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sugiyukumamani

ただ かぜがふいているだけ・・・。  
  

チェルノブイリ原発事故以降・・・

2011-08-08 | 

世界的にみると1986年のチェルノブイリ原発事故以降
脱物質主義へと価値観の移行が加速している。

原発推進から抑制への変化は米国スリースマイル島の原発事故
や旧ソ連チェルノブイリ原発事故が起こってからのことだ。

欧米では原発政策の見直しが始まったが、当時の首相
中曽根康弘は、左右のイデオロギー対立に持ち込み、
国民の目が「原発の安全性」に向くことを回避する。

1986年4/26日、ソ連チェルノブイリ原発4号機で爆発。
3日後の29日、事故報道。
5/2日、科学技術長官の河野洋平が国会で「わが国の原子炉は
型が異なり、安全性は十分に確保」と答弁、政府公式見解に。

首相の中曽根も国会で「わが国の原発はまるっきり構造が
違っていて心配はない」と断言する。

政府は7年前のスリースマイル島事故で国内の同型の原発を
停止した時とは対照的にこの時は「再点検は考えていない」
と押し切った。以後、自民党は国策・原子力を続行して行く。

(以下余談です) - 原発のコストにはまた、いずれふれる
かとも思いますが、高速増殖炉FBR原型「もんじゅ」(福井県)は
1995年ナトリュウム漏れ事故以来、ほとんど稼動していません。
停止中でさえ、1日5000万円の維持費がかかります。
今日までの維持費計算してみて下さい。1ヶ月で15億円です。
 
さらに余談、河野洋平の息子、河野太郎(自民党議員)は
「世界」6月号のなかで「原子力村」を中心に運営されている秘密と
隠蔽に満ちた原子力政策を批判し、自然エネルギーの採用を主張して
います。それは原子力発電が危険であるというより、そのコストが
安くなく、未来のない産業であるからだーと云ってます。


正当化する論理の嘘

2011-08-08 | 

核はもともと軍事目的で開発された技術。その核を原子炉内
に閉じ込め、制御しながら核分裂を起こし、
その熱でタービンをまわし発電するのが原子力発電だ。

発電は本筋ではなかった。福島第一原発で事故が起き、
原発の安全神話が崩れた今、利点よりもリスクが
あまりにも大きいということに誰もが気づいた。

原発を正当化する論理の嘘。
まず、安全性。
全てのリスクを回避できる水準にない。それにどんなに
安全性の基準を引き上げても事故の確率は0(ゼロ)には
ならない。他の電源に比べて、いったん事故が起きた時の
環境を破壊する威力は桁違いだ。

燃料のウランはエネルギー安全保障上、その有効性が強調
されるが、ウランは輸入に依存しているし、その埋蔵量も
そう多くない。

また、放射能廃棄物も厄介だ。処理や原発の解体などの
費用は次世代にまわすことになり、後々の世代の負担は
重い。コスト面からも安いとはいえない。

 


わからないことは保障しない・・・

2011-08-08 | 時事

政府も東電も原発事故の対応に追われているが収束の
見通しは立っていない。たしかに大変だが
もし、いま、次の原発事故が起きたらどうなる?

大地震は起きるし、津波も必ず来る - それも突然に
ということを学んだばかり、日本のどこに安全な場所が
ありますか。

狭い国土に54基。原発密度でみると世界有数だ。
(日本国内の13道県に点在し、集中するのは福井、新潟
 福島の3県。4年前の新潟県中越沖地震につづき、今回は
福島が巨大地震に襲われた)

