sugiyukumamani

ただ かぜがふいているだけ・・・。  
  

風のたより (60)

2009-02-22 | 
 私たち動物は、植物が二酸化炭素を糧としてつくった酸素と
作物によって生きている。また、二酸化酸素などの温室効果に
よって地球のぬくもりが保たれている。二酸化炭素は、重要な
空気中の元素なのだ。だが、同時に危険な元素でもある。

 二酸化炭素の話は金星の話で最後にするとしよう。地球の
姉妹ともいえる惑星・金星は地球よりも少し、太陽に近いため
ここよりやや暖かいと考えられるが、他の多くの面(たとえば
大きさなど)では地球によく似ている。
「・・・ところが、ある過去の時点で二酸化炭素が悪い魔法を
金星の空気にかけた、金星の火山から大量の二酸化炭素が大気
にあふれだしたのだ。空気はどんどん暖まって海の水を蒸発
させて吸収した。この余分な水蒸気が温室効果ガスとして働き
二酸化炭素の働きを強める。すぐに大気は二酸化炭素と水の
分子でいっぱいになり、逃げ出そうとする赤外線をつかまえて
地表にもどす、その結果、金星の海は大昔になくなってしまった。
表面の岩は今では、からからに乾き、鉛さえ溶けてしまうほど熱い」
と『大気の海』の著者は書いている。

 地球がこうなるかどうかは小生にはわからない。しかし、二酸化炭素
の量が今の2倍になれば、地球の温度は10℃も上昇するともいわれている。
そうなれば、干ばつや山火事が増え、さらに二酸化炭素が排出され、世界中
の氷が溶けるという大災害が起きる・・・?。(了)

風のたより (59)

2009-02-15 | 
 二酸化炭素、メタン、フロンなどの炭素ガスは熱を逃し
にくいという性質を持つ。ビニールハウス内の二酸化炭素を
高めに設定すると外気温より高めの温度を維持できる。
温室効果ガスを簡単にいうとこういうことだ。そのおかげで
トマト、キュウリなどの夏野菜をほぼ一年中、スーパーの店頭
で見ることができ、私たちはその恩恵にあずかっている。
二酸化炭素と温暖化についてはこちらを参考に・・・。
第1回環境革命への契機となる北海道洞爺湖サミットの 2、を参考に・・・。

 
あたえられたスペースは後、1回である。紹介できない有名人
が多々ある。名前だけでも挙げておきたい。
 ヤン・バブティスタ・ファン・ヘルモント
 ジョン・ティンダル
ジョゼフ・フーリエ
スヴァンテ・アレニウスなどの人達である。この人達だけでないことは
いうまでもないことだが、彼らの功績をたどれば、二酸化炭素と
温暖化のことがより一層理解できるのではないだろうか。


風のたより (58)

2009-02-15 | 
 この「風のたより」もそろそろ幕を引かねばならない。
予定では50回が(了)になるはずであったが、小生の
回り道や、脱線のせいで回を重ねている、もう少しご辛抱
をお願いしたい。
 しかし、二酸化炭素が本当に地球を暖めているのだろうか。
二酸化炭素量が2倍になると、地球の温度は0.5℃上昇という
のもあれば4.5℃というのもある。一番確かなのは、実際どれほど
気温が上昇したかということを測ることであるが、気温は、年に
よって違うので、温暖化と一般的な気温の乱れを区別するのは、
非常に難しい。

 二酸化炭素が温暖化の原因といわれるなかには温室効果ガス 
であるということだ。いまさら、説明は要しないと思うが、
いつものように、小生でもわかるように簡単に書く。

風のたより (57)

2009-02-13 | 
 キーリングは、二酸化炭素レベルを正確に測れる器具を
開発し、ハワイ島のマウナロア山の頂上に設置した。局所的
な工業化の影響で、結果が損なわれるのを防ぐためだ。

 この観測データが注目を集めたのは、1988年である。同年
記録的な異常気象(熱波。干ばつ)が米国を襲った。当時、
米国上院議員だったティモシー・ワースは、このマウナロア島
の観測に注目し、公聴会を開き、地球温暖化が訪れると警告した。
地球温暖化とCO2原因で説の起源ーるいネット キーリングが
つづけたこの観測データーのグラフ ”キーリングカーブ”を
見ると、そこにしめされてた二酸化炭素レベルの描くグラフは
まっすぐに横に書く線でもなければ、ゆるやかに上昇するもの
でもない。急激に上昇し、まるで今にも崩れそうな大きな波の
ように見える(『大気の海』)。

風のたより (51)

2009-02-08 | 
 ブラックは自分の発見した二酸化炭素の重要性に気づいて
いなかった。
 ブラックの実験についてはこちらを・・・・・。
科学の歩みところどころ 
 「第7回気体の発見・石炭に潜んでいた”空気”」。そして、
第8回を見ていただくと、もう、このことは書かなくてもいいと
思うが、重複するのもいつものことーである。ご勘弁願いたい。

 ラボアジェは、二酸化炭素の重要性に気づいた。呼吸の実験で
人間や動物が呼吸のさい大量の酸素を消費するほど、
生じる”固体空気”の量も増えることに気づいた。そこで、
彼は、私たちは炭素からなり食物をろうそくがろうを燃やすのと
同じように燃やしていると推定した。
 そして、酸素のなかで、炭素からなる物質を燃やすと生じるの
は二酸化炭素そのものなのだ(『大気の海』)。

風のたより (50)

