『2017年4月×日。さくら草公園へ。この日は低気圧で、こんちゃんはどんよりしていて、ゆっくりのったり歩いていたけど、フムフムは楽しそうだった。ハナに花びらつけていた』(犬日誌より)
ある日の犬日誌の走り書き。
昨年はブログが滞りがちだった。こういうものは自然と筆(指)が動くまで書けないタチなのだが、どういうわけだか昨年は、その指が動かなかった。
こんちゃんの変化と対応にいっぱいいっぱいだったというのもあるけれど、心がおいついていなかったのだろう。
ころすけという子犬が来て、毎日せわしないのは今も同じだが、子犬の大変さと老犬の大変さはまったく違う。
どっちが大変とかではないが、子犬(特にうちのあほあほマンは何をしでかすかわかったもんじゃないので)は目が離せないけれど、老犬は、何をしていても心が離れない。常にこころを占めていて、ほかのことは考えられない。
なんとなく、そういう時期だった。(おハナ、ついてますぞ)
日誌を読み返すと、この頃はもう、はいどうぞ、とごはんを出しても自分からは食べなくて、放っておくといつまでも食べなくなっていた。(まだついておる)
だから、もう、赤ちゃんよろしく、スプーンでごはんを口元まで運んで食べてもらうというスタンスになって(ひとくち食べると遊びにいってしまうので一度の食事の時間が30分以上かかるなど)相当長くなっていたのだが、ある日突然セルフサービスで食べたりして、驚いたり。なんだったんだ、いままでは、というような。(まだついてますぞー)
もしかしてこれは成長なのか?いずれまた介助なしで食事できるようになるのか?なんてドキドキしたり。(見切れてるけどまだついてるんだからな)
体調が、気圧や月の満ち欠けに関係しているようだな、というのもこの頃からはっきりわかるようになって、日誌にはその日の気圧やら、満月だの新月だのという書き込みが見られるようになった。
4月のはじめごろ、姪っ子(こんちゃんの天敵)の入学祝いで千葉県に一緒に行っている。
この家はねこ5匹とこども3人がいる家で、オレコにとっても、こんちゃんにとっても、居心地のいいところではないはずなのであるが。
ねこに囲まれて、犬たちがどんな顔をしていたのか、今はまったく思い出せない。
『ひだまりの公園。オレコ、姪とかけまわる。こん、楽しげにふむリングする。ふたりともにこにこ、姪、インコが一番好きという(それまではこんちゃんが一番好きと言っていたのだった)』(犬日誌より)
断片的に思い出すのは、ふたりにとっては初めてのところで、お散歩犬がたくさん来る場所だったので、魅力的なおてがみがたくさんあったのではないか。オレコはニコニコ大興奮。公園をぐるぐる走り回っていた。
こんちゃんも、元気よく小走りになりつつ、あちこちのしげみで立ち止まっては、ふむふむ、にこにこ、また小走りを繰り返していた。
ちなみにこれらの写真は旧浦和市にある、さくら草公園でのお花見の様子で、こんちゃんの奥に見える紫ピンクのそれは、日本さくら草である。
『おつめ、モフ毛(足裏の)カット、こん吠える(泣き叫び)』(前日の手帳より)
『こんは暑がったので着る毛布(散歩の)途中でぬぐ。ごはんはもりもり(腹八分目)食べて足りないという。なかなか寝ようとしない。玄関へ行ったり、ゲージの中でフーンフーンとうなったり、低気圧のせいとか?』(前日の犬日誌より)
『こん、足がもつれている感じ(しびれ?)オレコ、車でお父さんに「楽しかった!!」という。笑顔』(当日の犬日誌より)
楽しいことのあとにはつまんないことが待っている・・・。お花見の次の日は、通院デーであった。
こんちゃんは8種混合、オレコは狂犬病のワクチン。いつもの検査に加えてこんちゃん、初めての肛門しぼり。
『(診察後は)ふたりともぐったりぐっすり。こん、しぼり時、シャウト、うん子もらす。診察台からダイブ』(犬日誌より)
『こん診察台でジャンプ。こん、こうもんしぼりで絶叫、うん子もらす』(手帳より)
よほど印象的だったのだろう。手帳にも日誌にも同じことが書いてある。
この日は検査結果が思わしくなく、薬が増えて、ああでもないこうでもないと、日誌のメモが増えている。
『ふたりともよく寝ていた。こん、ごはんよく食べた。オレコ「ちょっと少ないんじゃない?」って顔。こんはどついて来た。(台所で用事をしている時。ふたりとも食欲あり、安心。ワクチン(副作用)大丈夫そう』(犬日誌より)
数日後のメモに、浅田真央ちゃん引退会見と書いてあった。
記者たちに背中を見せ、涙をこぼしていたのが印象的だった。