原発の企業では「絶対安全」といえなくなった。3・11以降は
「原発事故も想定内」となった。

しかし、それ以前から大地震が起きたり、大津波が襲ったら
原発は危ない -と予測した科学者はいた。その指摘を
無視してきた。

本来、原発や原子力の専門家といわれる人たちが今回の事態を
予測しなければならったはずなのに、ほとんどが「想定外」と
答えている。専門家ってなんなのだろう。

『「なにがわかっていて、なにがわからない」かを「最もよく
わかっている人間」』が専門家じゃないんですかね。

科学を志向する者なら。だから「なにがわかっていないかを
正直に話すこと」が専門家の責任ではないのかと。

「わたしのわかる範囲はここまで、そこを超える部分はわかない
ので保障できない」。自然現象の一部分しか理解していないのに
未知の部分があるかぎり「絶対安全」などとはいえないはず、
と思うのだが。


事後ではない、まだ最中である

2011-08-07 | 時事

ひとたび生み出されてしまった放射能は、人間の手で消す
ことはできない。我々の身辺にある毒の多くは消却すれば消える。
フグもトリカブトも、サリンでさえ熱分解できる。しかし、
放射能を分解することはできない。半減期という無常の数字
以外の指標はない。

福島から日本に広がる放射能汚染を
(放出された放射能は地球全体に広がる)疑う声も
強まっている。

チェルノブイル原発事故の時も放射能が日本各地で検出されたが
それと同じことに日本人は手を染めてしまった。

今回の震災に対し海外の多くの人々はあたたかい心のこもった
手をさしのべてくれたが原発事故は世界中が厳しい目でその動向を
みつめている。世界で唯一の被爆国である日本になぜ54基もの
原発があるか - という問いにどう答えるのだろうか。

福島原発の事故の収束の見通しさえたっていない。
次の時代の日本人が負担する復興費とともに世界からの
不信という重荷がないようにと祈るだけだ。

 


目に見えない放射能に怯える日々

2011-08-07 | 時事

スーパーのレジ横にガイガーカウンターが備えられる日が
遠くない日に来ないとも限らない。

原発事故はいつも突然起きる。
事故になれば放射能物質が大量に放出される。

報道によると、福島第一原発から事故直後の3/12以降に
大気中に放出された放射能物質は1~3号機だけで
推定約77万テラベクレル(テラは1兆倍)。

チェルノブイル原発事故で大気中に放出された
520万テラベクレルの1割を超えた。

ソ連のチェルノブイル原発事故が世界を震撼させたのは
1986年4月26日。日本で事故が報道されたのは、
発生から3日後の朝だった。

事故のきっかけは人為ミス、福島第一原発は天災という
違いはあるものの世界に与えた衝撃の度合いは共通する。

原子炉破壊でヨウ素131など大量の放射性物質が飛散し、
日本でも牧草や水道水から放射能が検出された。

突然起こった原子力事故には、事故に慣れていない政治家が
根底を理解することなく対応せざるをえない。
4/26日未明に起こった原発事故に対し、
ソ連は当初、一切事実を公表しなかった。

黙り込んだのだ。政権を担う人が対処法を理解しておらず
人の知見を結集するのに時間がかかるからだ。
福島第一原発のときはどうだったのか。


今、恐怖は放射能である

2011-08-06 | 時事

広島平和記念式典は、爆心地に近い広島平和公園に約5万人が
参加して開催されたと伝えられる。広島市の松井一実市長は
国にエネルギー政策の見直しを求めた。

今も続くのは放射能の脅威である。そして3・11以後、新たな恐怖が
加わった。東京電力福島第一原発の事故現場から日々出ている放射能
の量は福島県民だけでなく、国民(そして世界の人々も)
にとって重要な関心事だ。

ちなみに、これまで東電福島第一原発から飛散した放射能は
広島原発の20個分(ウラン換算)といわれる。

茨城県東海村に米国製の実験炉が運び込まれ
日本初の「原始の火」が灯ったのは今から54年前の
1957年8月だった。

その3年前の1954年3月16日、日本の南東4千キロのビキニ海上で
米国が行った水爆実験で、マグロ漁中だった静岡県の漁船
第五副竜丸が被曝した。

事件は広島・長崎につづく「三度目の原爆被害」と報じられた。
福竜丸については拙blog2011年3月16日の「放射能漏出」
で多少ふれています。