2009-02-07 | 
 余談である。実験内容や、経過を省略させていただいているが、
小生の筆では正確にお伝えできないからである。
『化学実験の安全指針』序言のなかにこう書いてある。長くなるが
写しておく。
 「・・・元来、化学実験はかなりのベテランでも時には思わぬ
手落ちや、あるいは意外な反応の生起によって不識の災害的
出来事に見舞われる。あるいは災害に、あるいは負傷に、
最悪の場合は一命の損傷という事態さえ起きるものである・・」。
さらに「・・・化学実験は大なり小なり災害とは離れがたい宿命に
あるようであるが・・」と。実験は慎重に願いたい。

 ついでに「一酸化炭素」について書いておきたい。化学式は CO
無色無臭のガスで、炭酸ガス(二酸化炭素)が赤熱した木炭や
コークスなどに触れると生じる。このガスによる中毒は、身近な
ところで起きている。ガレージ内の自動車の排気ガスによっても
起きている。住居内ではガス風呂、ガスストーブ、炭火を用いる
時、寒気がよくないと有毒は起きやすい。
 濃度0.02%では1~2時間で前頭部頭痛、0.08%では45分で頭痛、
めまい、はきけ、けいれん、2時間で失神。中毒になったら
ただちに新鮮な空気の所へ移す。安静と保温がとくに大切である。

風のたより (49)

2009-02-07 | 
 ジョゼフ・ブラックは、医者になるべく勉強中だった。ブラックは
誰からも好かれていたという。彼は親しみやすく、親切で、信じられ
ないほど好奇心が強かった。
 「それは本当におもしろい実験だったのです。大きなガラスシリンダー
で石炭と硫酸を混ぜると、勢いよく泡が立って、生じた空気か蒸気が
上から出ていくと、近くにあるろうそくの火を消すのです。中に火のついた
紙を入れると、水に浸けたときと同じようにさっと消えてしまいます」。
彼は昔の恩師にこう手紙を書いた。

 いつものように、実験の経過は省略させていただく。ブラックはこの
新種を「固定空気」と名づけた。今でいう二酸化炭素である。
彼は、この新しい固定空気がどんな性質をもつか突き止めようとした。
固定空気が酒の蒸留のときに発生し、息を吐き出したときにも現れる
ことに気づいたが、しかし、そもそも私たちの体内で、どんな役割を
はたしているのかわからなかった。(『大気の海』)

 ブラックは自分の発見した二酸化炭素が、私たちの生活にどれほど
重要な役割を果たしているかわからずじまいだったが、彼の後進たちは
すぐ、その重要性に気づいた。ラボアジェは・・・。

風のたより (48)

2009-02-06 | 
 いつものことだが、寄り道ばかりである。諺にもある。
「急がば回れ」、回り道も悪いばかりではない。
 さて、「どちら行かうか 風が吹く(種田山頭火)」などと、
のんびり句に浸っている時ではなかった。

 風のたより(46)の「私たちに食物を
与えてくれる気体は、18世紀初頭に発見された」にもどろう。食物を
与えてくれる気体とは、二酸化炭素のこと。おもに植物は水と空気中
の二酸化炭素から炭水化物を合成している。光合成によって。

 ジョゼフ・ブラックが昔の恩師にこの手紙を書いた時、この不思議
な「空気か蒸気」が、どれほど重要なものか想像もしていなかった。
彼は論文の執筆と、さまざまな病気の、よりよい治療法の研究という
重要な問題を抱えながら、寄り道を楽しんでいた(『大気の海』)。
 諸兄姉、やっぱり寄り道は必要なようである・・・?。

風のたより (47)

2009-02-05 | 
 「では、話をはじめたい」と、最初に、「では」とか「ところで」
でなどが聞かれるときは、話そのものがまとまっていないことが
多々あるものだ。正直に云おう。まだ、どういうふうに話すか、
「迷っております」、御許しを願いたい。

 だが、書かねばならない。余談になるがこんな話はどうだろう。
諸兄姉はblogの一つやそれ以上お持ちの方だと思うので、何度か
このような経験はされているだろう。なかなか書けないーという。

 週間朝日の名物編集長だった扇谷正造(おおぎやしょうぞう)氏は
締め切り日、取材メモを前に苦吟する新人記者の肩をたたき、決まって
こういったという。「とにかく大変だったと書き出してみたまえ」。
そう、まず書きはじめなければならい。

 いつものように二酸化炭素 もしくは二酸化炭素とはー二酸化炭素とは
ーはてなキーワード
からはどうだろうか。(つづく)

風のたより (46)

2009-02-03 | 
 地球は奇跡的に美しい星である。雲が走り、陽が落ち、また
昇るーその美しい星が今、危機に瀕しているーなどと書き始め
ましたが、ご安心下さい(?)、前回、「テーマです」と、
大見得をきったことが恥ずかしくなりました。ハウツー本を
数冊眺めたぐらいで文章がうまくなるはずがありません。
いつものように遅々とした筆、脱線、重複などは以後も変わる
ことはないと思われます。

 自信をもって宣言しますが、エコの解説書を展開するほどの
素養もノウハウも持っておりません。いつものような
四方山話なのです。

 私達に食物を与えてくれる気体は。18世紀初頭に発見された。
これはプリーストリーとラボアジェが酸素を見つける数十年前の
ことだ。

 ラボアジェ(1743~1794)について余談を・・・。Antoine Laurent
フランスの化学者、パリに生まれ、マザラン大学で法律を学んで
弁護士となったが、化学に興味をおぼえ、化学者のC.F.ルエルに
師事した。1768年、フランス科学学士院の会員になり、徴税請負人
や火薬工場監督官なども勤めた。
 主著『化学入門』で質量不変の法則を提唱、元素の概念を明らか
にした。ほかに、水の組成の解析、有機化合物の分析法、呼吸の
酸化説、氷熱量計の考案などもおこない、近代科学の父といわれる。