合衆国の片隅で新館 2006~

5人と4頭プラスαと2羽と1匹とその他大勢だったアメリカ暮らしは2人と1頭と1匹になりました。

卒業式のあれこれ その1 アカデミック・ドレス

2009-05-31 | コドモたちの学校
アメリカの卒業式に出席するのは初めてでした。先日のプロムもそうだけど、百聞は一見に如かずという通り、想像以上に素晴らしいセレモニーでした。映画で見るのはほんの一部分だけど、通して見てみて、日本の卒業式とは、発想そのものが違うのだなあと実感。私もこんな卒業式がよかったなあ。

それにしても、知らなかった。ハイスクールの卒業式に、大陸中から一族が押し寄せ、総出で出席するものだったなんて。13年(アメリカの教育制度はK-12と言って、キンダーから12年生までの13年間)もの長い学生生活の締めくくりなので、人生の大きな節目ということなのですね。

あの四角い帽子とガウンにはいろいろな意味が込められていることも初めて知りました。生徒はもちろんですが、校長を始め、教職員全員がガウンを着用して式に臨みます。ちなみに、英語(米語かも?)でガウンというのは、丈の長いドレス、または上着のことで、寝間着の上に羽織るローブではありません。高校卒業生のガウンの飾りは、卒業のメダル。そのほか、NHS(National Honor Sciety)のメンバーは金色のコード、Honor Roll Studentは銀色のコード、そしてThespian Societyという演劇組織のメンバーは紫色のコードを首からかけています。

高校生のガウンの肩には何もかかっていず、黒いままですが、大学の学士(Bachelor's degree)、修士(Master's degree)、そして博士(Doctor's degree)はフードと呼ばれる帯のようなものをかけています。このフードの長さも、その学位によって厳密に区別されていて、学士のものは3フィート、修士のが3フィート半、そして博士のフードは4フィートです。更に、そのフードの色が、その人の専攻を表しているんです。
たとえば、農学は赤褐色、経済学は銅色、歯学はライラック色、ジャーナリズムはクリムゾン、音楽はピンク…といったように。

The colors associated with the different disciplines are as follows:

Agriculture.......................Maize
Arts, Letters, Humanities.........White
Commerce, Accountancy, Business...Drab
Dentistry.........................Lilac
Economics.........................Copper
Education.........................Light Blue
Engineering.......................Orange
Fine Arts, including Architecture.Brown
Forestry..........................Russet
Journalism........................Crimson
Law...............................Purple
Library Science...................Lemon
Mathematics.......................Golden Yellow
Music.............................Pink
Nursing...........................Apricot
Oratory (Speech)..................Silver Gray
Pharmacy..........................Olive Green
Philosophy........................Dark Blue
Physical Education................Sage Green
Public Administration.............Peacock Blue
Science...........................Golden Yellow
Social Work.......................Citron
Theology..........................Scarlet
Veterinary Science................Gray


あれ?数学と科学が両方ともゴールデン・イエローになってる?と思って調べてみたら(遅いっ!)wikiさんに詳しい説明がありました。色もわかりやすく出ています。自然科学も社会科学も、科学は全部同じカテゴリーなんですね。

帽子・ガウン・フードを合わせて「アカデミック・ドレス」wikiさんに日本語でも解説されていました。詳しくはそちらを読んでください。)と呼ぶそうですが、徹底した学問ヒエラルキーですね。日本のように大学名が重要というわけではなく、何を学んだか、が重視され、それが一生、ことあるごとに、こうしてついて回るのですね。うーん、かっこいいなぁ。やられっぱなし、って感じ。


四角い帽子から下がるtasselと呼ばれるリボン(これもスクールカラー)ですが、最初は顔の右側に垂らしているのを、式の後半に、Deploma(卒業証書)を受け取った後、全員一斉に顔の左側に向きを変えます。これが卒業の印、そしてお約束の、帽子を投げる瞬間が来るわけです。

今回、うちの学校の卒業式は、その直前、スクールカラーの紙吹雪がステージから噴出!という趣向でした。生徒達には(もちろん観客にも)嬉しいサプライズ。

そして、日本の卒業式との一番の違いは、やはり雰囲気でしょうね。厳粛でない、というわけではないんです。それなりに荘厳で、Respectfulなんですが、とにかく底抜けに明るい。今までがんばってきた高校生たちへの惜しみない賛辞が与えられる、全身でその成長をお祝いする、こどもたちも大きな喜びでそれに応える明るさ。




