合衆国の片隅で新館 2006~

5人と4頭プラスαと2羽と1匹とその他大勢だったアメリカ暮らしは2人と1頭と1匹になりました。

ハイスクールのミュージカル

2008-11-18 | コドモたちの学校
ハイスクールのミュージカルを見てきたのです。ブーがオーケストラの一員としてヴァイオリンを弾くというので、そのお付き合いのつもりでした。

ここのところ、映画[Highschool Musical]が流行ったりしてましたが、あんなのレベルは映画の中の話だと思ってました。


ところが!


びっくりですよ。こんな片田舎の都市のそのまた郊外の小さなハイスクールに、こんな才能がゴロゴロ埋もれているんですかい!?と目を剥いてしまうほどのレベル。もともとバレエの舞台でも、オーケストラの舞台でも、こちらの子たちの、荒削りながら恐ろしいほどのプロ意識と自信に満ちあふれたショービズ的世界には驚かされてばかりですが…。

主催はハイスクールのドラマデパートメント。「部活」とは違うけれど、まあ演劇部みたいなものです。近隣の小中学校からもオーディションで役者を募って、子役も使います。オーケストラの奏者は外部からも募集、そしてディレクターはセミプロです。

演目はこれ BYE BYE BIRDIE コメディって難しいと思うんですよねえ。それに演技っていうのは、やる気だけあればいいってもんじゃなく、観客にどう見えるか、どういう動きを観客がどう受け取るかを一つ一つ細かく計算しつつ見せることを訓練し続けないとできないものだと思うんですが、お見事!

それに何より歌のレベルが…マドンナかと思いましたよ。


日本人俳優がなかなかハリウッドデビューできないというワケもわかる気がします。こんなに層が厚いんだもの。コドモがこんな実力持ってるんだもの。

そういえば、ドラマを見ていても子役のレベルが違うなあとはいつも感じるんです。日本のドラマの中に出てくる子ども達っていつもただのアクセサリー的存在で、大人たちの会話の中で「あっちで遊んでおいで」と言われて「ハーイ」だの「はい、お土産だよ」「ワーイ、ドウモアリガトウ、パパ」だの、「どこの世界にそんな都合の良いコドモが存在するんだヨ!」と突っ込みたくなってしまうコドモばっかりだけど、こっちのドラマに出てくる子役の演技ってみんな大人顔負けです。日本だったらすぐ「天才子役」って騒がれそうな子がゴロゴロ。

バレエの舞台でもそうだけど、直前のリハーサルまでものすごい量の変更や改善事項があり、決して完成されたものを完璧にさらい直すタイプのリハーサルではありません。だから子ども達とはいえ、いつも柔軟に対応できるよう訓練されているし、何かが起きたときの臨機応変さが素晴らしい。オーケストラピットから見ていたブーは、リハーサルのたびに、本番のたびに(公演は木・金・土と計4回行われました)アドリブで改善されていくコメディに舌を巻いたようです。

はぁ~。何が違うんだろう。

少なくとも、芸術をはぐくむ土台の違いはひしひしと感じます。とにかく自分の才能をアピールできるチャンスが多い。うちの子ども達だって、ここで学校に通わなかったらきっとミュージカルの伴奏をする機会なんてなかったでしょう。幸せな巡り合わせだったと思います。感謝。



幕間の休憩時間。舞台の写真は撮っちゃいけないのかと思って遠慮していたら、本当はフラッシュ使わなければ写真もビデオもよかったんだそうで。ああ、失敗したなあ。


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6 コメント

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Unknown (シナモン)
2008-11-18 07:27:11
結構な中身なのに、ラフな格好で行けるようですし、良いですね。
先日、ディズニー・シーのクリスマス・ショーを観たのですけど、日本で名前も知られていないような歌手やダンサーでも、その内容の素晴らしいこと、オーディションを受けて採用されるのだそうですけど、ほんとうに層が厚いのだなと思いました。
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Unknown (たいゆう)
2008-11-18 13:03:18
自分をアピールできるチャンスが多いって、素晴しい事ですよね。そして、全員強制ではないって事も。
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Unknown (wbmom)
2008-11-20 15:26:54
うちの息子もミュージカルのピットを何度かやってる関係で私もハイスクールのシアターのミュージカル何度も見ました。本当に層が厚いですよね。歌はもちろん演技も玄人はだし!
カレッジのミュージックスクールの中にシアターが必ずあるのもうなずけます。
ちなみに今年のミスアメリカ(娘の友達)はTAMAさんの州の大学のミュージックスクールのシアターを専攻しています。本戦ではその美声を披露して栄冠を勝ち取りました。彼女の夢はブロードウェーだそうです。

こちらでハイスクールに通わせたことでいろんな経験をしている・・・本当にそうだと思います。私も今回息子のおかげですごくいい経験をしました。感謝感謝です。
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Unknown (TAMA)
2008-11-21 02:23:56
☆シナモンさん、
これだけの土台ができていれば層も厚くなりますよね。だって個人で習い事をしても才能があればそれをまた学校がどんどん引き出してくれるんだもの。日本で習い事をしてる子なんて、むしろ「習い事のことを学校に持ち込むな」という雰囲気だったのに。
それにしても褒めて育てることのすばらしさですよね。自信に満ちあふれたあの感じはやっぱり褒められて育っているからに他ならない、という感じです。でもだからこそ、時々とんでもない勘違いチャンがいたりもするんですが…
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Unknown (TAMA)
2008-11-21 02:25:06
☆たいゆうさん、
こちらの人たちは「全員強制」なんて世界がある、と言うこと自体想像もつかないんじゃないかと思いますよ。間違っても「個性を大切に」なんてスローガンもありません。これ以上個性を大切にされたら収拾つかないですもんね。
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Unknown (TAMA)
2008-11-21 02:29:03
☆wbmomさん、
普段地味なチャンバーグループか、大きなオーケストラの中で弾くことが多い娘なので、少人数の演奏をバンドのメンバーと一緒にというのも面白い経験になったようです。
ミスアメリカちゃん、そうだったんですか!実は彼女の新聞記事が大学に飾られているのを見たんですよ。バレエのデパートメントだったので、「バレエ出身の子がミス・アメリカを射止めた」ってことで紹介されているのかと思っていたんですが、あそこに入ったんですね。もしかしたら来年はブーも同じ学部生かも…!

本当にねえ。公立学校でこんな経験を積めるなんて想像もつかない幸運でした。テレビや映画で見るアメリカの学校の様子ではいまひとつピンと来ていなかったですが、こんなふうになっていたんですね。
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