合衆国の片隅で新館 2006~

5人と4頭プラスαと2羽と1匹とその他大勢だったアメリカ暮らしは2人と1頭と1匹になりました。

お互い様!

2015-04-18 | 日本語教師の日々
生徒さんが言う。

「どうして【ここ】と【こうこう】が違う意味なんですか。同じ音じゃないですか。【ゆめ】と【ゆうめい】も【おじさん】と【おじいさん】も同じじゃないですか!」

教科書の第一課に入る前に練習したと思うけど、日本語はほとんど一つの文字ごとに一つの母音がついていて、だから【ここ】は2拍で【こうこう】は4拍。日本人にとっては全然違うの。こうやって手を打ちながら言ってみて。ほら……


「こう、こう」(2拍)


・・・・・・あれ?
いや、だから「こう」「こう」じゃなくて「こ」「う」「こ」「う」これで4拍になる。もう一度、ハイ!

「こう、こう」

いや、だから4拍だってば。こ、う、こ、う。あ、ほら手が先に行っちゃった、1文字1拍でよろしく。いや、頭は振らなくてもいいから。そんなに力入れなくていいからね。うわー、顔真っ赤だよ。


・・・・・・。
これを何度も繰り返すと生徒さんが時々ぶちきれて「なんで日本語ってこんなにややこしいんですか~!」と文句を言い出す。そしたらこの反撃。「writeとlight、trackとtruck、それにarrogantとelegant、さらにはuglyとagreeだってみんな私にとっては同じ音です!」

「そ、それは全然違う音ですよ。」「カタカナにすると同じなんです。みんな苦しんでるの。お互い様!」これで大抵黙ります。(本当は威張っている場合ではない在米13年の私)


母語によって、「聞こえない」もしくは「聞こえにくい音」や、「取りにくいリズム」がある。これは本当にやっかいですね。ちなみに英語圏の人々(に限らないかもしれない)鼻濁音が極端に苦手なことが多いみたいです。違う音に聞こえる、というのじゃなくて完全に「聞こえない」。西日本へ行く生徒さんには必要がない音といえば言えるのかもしれないけど、やっぱりテレビやら公共放送やらでは鼻濁音聞き取れないと困りますから、最初は普通に鼻濁音使って話すようにしていますが。



「おばーさんのやつ、ボクボクボクボク…」←これが全部鼻濁音じゃなかったらうるさくてしょーがない気がする。




「抱っこしやったでち~」



最近仕事とバレエ以外何もしてないのでたまには仕事の話題にも触れてみました。




気づいたら春が来てるぞー。





最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (虹のパパ黒山羊)
2015-04-19 06:06:35
昔々 フランス人の先生(フランス語ね)に「フランス語難しい」と文句たれたら、『あら日本語だって数詞(?)はとても難しい。鉛筆が1本2本・車は1台2台・くじらとチョウチョは1頭2頭・お刺身は1舟2舟…』 「たしかに…」というご意見なんですが、いったお刺身を「1舟2舟」なんて誰が教えたんじゃ?と思いましたです。もう魚屋さんの店頭でお刺身におろしてくれる なんて販売方法が絶滅なので、”1舟”なんて言われても…パックのお皿じゃムード出ないよなぁ  と思いましたです。
返信する
Unknown (TAMA)
2015-04-19 06:24:36
☆虹のパパ黒山羊さん、

日本語の助数詞はたしかにかなりアレですが(タンスを一竿とか、最近はイカを1パイとさえ言わなくなってきている…淘汰かな?)英語も、a head of cabbage だの school of fishだのいろいろあるし、やっぱり言語なんてどこもそれなりに深いんですよね。

ただ、日本語は間口が広く、真面目に1年も勉強すれば、用が足りる程度には話せるようになるけれど、奥が深すぎて何十年日本に住もうともネイティブ並みになる人は一握りですよね。
返信する

コメントを投稿