帽子が投げられた瞬間



先生・スタッフの方々のフード。壇上の3人はDr.の学位を持っているので長いのです。



この日、我が家の庭では、今年最初のユリが咲きました。


少ししか撮れなかった動画も含めて、次回、雰囲気をお伝えできるかな。


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25 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (kuri)
2009-06-01 04:47:53
ブーさん、本当におめでとうございました!
いや~、このエントリー待ってたでちよ。
案の定、他人事ながら読んだだけで泣けてきました。アメリカのセレモニーって本当によいですよね。日本の厳粛さも素晴らしいけれどなんというか、やはりアメリカでは誰が主役か、が明確だな~と。私も息子たちのセレモニーにいちいち感動ですがハイスクールの卒業式はまだです。きっと泣いちゃうんだろうな~。キャップを投げるシーンの写真見て、「生まれ変わるならアメリカのハイスクーラー」ってオバサン真剣に思いましたわ。
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Unknown (ゆうぽ)
2009-06-01 07:25:44
遅ればせながら、ブーちゃんご卒業おめでとうございます。
素晴らしい卒業式ですね。四角い帽子のタッセルの向きで卒業したかどうかがわかるなんて知りませんでした。面白い!
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Unknown (たいゆう)
2009-06-01 08:50:29
式場が明るいですね~日本はどうして、あんなに薄暗い式場で入学式や卒業式を仰々しくやるのでしょうか?

学校名ではなく何を学んだかの方が本当に重要ですよね。私は学生時代に何も学ばなかったので・・・・・。
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Unknown (のり)
2009-06-01 09:32:14
出遅れちゃいましたが、ブーちゃん卒業おめでとうございます☆
卒業式素晴らしかったみたいですね~♪ 動画楽しみにしています☆
アメリカに移住してから数年。文化の違いや言葉の壁を乗り越えての卒業本当におめでとうございます。(3人の中で一番年大きくなっていたので余計大変だったのでは?!何でも体験するのは一番だし・・・)

うふふ。↓3姉妹にしか見えませんよ~に1票♪
それにしてもウー君(タテに)大きくなりましたねぇ~ シミジミ
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Unknown (MIN)
2009-06-01 11:07:18
遅ればせながら、ブーちゃんご卒業おめでとうございます!!!
高校の卒業式って盛大にお祝いするのですねぇ。
こちらの地元紙でも、先週末に行われた高校の卒業式の記事が一面を飾っておりました。
帽子投げの写真も迫力ありますね!!
動画も楽しみにしております~
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Unknown (TAMA)
2009-06-01 11:17:28
☆kuriさん、
ありがとうございます。
そうなんですよね。日本の式の厳粛さも本来素晴らしいものなのでしょうが、少々「無理矢理厳粛」な感じがするのです。主役は誰なのか、何のための式なのか、ということを見失っているような気がします。
>>生まれ変わるならアメリカのハイスクーラー
私も思わず口からそう出そうになりましたが、娘達の苦労を知っているだけにうっかり言えませんでした(笑)。
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Unknown (TAMA)
2009-06-01 11:23:17
☆えくぼママさん、
私は帽子って外で投げるのかと思っていました。でも実はうちの校長、がちがちの規則オバサマで評判がよろしくない方なのですが、今年は危うく「帽子投げは禁止」にしそうなところだったらしいです。でも学生達がそれはあんまりだと抗議して、しぶしぶ許されたのだとか。
で、投げた帽子は「絶対に拾わないこと」(その場が混乱するので)という決まりでした。後から係の人が回収して、それぞれに返してくれたようです。
本来は自分で拾うのかもしれませんね。どこまでが慣習・伝統で、どこからが独自なのか外国人にはさっぱり…です。映画では大抵投げたシーンで終わっちゃいますもんね。
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Unknown (TAMA)
2009-06-01 11:26:11
☆ゆうぽさん、
ありがとうございます!
そうなんです。配られたプログラムは情報の宝庫で「ブログネタがいっぱい~♪」と嬉しくなっちゃいました。タッセルなんて単語も知らなかったし、その向きに意味があるなんて考えたこともありませんでした。あのマント(←大間違いでした)のことも勉強になりましたし。ああ、かっこいい~!
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Unknown (TAMA)
2009-06-01 11:31:48
☆たいゆうさん、
薄暗い?そうだっけ??としばし考えてから、思いだしました。そういえば黒いカーテンを引いていたかも!
「真面目」であることと「つまらなく」することはイコールではないんですけど、笑顔は求められないですよね、日本の卒業式では。日本の写真館で写真を撮った時も「真面目なお顔をしてください」と言われ続け、「写真=スマイル」とすり込まれている子どもたちは苦労していました。

こちらの教育だと、学校で学ぶことと実生活で役立つことが密接に結びついていることが多いので、私の疑問は端から子どもたちがアカデミックに答えてくれます。学んでますねえ。
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Unknown (TAMA)
2009-06-01 11:34:34
☆のりさん、
ありがとうございます!
そうですよね。ブーは本当に苦労したと思います。親にもずいぶん振り回されたし…今からほんの数ヶ月前、突然「やっと最近、英語が少しわかってきたと思う」と言いだしました。長いこと、本当に辛い思いをさせてしまいました。
でも、こんなステキな卒業式やパーティを楽しめたのだから許してもらおう。。。妹に(爆)。
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