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sugiyukumamani

ただ かぜがふいているだけ・・・。  
  

CO2の排出量は加速・・⑯

2010-02-27 | 暮らし
 化石燃料が燃やされる時、発生するCO2を回収する実用的な方法は
まだ、ありません。また、大気からCO2を取り戻すこともできません。

1キログラムのCO2を回収するのに必要なエネルギーの量はそもそもこの
CO2を発生させて得たエネルギーに匹敵する量となるだろうーといわれて
います。したがって、これほどエネルギーに依存している限り、人類は
大気中のCO2の量を増加させる運命にあるのでしょうか。

化石燃料の一部をそれなりに代替しうる可能性の科学技術に原子力発電
があります。原発をCO2削減の柱に置く国は多い。国際エネルギー機関が
発表したエネルギー白書には2050年に世界のCO2を半減するには「世界で
毎年20基の原発が必要」という提案もあります。

だからといって、原子発電が問題ないとする正当な理由があるわけでは
ない。地球上にはいまでも放射性廃棄物の最終処分場はない。その、
廃棄物は何千年も危険な放射性物質でありつづけるのです。

CO2削減問題には、原子力発電を大規模に拡大する必要があると思われる
が、そうした事態はおこりそうにもありません。

CO2の排出量は加速・・⑮

2010-02-26 | 暮らし
 「未来の子供たち―我々の子孫―になにを残すか」ということが人類の
テーマになってきました。残すのは地球です。人間の生命が維持できて、
それぞれが快適に生涯を終えうる生態系をもった地球を次代に残すーと
いうことです。

 20世紀後半の文明は、大気や水の汚染ということも含めて、生存の限界
などおかまいなしに地球を食い続けようという方向で進んできました。

21世紀も10年目です。しかし、21世紀になっても人類のことのみ考えると
いうと多少の嘘がまじります。人類とはまだまだ抽象概念の域をでないか
らです。

近代国家というものは、自国の国民の幸福をもたらす機関として成立し、
20世紀後半になって多くの国家が誕生しました。大小無数の国家が、自国民
の利益を守るために地球上を横行しています。

 話を変えます。人類は化石燃料から手を引けるようになるのでしょうか。
地球温暖化を阻止するためには、化石燃料を抑制せねばなりません。地球
温暖化を防ごうというと皆、賛成するのですが、では、どこの国がどれだけ
削減というとなかなかまとまりません。

「抑制すると、わが国は国民を食わせてゆけなくなる」という意見がでてくる
のです。しかし、中国やインドなど人口の多い国が、先進国並の生活をするよ
うになったら、もう一つの地球が必要になるといわれますが、現在の科学や技術
ではそうすることは不可能なのです。

環境変化 (14)

2010-02-25 | 暮らし
 日本はアジアの東端の海のなかに世界第2位の経済大国として位置し、
しかも省エネ・公害防止技術を開発し、世界に先駆けて国内投資を一巡
させてしまっている。(* だだし、世界第2位の経済大国は確実に
中国に抜かれる)

 一方、中国は、経済成長が続き、エネルギはー不足し、環境汚染問題を
抱え、CO2排出量は世界一になった。麻生前政権が出した「05年比15%削減」
には即座に「それはないだろう」という反応を示したといわれる。今回は
おそらく中国政府も「日本政府も前向きになった」と思っているだろう。

中国の場合、胡錦怒濤(フーチンタオ)政権は「和諧(わかい・調和の取れ
た社会の構築)」を目指し、その中で地球環境対策を重視している。世界
全体の危機を回避することも当然大事な名目だが、結局「中国自身の利益
にもなる」と政府は言い切っている、長期的な戦略として位置づけている
ーと言われる。

 中国は再生可能エネルギーや省エネ分野での需要を効率的に満たすには
国内技術が十分ではない。世界的に省エネ技術をリードしているのは日本、
再生可能エネルギー分野は欧州だ。出番があるのだろうか。

環境変化 (13)

2010-02-22 | 暮らし
 元来、国際政治の場は、軍事力をは背景に国益を争う闘争場である。
実際、国際機関の主要業務は戦後処理と軍縮問題であった。国際政治学
では、軍事を前提とした安全保障問題や軍縮問題をハイ・ポリテックス、
経済問題などをロー・ポリテックスと呼んで区別してきた。そして長い
間、環境問題は国際政治からも黙殺されるロー・ポリテックスの地位に
あった。

 08年、慶応大学で講演したゴア元アメリカ副大統領は「100年後も人類
が生き延びることは可能か」という学生の質問に答えた。
「私たちは二つの生存の脅威に直面している。一つは核戦争、もう一つは
気候の危機だ」

 考えてみると、核戦争と温暖化の脅威は似ていなくもない。次の3点で。
①、脅威が地球大、 ②、各国の経済政策と連動している、 ③、脅威の
実態の確認がきわめて困難である。

