犬がおるので。

老犬から子犬まで。犬の面倒をみる暮らし。

2018.5.30 18:04 👼

2018年05月31日 | おせわがかり日誌

5月30日の夕方、こんちゃん、旅立ちました。

春過ぎてからは、めきめきと痴呆、ヨボ化がすすみ、いつその時がきてもおかしくありませんでした。

本人もそれがわかっていたのか、最後の数日は、何かへの抵抗なんだろうか、ジタバタしていました。



その日も前日と同じに、夜通し落ち着かないでいて、フルタイムの仕事に、48時間寝ずの介護でくたくたになっていました。

おまけに前夜、仕事から帰ると、サークルとヨガマットが老犬がまみれにまみれ、絶句、2時間かけて清掃し、汚れた箇所だけシャンプーし、精神的にもギリギリでした。

そんなこんなで疲れきっていたし、なんかしら予感もあって、お仕事はお休みをもらうことにしたのが、幸いでした。




昨日から後ろ足がおぼつかず、体を起こすのが難しくなってから、鳴き通し。

朝には体が震え、麻痺したように四肢が立たなくなり、ゴンさんのお下がりの介護ハーネスで散歩していました。




天気、よくなかったけれど、なんとなく、彼の好きなコースを抱っこしてまわり、お気に入りのポイントでは下ろしてふむふむを満喫、

久しぶりにガールフレンドのおうちにも行って、たまたまその日は車が出ていたので、彼女のおうちが丸見え、

中で眠っている○○ちゃんに声をかけたら、こちらを向いてくれたので、こんちゃんに見せるようにして、手を振りました。

こんちゃん、喜んでいたと思います。

表情は乏しくなっているのですが、そのときは、笑ったような気がしました。




それから家に戻って、ゆうべは少しご飯を食べたけど、もう食べたくないんじゃないかと感じていたので、

いぶしくんにもらった液状レバーのごはんを少しだけ食べて、

これまたいぶしくんにもらったサークルで眠らせようとしたけれど、前日から自分では体を起こせなくなっていたので、

何かあると(いやなくても)吠えて呼びつけ、それならもう、と、一緒にいることにしました。

ここのところ昼夜なく吠え続け、声もかすれていました。何より体力が奪われるのが心配でした。


(話はそれますが、今回のブログでは、いぶしくんのお下がりのサークルのことや、ゴンさんのお下がりのハーネスのことを書こうと思っていました。それはまた別の日に。)




リビングにいる間はソファで隣に座り、ちょっと疲れたので横になろうといって、多分初めて一緒にベッドで寝ました。

そのときにはもう、ぶるぶる震え、息が荒くなっていました。

ああ、もう、最期なんだな、じゃあ一緒にねんねしようか、こんちゃん。

大量のよだれが出ていたので、顔の下とおむつの下にペットシーツをあてて、抱っこして眠りました。

時々何か言うので、頭をなでて、しばらくごろごろしていました。眠りはしなかったけれど、こんちゃんとのまどろみ、幸せな時間でした。

またよだれが大量に出て、お水を飲ませようと起き出して、抱っこしたら、ぷりぷり(geri)が始まりました。

お水はちょっとだけ飲んでいやいやし、抱きかかえて、なでたりさすったり、声をかけていました。

カウントダウンが始まったんだ、と思い、こまめに、様子を語りながら動画を撮影して、おとうさんに送りました。

2時間くらい、そうしていたんでしょうか。

いよいよだな、と感じるものがあり、リビングにいるオレコを呼び、説明し、お別れをさせました。

(そのあとオレコは、こんちゃんの部屋に入ろうとしませんでした)

