おにぎりというと普通は梅干しだったり、おかかだったりだけど、僕にとって最高のおにぎりはしぐれ煮のお肉が入ったおにぎり。
うちの母親はお世辞にも料理がうまいとは言えない。
お肉が食べられないので味見すらできない肉料理がうまいわけがなく、まるで夜店のあてもんみたいにはずれ率が高いのが常だった。
しかしお肉のしぐれ煮はようは砂糖と醤油で甘辛くしているだけなので、逆にまずくするほうが難しい。
誰が作っても当たり前に甘辛くできるし、その甘辛さが子どもだった僕には特別な味だった。
そしてそれがおにぎりの中に入ると、えもいわれぬほどにおいしく感じた。
今日の昼はご飯を炊きすぎたからと昨日作ったしぐれ煮を使ってしぐれ煮のおにぎりだった。
「なんだか夏の味がする」
従兄弟たちと大勢で海に泳ぎに行って食べたあの時の味。
懐かしい味がした。
うちの母親はお世辞にも料理がうまいとは言えない。
お肉が食べられないので味見すらできない肉料理がうまいわけがなく、まるで夜店のあてもんみたいにはずれ率が高いのが常だった。
しかしお肉のしぐれ煮はようは砂糖と醤油で甘辛くしているだけなので、逆にまずくするほうが難しい。
誰が作っても当たり前に甘辛くできるし、その甘辛さが子どもだった僕には特別な味だった。
そしてそれがおにぎりの中に入ると、えもいわれぬほどにおいしく感じた。
今日の昼はご飯を炊きすぎたからと昨日作ったしぐれ煮を使ってしぐれ煮のおにぎりだった。
「なんだか夏の味がする」
従兄弟たちと大勢で海に泳ぎに行って食べたあの時の味。
懐かしい味がした。