この事態に応じて90年代に環境安全保障という概念が登場した。伝統的な
国家安全保障は、領土や政治的独立、国民の生命・財産を外敵の侵入から
守るという考え方だった。国連開発計画(UNDP)が94年に発表した人間開
発報告書は飢餓や貧困、難民などの脅威にも対処する「人間の安全保障」
を提唱した。

環境変化 (12)

2010-02-22 | 暮らし
国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は報告書で水不足や
食糧生産の減少などで地域ごとの影響を予測した。07年には英国
の提唱で「気候安全保障」が国連安全保障会議で初めて取り上げ
られた。軍事関係者の間でも気候変動が安全保障にかかわる問題
だという意識が高まっている。

 英国では「気候が不安定かすれば政府の国民に対する基本的な
責任である経済・貿易・移民問題・貧困などへの対応が充分果た
せなくなる」とし、気候安全保障を英国外交の重要課題とするこ
とを明言している。

地球温暖化の脅威を伝統的な安全保障問題と同格のハイ・ポリテ
ックスの位置に置くというのである。

米政府の国家情報評議会は、気候変動はアフリカなど脆弱な地域
で紛争を誘発する国際的な不安定要素となるだけでなく、移民の
加などで国内の安全保障にもかかわると指摘した。欧米では同様
の論文や報告書の発表が相次いでいると伝えられる。

CO2の排出量は加速・・⑭

2010-02-20 | 暮らし
米中は、両国の戦略・経済対話の柱の一つに環境・エネルギー問題
を据えた。中国にクリーンエネルギー研究所を開設することで合意し、
二酸化炭素回収・貯留(CCS)技術、電気自動車、太陽光発電など
広範な技術協力について協議しているといわれる。

中国の胡錦涛(フーチンタオ)国家主席は「温室効果ガスを2020年まで
に05年比で顕著に削減する」と述べ、全エネルギーに占める非化石燃料
の割合を15%まで高めると言明している。昨年のCOP15では先進国側に
削減目標の上積みや資金援助を求めたものの、胡錦涛主席は「総量規制」
は拒否した。

 ポスト京都のロードマップはすでに2年前に、インドネシアのCPO13できま
っていた。先進国には「削減義務」、途上国には「緩和に関する行動」を求
めている。

 中国は昨年、全人代の常務委員会で温暖化対策を積極的推進するという
決議を採択している。政府と議会が結束して温暖化防止に取組み「低炭素
社会」を構築すると表明している。この決議は非常に重いものーといわれる。

 全人代(全国人民代表大会)常務委員会決議 日本の国会に相当する中国
の最高の国家権力機関の常設機関である常務委員会が昨年8/27日、「気候変化
への積極的対応に関する決議」を採択。同決議は「低炭素経済」の発展を公文
書として初めて明記した。

CO2の排出量は加速・・⑬

2010-02-20 | 暮らし
 国民1人当たりのCO2排出量(2006年、環境省資料)

 オーストリア 20 トン    米国     20 トン
 カナダ    16.5トン    ロシア    11.1トン
 ドイツ    10 トン     日本      9.5トン
 英国      8.9トン    南アフリカ   7.2トン
 中国      4.3トン

 92年の気候変動枠組み条約で、途上国への技術移転と資金援助が決まった。
だが、支援の必要は認めつつ、具体策はあまりでていない。先進国側は市場
主義、自由主義を掲げ、政府はなにもやらないという雰囲気をつくっている。

 昨年9月に国連が発表した報告書によると、途上国の温暖化支援には年5千億
ドル(45兆5千億円)が必要としている。先進国が実際に行っている支援額は、
その5%にも満たない210億ドルにとどまっている。

CO2の排気量は加速・・⑫

2010-02-19 | 暮らし
 ただ、国民の関心は環境より不況だ。法案が下院で過半数をわずかに上回る
僅差で通過したのもそのギャップを物語っている。オバマ政権と国民との間に
は温度差がある。上院を通過しなければ法案は成立しない、現実は厳しい状況
ーといわれる。 *ワックスマン・マーキー法案

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の予測では温暖化が進むと影響が大きい。
標高がきわめて低いフロリダなどで水没地帯がが増え、内陸部では乾燥の拡大で
農業などが打撃を受ける恐れがある。

温暖化対策にはコストがかかり、経済への打撃が大きいとの懸念がある。もっとも
ではあるが、経済の未来、世界の安全保障を考え、温暖化がもたらす中期的コスト
も勘案して判断せねば、短期的利益が長期的利益を先食いして経済の持続可能性を
危うくする。

 中国も、この10年進めてきた温暖化に関する研究の結果、大きな被害が予想され
ることを理解したといわれる。すでに洪水が頻発したり、干ばつが起きたり、降るべ
きでない雪が降って被害がでている。ヒマラヤ氷河は中国に流れる大河の水源で、
解けてなくなれば水問題は深刻になる。

