goo blog サービス終了のお知らせ 

sugiyukumamani

ただ かぜがふいているだけ・・・。  
  

風知草

2009-07-09 | 
   <53 >

産業革命以後の人間の生活が温暖化の主な原因といわれている。
生活しがたい時代のなかで、生活基盤を正さなければなない。ただ
たんに惰性でコマーシャルの宣伝に引っ張られるような受身の消費者
でなく、自ら努力して「生活する人間」へと変身しなければならない。

 たとえば、「農薬の混入した中国製冷凍ギョウザ事件」で食の安全
ひいては、国内の食糧自給率という問題が関心を集めた。しかし、
ギョウザ事件はいまだに真相は解明されないまま、この不況下で低価格
の中国産が復調しているーという報道もある。減反の問題もまだ結論は
でていない。何が障害になっているのだろうか?

 以下余談・・・。CO2削減の枠組みの問題など、政治にまかせてーと
という。だが、「総選挙」という政局がらみのニュースはもう1年も
続いている。この1年間、政治は「何をしたのか」というより、「何を
しなかった」のかと・・・・。この間の空白はいずれ歴史が語ってくれ
るだろう。
 だが、そういう政治家を選んだのは私たち一人一人の国民なのだが。
生活者というのは「生活する人間」というだけでなく、生活という
社会的な営みの「奥」を生活者自身の言葉で語れねばならない
時代(とき)なのかもしれない。

風知草

2009-07-08 | 
   <52 > 再び私事のみを・・・

 たいていの現代人は、自分の意思で生活しているというより、
コマーシャルや広告の誘導によって「生活感覚」が形成されているー
と書いたが、訂正したい。

 生活しがたい時代だからこそ、「生活感覚」は鍛えられるのである。
個人の生活から社会問題まで、日常的な戦いが日々積み重ねられている。
官僚の腐敗、貧富の差、食品の安全、公共生活の質などと
「生活」こそが政治状況にコミットしているのである。社会環境を改造
するためには、すべての人間の責任意識を喚起することが当面の課題で
ある。

 ところで、魚の話。
 世界の漁獲のうち、4割を目的外の魚が占めているという調査と
推計の結果を先ごろ世界自然保護基金(WWF) が発表した。

 いわゆる、外道として日々多くが捨てられる。厖大な資源の浪費である。
最悪の例はフカヒレ狙いの鮫漁で、一網打尽にした魚の9割以上が投棄される
そうである。
 人は古来、青い海を、無限、豊饒(ほうじょう)、母なるーといった言葉で
飾ってきた。だが、いまや、生み出す命は人間の貪欲に追いつかない。
いつか海が空っぽになる不安が現実味を帯びて語られている。

風知草

2009-07-07 | 
   < 51> 「 消費者から生活者へ・・・」

 全国のコンビニ、約4万5千店で売れ残りの破棄量は年1千億円。
3月の参議院農水委員会で石破農水相は、コンビニ弁当の破棄問題を
問われ個人的見解としながらも「賞味期限内のものを捨てるのは
もったいないーという発想があってしかるべきだ」と答弁している。

 また、野田消費者行政推進担当相も、衆議院消費者行政特別委員会
で「消費可能な食品が大量に破棄されているということは、資源の
有効利用、地球環境への影響など多くの問題につながっている」と
答えている。

 「風知草」では、海の問題にふれてきた、最後は海というか
魚の話で終わりたいと思うのだが、コンビニの破棄問題と同じような
ことが行われているのである。

風知草 < 50 >

2009-07-07 | 
   < 私事のみを・・・>

 どうにか<50 >回になりました。つたないblogにきていただき感謝
申し上げます。 いつも50回を一つの目標にしているのですが、回り道やら
余談やらで回を重ねることがしばしばです。今回はどうやら目標の回で終わ
れそうです。

 考えてみれば、今日ほど生活しがたい時代はないのかもしれない。最近の
出来事だけでも、世界同時金融不安、派遣切り、不況、失業、それ以外でも、
政治の閉塞感、さらに、新型インフルエンザと息つくヒマもない。
そして温暖化に伴う諸問題・・・。

 「生活しがたい」というより、資本の論理が生活の隅々まで浸透して、
生活感覚自体がすでに破壊されてしまっているのではないだろうか。
「生活」はいつのまにか「消費」に置き換えられた。ほとんどの
現代人は自分の意思で生活しているというより、コマーシャルや広告の
誘導によって「生活感覚」が形成されている。

 先ごろ報道された、セブンイレブンの独禁法違反容疑ーについてふれて
みたい。販売期限前に弁当などを値下げして売る加盟店にセブンイレブン
の本部が値下げしないように圧力をかけていたとして公取委が独禁法違反
で調査したー。本部、加盟店にはそれぞれの言い分はあるだろうーがー

 少し、乱暴かもしれないが、ある一点だけで申し上げたい。
「消費可能な食品をなぜ捨てねばならないのか?」という一点である。
新聞などの報道によると、全国のコンビには約4万5千店。売れ残りの
廃棄量は全国で年1千億円を越える。(つづく)

風知草

2009-07-06 | 
   <49 >

国が進める「クラゲ類の大発生予測・制御技術開発研究」のリーダーを務める
上真一・広島大教授(生物海洋学)らのグループは2006年から調査を
おこなっている。日中を結ぶフェリー上からエチゼンクラゲの発生量を観測。
黄海南部、東シナ海北部で海面10㍍四方当たりの個体数を調べている。
今年6月20~24日の調査によると傘の直系10~50㌢のエチゼンクラゲが
平均2,14匹観測された。同じ6月のデータでみると08年の約200倍、定置網
などに大きな被害を与えた07年と比べても約2,8倍になる。

