。

 日本も50年までの目標は掲げていますし、20年に90年比25%
削減とはいうもののその具体策はまだでていません。政権がスタート
して、約2ヶ月ですから無理もないといえなくもないのです。が、
前麻生政権の削減目標(05年比15%減)は、ボン会議では落胆と
失笑を買いました。そのうえ、7月のイタリアサミットでは
「先進国80%減」という目標をのまされた。新政権とはいえ、国際社会
は待ったなしです。存在感の回復は容易ではありません。
早急な具体策が求められています。

 イギリスの具体策の話です。低炭素発電の占める割合を倍増させる
現在、発電の2割を占める原子力発電は20年までは横ばいとし、
このため1億2千ポンド(約185億円)を海上の風力発電、6千万ポンド
を波力や潮力発電の開発にそれぞれ投資するというものです。


風力

2009-11-22 | 暮らし
<日本は出遅れている>

風力は、風の力でブレード(羽根)を回し、その回転運動を発電機に伝えて、
電気を作る。風力発電はエネルギーの4割が電気に変わり比較的効率の良い
もの。国際的には風力発電が太陽光発電より1けた市場が大きい、日本は出遅
れているといわれる。

 再生可能エネルギーによる発電で区域の民生用電力需要をすべて賄っている
岩手県・葛巻町。盛岡市から車で約1時間30分。町の95%が標高400メートル以上。
86%が森林という緑豊かな高原に約8千人が暮らす。

 1997年の京都議定書直後から自然エネルギーの導入に取り組んできた。標高
1千メートルを越える袖高原に3基の発電用風車が回り始めたのは99年6月のこと。
以後、太陽光発電や牛糞バイオマスガスシステム、間伐材のチップを利用した
木質バイオガス化発電、木質ペレットボイラーやストーブなど、自然エネルギー
設備があちこちにつくられた。

 作られた電気がすべて町内で直接消費されるわけではないが、単純計算すると
電力自給率は160%-だそうだ。
 第3セクターのエコ・ワールドくずまき風力発電所は袖山高原の3基の風車で年
間約200万kW/hを発電する。
 上外川高原では電源開発出資のグリーンパワーくずまきが平成15年に稼動し、
世界最大級の風車12基が年間約5400kW/hを発電できる。