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筆頭補佐官に就任したMaria Elena Boschiとは

2016-12-14 18:37:29 | 政治
今回Gentiloni政権で筆頭補佐官に就任したMaria Elena Boschi。新聞でよく現れるので少し調べることにした。
なお、下記の情報は主にItalia Wikipediaによる。



Maria Elena Boschi 1981年1月24日、トスカナーナ州アレッツォ県モンテヴァルキMontevarchi生まれ。Laterina(隣町)育ち。現在35歳。Renzi政権では憲法改正および国会調整担当大臣を担当(2014/2/22から2016/12/12まで)。実家は16世紀から続くぶどう栽培・ワイン醸造業を営む農家。早くからアレッツォ県、トスカーナ州で行政官や銀行経営委員などを歴任してきたようだ。
政治にかかわるようになったのは2000年Firenze市長を支援する中道左派の主要メンバーとして。その後FirenzeのPdの市民委員会のメンバーとなり、Renzi市長のもとで働く。2013年の下院選挙で当選。2013年12月9日の選挙でRenziが党首になると、Pd内の憲法改正担当になり、2014年2月21日にLetta政権のあと、Renziが政権につき、憲法改正および国会調整担当大臣に就任していた。

なお、Italia Wikipedia では彼女の3つのスキャンダルを伝えている。
Lo scandalo di Banca Etruria : エトゥルリア銀行のスキャンダル。Renzi政権では銀行の負債問題の解決に取り組んでいたが(日本の新聞ではMontepaschi銀行の負債問題がよく取り上げられているが)、エトゥルリア銀行もそのひとつ。この銀行の副頭取がMariaの父であったり、兄がコスト管理担当の幹部であったことから、銀行救済に関する疑惑が持ち上がったようだ。
Lo scandalo petrolio in Basilicata : バジリカータ州のオイルスキャンダル
Le polemiche per le affermazioni "Lascio la politica con la vittoria del NO al Referendum" : 国民投票を前にしたこの5月のTVインタビューで、国民投票が否決された場合には、政治家をやめると言っていたもかかわらず、政治家をやめないどころか、Gentiloni新政権で主要な地位に就いたことに対して一部批判があるようだ。

Gentiloni政府が発足

2016-12-14 01:00:43 | 政治
Corriere della sera 2016/12/12より



Nasce il governo Gentiloni:
18 ministri, 6 le donne
Alfano agli Esteri, Minniti all’Interno
Gentiloni率いる新内閣が発足。18人の大臣で構成され、内6人(5人の間違い?)が女性の布陣となった。

共和制になって、第64代目の政府が正式に発足した。内閣のメンバーが発表され、大統領に就任の誓約書が渡された。新首相であるGentiloniは、Renzi前首相とは異なり、首相府であるPalazzo Chigiには住まず、ローマ中心街にある自宅に住み続ける予定。13日の朝11時に下院で第1回の信任投票が行われ、翌14日中に上院で信任投票が行われる予定。ただし、いずれにせよ、就任誓約書は有効であり、すでに政府は発足した。

政府のメンバーは以下のとおり。ただし大半がRenzi政権のメンバーだ。
Peir Carlo Padan: 経済大臣
Andrea Orlando :司法大臣
Roberto Pinotti: 防衛大臣
Carlo Calenda: 経済開発大臣
Maurizio Martina : 農業大臣
Gianluca Galletti : 環境大臣
Graziano Delrio : 交通大臣
Beatrice Lorezin : 保健大臣
Enrico Costa : 自治大臣
Dario Franceschini : 文化大臣
Marianna Madia : 行政改革大臣
Giuliano Poletti : 労働大臣
Angelino Alafano : 外務大臣(前内務相)
Marco Minniti : 内務大臣
Valeria Fedeli : 教育大臣
Anna Finocchiaro : 国会調整相大臣
Luca Lotti : スポーツ担当大臣
Claudio De Vincenti : 地域連携および南部担当大臣
Maria Elena Boschi : 主席補佐官
Scelta Civica(Sc)党のStefania Gianniniは大臣職を解かれ上院の副代表に就任。これはSc事務局長のEnrico Zanetti(前経済副大臣)がGentiloni政権をRenzi政権のコピーでしかないと辛らつに非難し、信任しないと発言していたことが原因と思われる。
Ala-Scの反対はあったものの、Gentiloni政権は全会一致で承認された。しかし、Ala-Scを率いるDenis Verdiniが過去議会で票が割れたときにPd(民主党)を助けてきたことも事実であり、今後はそれが期待できないことになる。そうした意味で、今後のGentiloniの政権運営は決して楽なものではないだろう。