 とくに多かったのは2005年、太平洋側の広い地域にも押し寄せた。全国で
約10万件を越す被害が報告された。05年のピーク時には対馬海峡から1日に
3億~5億匹が日本海に流入したと推計されている。

風知草

2009-07-06 | 
   <48 >

エチゼンクラゲ の大量発生に漁業関係者から不安の声があがる。2005年は
「クラゲがいっぱいで網が引けなくなった」こともある。
 エチゼンクラゲは、春に中国近海で発生し、成長しながら海流に乗って北上。
日本には夏から冬にかけて押し寄せる。例年7月ごろ先頭の群れが対馬に
到着する。網の中の魚を毒針で刺して品質を低下させるなど被害を生む。

 長崎県・対馬の沿岸にエチゼンクラゲの群れが到着した。6月30日、定置網
に200匹以上が入ったと情報が寄せられ、水産総合研究センターなどが沿岸で
捕獲して確認した。

 水産庁は、自治体や漁業関係者、研究者らによる大型クラゲ全国協議会を
7月3日に開き対策を検討した。

風知草

2009-07-04 | 
   <47 >

かってエチゼンクラゲの大発生は数十年に一度しかなく、青森県
までやってくることはまれだった。ところが、2002年からは大発生
を毎年繰り返している。昨年の深浦町の海水温は平年より1,6度高
い、13,2度。気象庁によると青森県沖なご日本海中部の平均海水温
は過去100年で1,6度上昇した。

 「中国沿岸の富栄耀化と水温上昇が進み、繁殖しやすくなった。
日本海の水温も高くなかなか死なない。繁殖したクラゲが魚の卵
や稚魚を食べ、魚が減ってクラゲばかり増える「クラゲスパイラ
ル」が起きていると、上真一広島大教授(生物海洋学)は説明する。

風知草

2009-07-04 | 
 <46>「魚が減ってクラゲばかり増える『クラゲスパイラル』が起きている」


 地球温暖化に伴い、今後70年で日本近海の水温は1~4度上昇する。
気象庁 の予測だ。異変はすでに起き始めている。

 津軽半島の付け根。青森県深浦町沖の日本海。昨年12月18日の早朝。
漁船のの乗組員が網をたぐり上げると、エチゼンクラゲが100匹近く入って
いた。1匹ずつカマで切り裂き、やっとヤリイカやヒラメが見えた。
  「今日はこれだけか」。船長の山崎さんがため息をついた。

 山口県や長崎県対馬沖など日本海を中心に漁業に多大な被害を与える
エチゼンクラゲが今年、大発生する恐れの高いことが中国沖の調査でわ
かった。

 エチゼンクラゲは大形のクラゲで直系2㍍、重さ200㌔にも達する。黄海
など中国沿岸で春に発生し、対馬海流に乗って日本海を北上する。寿命
は1年未満で、水温12度以下での生息は難しい。年によって発生量に大
きな差があるがその原因は科学的には解明されていない。

 

風知草 <45>

2009-07-03 | 
< 鉄の効果解明には時間がかかりそう >

 日ロ中が続ける「アムール・オホーツク研究」。全長5千㌔級となる
大河アムール川。「総合地球環境研究所(京都市) 」などが研究を
続けている。アム川流域の森林や湿地帯から供給される鉄分が
オホーツク海の植物プランクトン発生を促し、それが動物プランクトン、
魚へとつながって、世界有数の好漁場を形成しているとみる。陸の鉄分
が溶け出し、川から外洋にもたらせれる影響を調べている。

 牡蠣の森を慕う会・代表の畠山さんは「森林の腐葉土ができる過程で、
「フルボ酸」といわれる酸ができる。水に溶けた鉄とフルボ酸が結びつき
安定したフルボ酸鉄になる。海の植物が吸収する鉄は森でつくられてい
るのだ。日本海と太平洋に2万1千本の川が流れている。そこから鉄が
供給されている。陸上の植物群だけでなく海の植物群による二酸化
炭素の固定化も重要だ」という。


 人間の活動で排出される二酸化炭素は炭素換算で年に約72億トン、この
うち、海洋は22億トンを吸収していると考えられている。この量を鉄をまくだけ
でプランクトンが増やせるならば、光合成で吸収量を増やせせるかも知れない
という考えが広がった。

 日米欧の研究グループが93年実際に、海に鉄をまく実験を開始した。だが、
海域や時期によって得られた結果はまちまちだった。効果はまだはっきりして
いない。IPCC は、07年の評価報告書で生態系への影響があるなど「未知の
副作用が起きる危険性もある」と指摘した。
 森と海のかかわりは未知のことが多く、科学的には不明なことが多く、解明
には時間がかかりそうだ。


 

風知草

2009-07-02 | 
   <44 >

 「海水に鉄を加えれば、光合成をする植物プランクトンがたくさん
増え、二酸化炭素を吸収できるー。こんな仮説をめぐる研究が各国で
20年近く続けられている。

 「牡蠣の森を慕う会」の代表・畠山さんはいう。「魚は動物プランクトンを
食べ、動物プランクトンは植物プランクトンを食べる。植物プランクトンは、
水の中に溶け込んでいる窒素とリンを吸収して育つ。吸収には媒介として
鉄が必要だが、海の中ではもともと鉄が不足している。

 北太平洋や赤道の近く、南極大陸周辺の表層には、窒素やリンなどの
栄養素はたくさんある。ところが、なぜか藻類(植物プランクトン)が
少ない。
 米国の海洋学者ジョン・マーチンは80年代後半、異物が混じらないよう
に採取した海水に鉄分を加える実験をした。すると、植物プランクトンが
増えたと発表ー。大きな議論を巻き起こした(つづく)。