「おれこ、おとうさんに、めーるできるのよ」
オレコと散歩していると、
いろんな人と触れ合う機会がある。
オレコがまだちょっと子供で、
犬猫に対して非常に友好的なため、
ひんひん、くうくう、きゅーんきゅーんといいながら、
近寄ってしまうこともあるが、
あちらからよってきて、
声をかけてくれることも多い。
そんなとき必ず、
「なにけん(何犬)ですか?」
と聞かれる。
「はやくかえってきて、ぼうろちょうだいね、っておねがいするの」
こんなとき、親がどうだったかとか、
子犬時代のオレコを知らない私にとって、
なんと答えてよいかわからないので、
「実は一時預かりボランティアをやってまして、
でも里親になろうと思っております」
なんて、自己紹介することになる。
「したがってこの子は何犬なのか、わからないんでごんす」
「ああでもシバっぽいような」
「ミックスさんぽいですよね」
なんてことをよく言われる。
「おれこ、たぶん、いぬじゃないとおもうのよ」
夫がオレコの散歩から帰ってきて、
エレベーターで子供づれの家族と一緒だったそうなのだが、
そのとき、女の子が、
「あ、わんちゃん」
と声をかけてきて、やはり「なにけんか?」の話題になり、
わからないのだと答えると、
「らぶちゃんみたーい」
と、その娘っこさんが言ったそうである。
「おれこ、もうどうけんには、なれないとおもうの」
そういえば、ラブラドールにも、似てるのよね。
シバ犬のミックスかといわれるけれど、
毛並みや耳など複数の点で、シバ系ではないことは、
なんとなくわかっている。
毛並みや色合いその質感は、限りなくラブラドールに近い。
だが、サイズはシバタイプ。
腰からおしりのあたりの線も、ラブっぽい。
しかし、いくつかの点で、ラブではない。
「おれこ、たぶん、しんしゅだとおもうの」
背中のくぼみのタテガミの雰囲気や、耳のでかさ、
たれてないほうの向きなどは、コーギーぽい。
うん、そういえば、おしりはラブのようでもあり、コーギーのようでもある。
「おれこ、たぶん、しんしゅ・・・」
でも、そこまで説明するのはちょっとしんどいので、
これからは「豆ラブです」と答えることにするそうだ。
夫がそう決めた。それもアリかな。
「おれこ、おいなりさん、たべてみたいわあ」
そういえばおれこの尻尾。
先だけ、ちょっと白いんだけど、
もしかしたらキツネって線も、あるかもな。