京都便り

京都のこと、和菓子のこと、着物のこと。
四季折々のことを書きつづることができればと。

クローズドノート

2009-08-23 10:21:27 | つれづれ
竹内結子がうちの店の前に撮影に来ていたと以前にも同じタイトルで書いたけど、ようやく映画のほうを見た。
設定はどうも”京都”ということではないらしいけど、撮影自体は京都がメイン。
哲学の道だけでなく、寺町通りや出町柳の三角州のところだと見慣れた風景が多数で、それだけでも楽しめた。

同じ場所なのに撮り方でシーンを変えるという映画らしい手法も多数見ることができ、映画本編に引き込まれる反面、ああ、あそこだな、って発見があって、まるで舞台裏から映画を見ているような気分だった。

うちの母親の話では”希少なバイクの話”ということだったので、そんな話なのかな、と思ったらまったく違って驚いた。

確かに竹内結子は劇中スクーターに乗っているし、一般的なスクーターではなく古い物好きしか乗らない類のスクーターではあるけど、バイクはまったく物語には関係がなく、普通に恋愛劇。

さらに竹内結子しか聞いてなかったけど、よくよく見ると沢尻エリカが哲学の道を走ってる。
沢尻エリカも来てたのに、うちの母親にとっては竹内結子メインだったのは言うまでもなく、そもそも主人公は沢尻エリカだったというのはある意味、推理小説に近いどんでん返し。

映画のストーリー展開よりもうちの母親の話と実際の映画との違いのほうがよっぽどフクザツだったというのは伝言ゲームの妙といったところか。

作品自体もっと小粒なのかと思ったらやたらと有名な役者さんがいっぱい出ていたし、明らかに安い映画ではない。
派手なCGもアクションもないけど、いい脚本といい役者があればいい映画ができるというお手本のような映画。
そして邦画らしい映画。

きっとこの繊細な感覚はガイジンにはわからないだろう。

アイドル映画全盛なんて時代もあったけど、今の邦画はあの時とは比べものにならないくらいにずっと良くなっている。

映画とは視覚で楽しむものだけど、そこからは多くの言葉が伝わってくる。
タイトルの「クローズドノート」に秘められた思いも画面を通して、役者の表情を通して伝わってくる。
それが今の邦画にはある。

今、邦画がおもしろい。