ぐーっと力が入ったなと思うと、なにがしか小さく叫び、静かになりました。

とってもかわいい顔でした。



正直、ずっといいお母さんだったわけじゃありません。

ここのところは、睡眠時間を削られ、暴れ吠えるこんちゃんにもう限界で、疲れ切っていました。

泣き叫んだり、暴れたりを繰り返されると、もう、最期が近いとわかっているのに、

体力や気持ちの余裕がなくて、おそろしい考えや負の感情がループしたりして、鬼でした。

思い出すのもつらいくらい、嫌な嫌な自分でした。

そういうのもひっくるめて、全部持って行ってくれたような、見事な去りっぷりでした。




それとね、最期は笑ったんです。

それがこんちゃんの答えだったんじゃないかと勝手に思っています。

これは私と家族だけの、こんちゃんの最期の思い出にしようと思ってます。

それはそれは、とってもかわいい笑顔でした。

その顔のまま、眠りました。




いつも死んだふりをしていたから、まずおなかを確認したのだけど、もう動きませんでした。

動くような気がしてしまうけど、それからもう二度と、動きませんでした。

あーあ。本当に死んじゃったんだ。泣きました。大声あげて泣きました。




本当はずっと、朝起きたら眠るように、ちょっと目を離したらすやすやと、とか、

そういうのんきな最期を期待していたのだけど、そうはなりませんでした。



部分シャンプーがよくなかったのかもしれないし、あれもこれもよくなかったんじゃないかと、

思い返せばそんなことはたくさんありますが、逆に考えると、よく生き返ったね、ということもたくさんありました。

あんな大変だったのに、よく今生きてるよね、ということが、たくさん。



もしかしたら、あのくらいになると、自分の去り際をコントロールできるのかもな、と思っています。



ああ、この生活から解放されたら、お風呂にゆっくり入りたい、たくさん眠りたい、

なんだかんだ7歳になったんで、オレコをあちこち連れて行ってあげたい。

そんな願いを聞き届けてくれたのかどうか、わかりませんが、彼は去りました。



去られてみると、シャワーの時に水をとめて耳を澄ましたり、洗い物の時に水をとめて耳を澄ましたり、

吠えてるんじゃないか、暴れているんじゃないか、習慣的に、彼の気配を感じ取ろうとしている自分がいます。

2ヶ月分は残っているこんちゃんの薬を眺めて、もういらないんだなー、とぼんやり思うのがさびしかったり。

あげるつもりだったおやつや、フード、傷に塗ってたシアバタークリーム、何かと便利な養生テープ、

買ったばかりのニトリのバスマット(サークルの暴れ用クッションとして使っていた)、そんなものが不意打ちに目に入っては、泣かせます。

お散歩が一度ですむこと、オレコはまったく手がかからないこと、小さなことが、響きます。




今の望みは、そばにいて、なでたり、いいこいいこしたり「なあに?」というときの、あのかわいい声を聴きたい。

暴れ出す前の、あの機嫌の悪い息づかいでもいいから。彼が生きてるのを感じたい。

彼の死は、私に、介護生活からの解放を与えてくれるのかと思っていたけれど、そうではなかった。

いや肉体的には、介護生活から解放されたよろこびを感じて、たっぷり寝ましたけども。

まだまだ一緒にいたかった。隣にいたかった。喜ぶ姿を見ていたかった。ずっと一緒にいたかった。
 


当日の夜はちょっと体調が悪くなったけど、はやめに休んだら元気になりました。

おとといからなんだか食べられなくて、でもおなかはすいているし、サプリを飲みたいし、と、

目に入った「焦がしキャラメルナッツ アーモンド」(いぶしくんのお母さんにもらったのでいつかとっておきのときに食べようと思っていたやつ)。

一口食べると、とまらないとまらない。手紙にもそう書いてあったけど、やさしく、おいしく、止まらないおいしさでした。

5-6粒入りのを3袋も食べていると「鼻血が出るよ」とあきれられました。そだねー。





朝起きて、オレコの散歩がてら、近所の神社にお礼に行きました。

いつものように、5円玉4人分のお賽銭。

普段は嫌がるオレコも、すんなりついてきてくれて、無事、報告することができました。

この神社の神様には、何度も何度も助けてもらったし、こんちゃんと何度も来たところだし。

すっきりしました。親として、やることはやったぞ、まずはひとつ。

あといくつか、まだ仕事が残っているから、しっかりやりとげよう、心に決めました。




それから通勤時、こんちゃんを見つけた公園の側道を通ったときのことです。

「こんちゃん、いまごろ、このあたりに来てるかもね」

「もうじいちゃんところに行ったよ」

「じいちゃんって?」

「わかんないけど、じいちゃんと、ばあちゃんと。こんちゃんを飼ってた人たちのとこ」

頭の中で、誰ともしれないじいちゃんとばあちゃんのところに、にこにこかけっていくこんちゃんの姿が浮かび、モヤモヤ。

「えー。なんかそれ、くやしいな、焼いちゃう、それ」

といいながら、行き過ぎました。




あれだけ、生きているときから、死んだら誰にでも会える、好きな人のところへいける、どこへでもいける、と言い聞かせておいて、

そうなるといいね、と願っておいて、実際、知らない誰かのもとへこんちゃんがかけていく姿を想像しただけで、なにー私じゃなくてそっちー???と焼き餅をやいておりました。

でもまあ、いいや。会いたかったんだもんね。会えたかな。会えていたらいいな。






桜もみたし、



温泉も、



雪遊びもしたし、



山にも、



川にも、



海にも行きました。




楽しかったよね、こんちゃん。




そして、気がつくと、交流戦では、ひいきのチームが2連敗(まあそうだろうなーとは思いつつ)。

今日または明日(菊池雄星(←好き)とのたたかい)勝ってくれたら、こんちゃんのおかげだと思います。

こんちゃんが好きで、同じチームの好きな方は、ちょっと空見て、声かけてあげてください。




けどね、負けたときは、こんちゃんのせいではありません、敵が強かったのです。

次またいつか勝ちますので、そのときを待ちましょう。




そうだ。こんちゃんに言いたいことがあった。

テイエムオペラオーに会ってきて、こんちゃん。

会いに行くつもりだったんだけど、間に合わなかった。

おかあさんが大好きでした、と伝えてちょうだい。

それから、仲良くしてもらうんだよ。

彼は気のいいやつだから、きっと仲良くできるから。

さびしいときは、一緒にねんねしてもらいな。

馬は優しいから、きっと一緒に寝てくれるよ。