犬がおるので。

老犬から子犬まで。犬の面倒をみる暮らし。

「どうぶつ一時預かりボランティア」私の場合、きっかけはこれだった。

2011年10月25日 | おせわがかり日誌



実は。

前々から興味はあったのだけれど、

仕事が忙しく、昼も夜もなく働いていたので、

自分には無理と思っていた。

結婚前、哺乳瓶から育てた猫たちは、

母にゆだねた。

夫となる人が猫アレルギーだったからだ。

むこうはそう思ってないかもしれないが、

わが子同様の猫たちをおいてきて、

どこか罪悪感があったのかも。

新生活では、意思疎通のできる動物と暮らすのを、

どこかであきらめていた。

でもあれから10年。

いろんなことがあった。

特に今年。

3月11日の大地震。

そして福島原発。

なんていうか根底から、

生き方そのものを変えるような大きな力が、

私に作用した。

「もういいんじゃないか」

封印された動物との暮らし。

いいんじゃないか。



Rencontrer Mignon
~オレコをつれてきてくれたミグノンさん~
被災地動物レスキュー活動とシェルターでの動物たち



これまで一緒に暮らした動物たちは、

すべて宿ナシだった。

もとは宿があった子も、

なんらかの理由で宿なしになった。

そんな子たちと暮らしてきた。

「宿のある子や母のある子には手を出さない」

逆をいうと、そのふたつがない子には、

手を差し伸べる、ということだ。

それが私のモットーだった。

出会ってしまったら仕方ない。

受け入れよう。

自分が無理なくできる範囲で。

自分がだめならほかの人に頼めないか。

そんなふうに生きてきた。

結婚してから意識的に、その出会いから遠ざかっていた気がする。

日々の雑事にとらわれて。

疲れにのみこまれて。

でもなんでだろ。

むくむくと、起き上がったこの気持ち。

生きている間しか、元気な間にしかできないことがある。

やりたいことがある。

多分このことからずっと、私は逃げてきたんじゃないか。

そんなこんなで、動物の一時預かりをすることに決めたのだった。

ペットショップから動物を購入するという行為には、

どうも納得がいかないので、やはり宿なしさんがいい。

そういうわけで、

福島の二匹の猫の仮親ブログにあったミグノンさんに連絡し、

仮親登録をしたのだった。

家族が猫アレルギーだから犬をお願いすることにした。

登録からまもなくメールがきて、

「ちょうど保護されたばかりの和犬ミックスの女の子がいてすぐ避妊手術をするので預かってほしいけどどう?」

と、1匹のわんこを紹介された。




(この段階ではまだどんな子か未知の世界だがこんな子だったんである)


ちょっとルール違反だったけど、メールの意味がよく読み込めてなくて、

いろんな事情が心配で、電話をかけてから、あわてて会いに行った。

雨が降っていて、寒くて、でもとりもなおさず(本当にとりもなおさず)、

体ひとつで飛んでいった。

夕方になるのに食事もまだだった。

熱が出ていて寝ていたのだ。

化粧もせずに飛んでったのだ。

ちょっとわかりにくかったけれど、

ミグノンさんは意外にすんなり見つかった。

方向音痴の私にとってはめずらしい。

想像とはずいぶん違った感じだったけれど、

カフェがあって、美容室があって、

動物たちのいるところが明るかった。

そちらに入ってこんにちはと何度か声をかけたけど、

答えるのは興奮気味の動物たちだけ。

人はいない。

その日はちょうど譲渡会といって、預かりさんたちが、

里親となってくれる人たちと懇談する大切な会だった。

終わったばかりで動物たちは普段とテンションが違う。

あの子かな、この子かな、なんて目が泳いだ。

でも、一瞬で、あ、あの子だ。

とわかる子がいた。

あっちがじっと私を見ていたからだ。

何かいってるような感じ。

まだことばはわからないけどね。

結局、隣のカフェに入ったら、

会が終わってやっと昼食をとってる人たちがいて、

声をかけたら、メールをくださった代表の友森さんのようだった。

秋田県の雑種を買った経験はあるけど、

野良出身(だと思う)の避妊手術後の中型犬をお世話するのは初めてで、

しかも数日後からのお預かりって、どうしたらいいんだろう。

心配だった。

だけどその心配ぶりが尋常じゃなかったのかも。

友森さんから「別のボランティアさんもいるから心配しないで」といわれ、

「はーそうですかー」

と、なんだか肩の力が抜ける感じで、多分生まれてはじめていった、方南町をあとにした。

「やっぱり動物と一緒に暮らす力が萎えたのかなー」

そんな気持ちがどこかにあった。

(インターミッション)

・・・ところが。

明日から、仮親生活がはじまるんである。

いろんな事情が、ああなって、こうなって、

ミグノンさんからはじめて宿なしの子を託されることに。

その子は和犬ミックス1さい女の子。

名を「オレコちゃん」という。



(右の彼女)


犬を飼うのはなんと26年ぶりではないか。

・・・ひとつ、大事なことがあった。

この段階にきて、私はまだ、

家族に相談していなかった。

わが子である猫たちと暮らす母にはチラリと打ち明けながら、

この一大事を、ことが決まってもなお、一番近い人には言えずにいたのだ。

「無理だよ」

といわれるのだろうなと思っていた。

けれど。

自分の心は決まっていた。

どんな反応でも押し通す。

実はそう思っていたからだ。

ところが。

反対されるかなと思ったが、家族は大賛成だった。

「そうしたいと思っていたけど今の生活じゃ無理だと思った」

なんだそうだったのか。

じゃ、話は決まり。

とはいえ。

とはいえ。

わんこマイスターの夫がいるとはいえ、

(夫は物心ついた頃からずっとわんこと実のきょうだいのように育った人間である)

昼夜休みなく働く彼に頼れるのはほんの一部分。

すなわちおいしいところだけ。

おしもの世話なり、なんなり、厳しいところは私担当だ。

特に大変そうなのは、散歩。

これから冬到来だけど、大丈夫か?自分。

あたたかい布団から1時間早く出られるか?

まあ、でも、夏が苦手だから、冬のほうがありがたい。

それにまだかろうじて秋だ。

なんとかなるだろう。

それにしても、ただ、いいなあ、と思って、

「好きな福島」に関係することだったから、

ちょっと気になって読み進めていたブログから、

人生がとんでもなく変わったもんだ。

でもこの変わり方がなんていうか希望だ。

これからが本当の人生なんじゃないのかと思うくらいに。

そんな具合にはじまりはじまり。

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