世界的にみると1986年のチェルノブイリ原発事故以降
脱物質主義へと価値観の移行が加速している。
原発推進から抑制への変化は米国スリースマイル島の原発事故
や旧ソ連チェルノブイリ原発事故が起こってからのことだ。
欧米では原発政策の見直しが始まったが、当時の首相
中曽根康弘は、左右のイデオロギー対立に持ち込み、
国民の目が「原発の安全性」に向くことを回避する。
1986年4/26日、ソ連チェルノブイリ原発4号機で爆発。
3日後の29日、事故報道。
5/2日、科学技術長官の河野洋平が国会で「わが国の原子炉は
型が異なり、安全性は十分に確保」と答弁、政府公式見解に。
首相の中曽根も国会で「わが国の原発はまるっきり構造が
違っていて心配はない」と断言する。
政府は7年前のスリースマイル島事故で国内の同型の原発を
停止した時とは対照的にこの時は「再点検は考えていない」
と押し切った。以後、自民党は国策・原子力を続行して行く。
(以下余談です) - 原発のコストにはまた、いずれふれる
かとも思いますが、高速増殖炉FBR原型「もんじゅ」(福井県)は
1995年ナトリュウム漏れ事故以来、ほとんど稼動していません。
停止中でさえ、1日5000万円の維持費がかかります。
今日までの維持費計算してみて下さい。1ヶ月で15億円です。
さらに余談、河野洋平の息子、河野太郎(自民党議員)は
「世界」6月号のなかで「原子力村」を中心に運営されている秘密と
隠蔽に満ちた原子力政策を批判し、自然エネルギーの採用を主張して
います。それは原子力発電が危険であるというより、そのコストが
安くなく、未来のない産業であるからだーと云ってます。