以前、バクーンの初期の頃のモデル DAC-5720 の i/V変換部分をSATRI-ICに変えて
使っていたが、調子が悪くなったことと さすがにもう古いということもあり、筐体だけ
残してバラしてしまった。
そのときの I/V変換部分があったので、それを使ってみたが、片CHがうまくいかない。
i/V変換を受け持つ抵抗の両端の電圧が 不安定極まりない。ICのピンに手で触れると
大きく変動する。どうやら発振いるようだった。ICはもう2個ストックがあるのだが、
ICを直付けしていたので、取り外しが面倒だった。なので、他に昔、試しに作った
EQ用の基板が出て来たので、それを使うことにした。I/V変換だけだと実に
シンプルだ。DCサーボは付いていないが、ドリフトは4.7KのI/V変換抵抗の両端で
20mV弱なのでOKだろう。
さて、これを金田式のEQ-IVCからの出力を指定の1.5Kの抵抗を通して接続
SATRI側のI/V変換抵抗に50KのVRをパラにしてVRとする。
さて、レコードをかけると、爆音だ!! VRを回す前から もう音が出ている。
ほんの僅かにVRを回すだけで 片CHから音が出る。VRの誤差によるものだ。
金田式DACと同じだ。ということで、電流出力なので、IVC側の出力にアースに
落とした抵抗を付けて 流れ込む電流を絞ることにした。
1Kでは効果なし。500Ωで少しVRを上げられる。結局 220Ωとし、SATRI側の
VRを実質2KΩにした。これで VRの9時あたりでも かなり大き目の音だが
実用域になった。
その音はというと、以前、金田式 真空管DCプリのときに聴けた音が復活した感じだ。
山本 剛の「Misty]をかけると SP Box 220ℓの頃に聴けた 低音に近い音が出てきた。
あの、スタジオの床を伝わる なんというか ゴトゴト というような 空気が動く感じの
音だ。ピアノの弦が作る ハーモニーが 響板に跳ね返るのがわかる。
うーん、やっぱり 元祖 電流増幅のSATRI-ICだ。金田式 EQ-IVCの本領を引き出して
くれた。 6384のアンプとあいまって 私にとっては 久々に興奮させられる音が出た。