 米国を抜いてCO2排出量では世界1位になった中国。この中国と世界2位の米国が
温暖化対策で合意しなければ世界は動かない。米中がポスト京都を左右するといわ
れるゆえんだ。だが、これは事実の一面である。

排出量の国単位では中国1位、米国2位だが、国民1人当たりでは米国は20トンのCO2
を排出し、中国は4,3トンで米国の22%にすぎない。

CO2の排出量は加速・・⑪

2010-02-18 | 暮らし
 これまで、数多くの協定が結ばれ、宣言が出されてきた。だが、実行が
期待されるものはほとんどなかったといってもいいでしょう。京都議定書
といえども、CO2排出量では世界1、2位の中国とアメリカは参加していない
のです。

温室効果ガス削減の20年中期目標「90年比25%削減」は鳩山政権の国際
公約だと書きましたが、「わが国のみが削減目標を掲げても、気候変動
は止められない。すべての主要国の参加が前提だ」という条件がついて
います。

どうしても、世界中の国が集まって協力しなければ地球温暖化の問題の解決
は不可能でしょう。2020年までの温室効果ガス削減目標をみてみると、基準
年1990年でドイツ40%、英国26%以上、日本25%、フランス20%です。

オーストリアは5%(2000年基準)、カナダ20%(2006年基準)とあります。
アメリカは、京都議定書から離脱したブッシュ政権からオバマ政権になり、温
暖化交渉に復帰したが、米国世論には依然不定的な意識が根強く残っていると
いわれます。

 昨年6月、温室効果ガスの排出権(排出量)取引制度導入を柱としたワックス
マン・マーキー法案が下院を通過しました。法案は20年までの中期目標として、
05年比で排出量20%を掲げるもの。先進国全体に求められる削減目標より低い
が「グリーン・ンニューディール政策」で大統領は地球温暖化に取り組もうとし
ています。

しかし、米国では、深刻な不況下にある中部選出の与党民主党議員らが「大胆な
温暖化対策は負担増につながる」と抵抗。温暖化対策法案の審議も上院で難航し
ているーといわれます。さらに、今年は中間選挙があり、春には予備選が始まる。
そうなると、温暖化対策でも超党派的なアプローチはとりにくくなるでしょう。

CO2の排出量は加速・・⑩

2010-02-17 | 暮らし
 国際エネルギー機関(IEA)は地球温暖化防止に向け、2020年に必要な
各国のCO2(二酸化炭素)の削減量を試算している。それによると日本に
ついては国内分だけで「90年比10%減」が必要とはじきだした。IEAの試算
は深刻な温暖化被害を招くとされる気温上昇を「産業革命以前から2度以内」
に抑えるという長期目標を前提においた。

試算は「2度」以内を達成するための省エネ技術などの導入費用が、各国で
均等になるよう条件を設定。各国がこれまで発表している温暖化対策も加味
して計算した。鳩山政権が国際公約した「25%削減」はIEAの試算より15%
多い。IEAの試算は、25%のどれだけを国内分でどれだけを排出量取引など
でまかなうかという議論に影響をあたえそうだ。

 先にふれたように日本は京都議定書の下で温室効果ガスの排出量を基準年
の90年度に比べて6%減らすーという義務を自らに課した。初年度である08年
の排出量は激減した。前年度より6.2%少なかった。

 基準年と比べると1,9%増だが、森林による吸収分や政府と産業界が海外から
購入する排出枠を算入することで「6%減」をひとまず果たせるという。

だが、けっして安心はできない。前向きな削減努力が実をむすんだというわけ
ではないからだ。08年度の排出量が90年代半ばまでも戻ったというのは、世界
的に景気が後退し、日本の企業や家庭のエネルギー消費も少なくなった。大不
況に負うところが大きい。

排出量が景気の動向に左右されやすい体質をあらためないとこの先景気回復と
ともに大幅な増加に転じる危険は十分にある。その意味でも「25%削減」を掲
げている現政府はあらゆる政策を用いて低炭素化を進めていかねばならない。

<森林吸収分は2,9%>  京都議定書は先進国が義務付けられている温室効果
ガスの削減目標を達成するために森林がCO2を吸収した分を含めることを認めて
いる。日本政府は、京都議定書で認められた方法を使って20年時点の森林吸収
分を計算したところ、90年比2,9%になるとの結果がでた。

 日本の森林は老化が進んでおり、CO2を吸収する能力が衰えるとの見通しを
反映し、京都議定書で決まった12年までの森林吸収分3,8%より0.9%少なく
なった。

日本政府は国内削減分や海外からの排出枠取得分など25%の内訳は今後の国際
交渉で固める方針ーと伝えられる。