女性・高齢者の就業状況 ~ 「大都市圏の保育機能」と「地方圏の祖父母機能」

2013-11-22 22:24:03 | 日記
総務省が今日発表した「女性・高齢者の就業状況」からは様々なことを読み取ることができる。『15~64歳人口(生産年齢人口)の就業状況』、『女性の就業状況』、『高齢者の就業状況』に大別されている。

特に興味深いのは、『女性の就業状況』のうち『都道府県別育児をしている女性(25~44歳)の有業率』で、下の資料の通り。未就学児(小学校入学前の幼児)を対象とした育児をしている25~44歳の女性の有業率を都道府県別にみると、島根県(74.8%)、山形県(72.5%)、福井県(72.1%)、鳥取県(71.8%)、富山県(68.3%)などの順となっている。

先のブログ記事別の寄稿で掲載した「全国待機児童マップ(都道府県別)」と対比すると、育児女性有業率と待機児童数は明らかに負の相関関係があることがわかる。「3世代同居は、祖父母の助けを得られるから女性が出産後に仕事を続けられる、共働き子育てがしやすくなる」との通説もあるようだが、その善し悪しは人それぞれだとしても、地方圏の方が祖父母の支援を受けやすい環境にあることは感覚的には理解できるところだ。

そう考えると、大都市圏の保育機能は地方圏における祖父母機能である。大都市圏での保育機能強化のために、祖父母世代から若年親世代への所得移転が今以上にあるべきだ。これは、自然に任せておいてもなかなか進まないので、制度化するしかない。それを数字で示すと、現在も将来見通しでもGDPの1%程度しかない。こうした社会保障財政の不均衡を是正するのも、社会保障制度改革の柱であるべきだ。



<資料>

(出所:厚生労働省資料