京都便り

京都のこと、和菓子のこと、着物のこと。
四季折々のことを書きつづることができればと。

落ち葉楽しむ冬の道

2013-12-12 13:06:31 | つれづれ

そっぽ向かれても猫。

なんか観光客がいなくなって、猫たちにエサが行き渡らなくなったせいか、いつもの場所に行くとどこからともなく猫が集まってくる。
それも一匹、二匹ではなく、風が落ち葉を巻き上げるように猫がざわざわーっと集まってきて、ぐるぐるとまわりを取り囲まれる。

 「なんも持ってへんにゃ、ごめんな」

そう言うとまたざわざわーっと去って行く。

猫たちにとってはエサをくれる人は良い人で、エサをくれない人は枯れ木と同じ。
どうでもいいよって顔される。
当然、猫なで声なんていうのもない。


ただ寒さに耐える猫。

警戒はしているものの、動くとおなかへるから動かない。
誰か良い人がきてくれないかな、と待ち続ける。


紅葉はもう終わってしまった。
冷たい風が冬が来たことを知らせる。

哲学の道はいつもと同じ静けさを取り戻し、猫たちが枯れ葉のベッドに身を沈め、ただ人を待ち続ける。

 「もう春まで人はこないよ」

そう言っても猫たちはこの場所を動こうとはしない。

身を寄せ合い、冬の寒さが過ぎるのを待っている。

そんな猫たちが面白い。