タイヨウのうた 第1話

XP(色素性乾皮症）の薫は紫外線が強敵。

紫外線チェッカーが0.13を示していたがそれがやっとぎりぎりの生活圏のようです。

生後まもなくアトピーの様相で診断を受けたのがその過酷な運命のスタート。

皮膚に紫外線が当たると水泡やもろもろの症状がおき、いずれは脳にも影響が

あるといいます。現在19歳。

夜と昼を逆転した生活のなかで自らの夢を実現させようと努力してもいます。

孝治風に言うならストリートミュージシャン。

本人は幾度もオーディションを受けながら落選しているようです。

先日の落選通知には「本気で誰かを好きになったことがありますか？」

自分には普通の恋は無理と思う薫。

必ず夢をと思いながら、落選通知には凹んでしまい、逃げたくなるこの頃。

「もうやめようかな」と愚痴った相手は主治医。

しかし、病気を理由に逃げるのはよくないな・・と見透かされています。

 

一方、孝治はフリーター。過去にミュージシャンを志したことがあるようです。

ピアノを弾く女性とギターを弾く孝治がフラッシュします。

ギターにはAの文字が。

ある雨の夜、乱闘がありその映像が現在の孝治を苦しめているのは確実です。

昔、薫が入院していた病院の窓から見えた、孝治はギターを捨てていました。

大事そうにいとおしそうに名残惜しいように、そっと置いていったギター。

この日から、Aのイニシャルを持つギターは薫のものになったのです。

いつか孝治を見つけたらギターのことを聞いてみようと思いながら過ぎた薫の日々。

孝治は音楽を捨てた様に自堕落な生活をしてきたようです。

それが美咲の海辺の撮影から廻りめぐって出会うことができました。

偶然出会ったときはギターを捨てられたことだってあったのに、今日の孝治は

ちょっとは素直に話にのってくれます。

しかし、荒廃したその精神は未だ癒えようもなく、早く二十歳になりたい。

人生たかがしれてるし、頑張るのってバカらしいし、明日死んだっていいし。

20歳までに命があるかわからない薫にはそれは酷く聞こえます。

なんて贅沢なんでしょう。

じゃあ、今死ねば、ちょうど海もあるし、見ててあげるよ。

薫の一撃に孝治はいらつきます。

自分だって、中途半端じゃないか。

頑張って夢追いかけてる振りしてるだけだろ？

CDだって売れたことあんのかよ。

　　　　ないけど。でも私は本気で歌いたいと思っている。　　　

　　　　誰かたった一人の心の中だけでいい。

　　　　届いて忘れられないような曲を作りたいって思っているの。

それならどうして他人のコピーなんか歌ってるんだ。鋭い指摘に一言もない。

何もいえない薫は、あなたになにがわかるの？と帰ってしまいます。

TVの向こうからは麻美の歌が流れ自分だけの作りたいと、

だから待って欲しいと流れてきました。

じっと考える薫。

自分だけができること。

いつもの広場にでかけ、「落選した曲だけどオリジナルを歌います・・。」

　　　　あなたとずっとずっと　手をつないでいたい

　　　　そして明日へ続くその道を　歩いていこう

孝治はバイトを断られた帰り道、スクーターに寄りかかり聞いていました。

ふと気付くと薫に絡む二人組。

孝治は過去の雨の乱闘を思い出し、いきなり薫を助けています。

ギターケース、急げ・・。

ヘルメットを渡されスクーターに飛び乗ります。

二人の出会いから、夢を掴むまでのストーリー。

その頃、両親は薫の脳の萎縮を宣言されていました。

　　

　　　　　タイヨウはずっとイジワルだと思ってた。

　　　　　私から昼を奪って、夜空の月からその姿を削って・・・

　　　　　でもタイヨウはちゃんと照らしてくれてるんだ。

　　　　　たった一つの、本当に大切な光にめぐりあうための

　　　　　最後の最後の道しるべを

*****************************
沢尻エリカさん、再び難病の役なんですね。

太陽をあびたら命に関わるなんてきつい病気です。

重装備したカットが映りましたがあれを着て学校に通っていたのでしょうか？

大変だったでしょうに・・・。

音楽の夢はあるものの、オーディションには落ち続け、人のコピーだといわれて

凹んでしまった薫は、医師の前で「もうやめようか」と言ってしまいました。

弱音ならいくら言ってもいいが、病気のせいで逃げるのはダメだと見透かされて

います。

「誰かを本気で好きになったことがあるか」と書いてあった落選通知でしたが。

これを見て、そして孝治とであって奮起できるでしょうか。

警官役の佐藤二朗さんが、薫にポケモン、顔でかいといわれ凹んでいたのが

やけに笑えました。薫は紫外線を浴びられないので夜昼逆の生活になるということ

がこの人は知らないのですね。何かと補導するとか言うのが気になります。

薫本人は、まっすぐな情熱があっても夜に徘徊する一般の若者と同じように

受け止められているのと、またそういう人たちから守らねばならないと考えている

のかそのへんがはっきりしません。

山田孝之はもろ百夜行そのものです。

何も変わってないわよ（笑）

あの時は太陽の下で手をつなぎたいと言っていたのに、叶わなかった。

今回も絶対に太陽の下に行く事はできない。

皮肉な役どころです。

しかし、屈折した過去の映像より、音楽に携わったことがうかがえ

薫に出会ったことで音楽を志していた昔のことが蘇ってきてるようです。

二人が、心を一つにして掴むようになるのでしょうか。

今後が楽しみです。