くつろぎ日記

ストーリーとセリフに注目したドラマレビューです。

『里見八犬伝・前編』 凄絶! 菅野美穂!

2006-01-03 14:18:07 | ドラマ

 室町時代の中頃。房総(いまの千葉県)の南端、安房国。世は戦国なりしころ。
各国の武将たちがそれぞれの領地を巡って血みどろの争いを続けていた。安房国では山下定包(佐々木蔵之介)が妻・玉梓(菅野美穂)と贅沢をしていたが、里見義実(長塚京三)に倒される。玉梓は助命を嘆願するが打ち首の刑に処せられた。死の間際、「私を斬るなら末代までたたってやる」と言葉を残す。玉梓の言葉通り、その日から里見は呪いに苦しめられる日々が続く。
義実の娘・伏姫(仲間由紀恵)は玉梓の亡霊に「そなたは呪いの犬の子をはらんでいる」と不吉なことを告げられる。伏姫は呪いを打ち払うかのように自害。伏姫の腹からは八つの玉、「仁」「義」「礼」「智」「忠」「信」「孝」「悌」が飛び出し、関東一帯に散っていった。これが八犬伝の始まりである。伏姫の婚約者・金碗大輔(渡部篤郎)は出家し、ゝ大法師と名乗り、八つの玉を探す旅に出た。
そのうちの一つ、「孝」の玉を持つ犬塚信乃(滝沢秀明)は大塚村にいた。信乃には浜路(綾瀬はるか)という許嫁がいたが、父の遺言に従い、足利家の宝刀・村雨丸を届けるために古河の御所に旅立った。しかし村雨丸はすり替えられていた。信乃は偽の刀を献上したとして追われ、芳流閣で犬飼現八(押尾学)と死闘を演じる。
「義」の玉を持つ犬川荘助(佐藤隆太)、「忠」の玉を持つ犬山道節(小澤征悦)、「悌」の玉を持つ犬田小文吾(照英)ら、犬の姓と牡丹の痣を持つ犬士たちは、ゝ大法師の導きと不思議な縁とによって次々と集結し、残る犬士を探して里見のために戦おうと誓う。

*****************************************(公式HPより)

人物相関図が今一つわかりにくいドラマでしたがかなり惹き込まれました。

滝沢馬琴による「里見八犬伝」。

著書を読んだことがない(と思う)のになぜか輪郭は知っていた!

歴史苦手なのに、マンガで読んだかも? 

このストーリーは勧善懲悪を軸にしたミステリー含むスペクタル。

素晴らしいCGに感嘆したり、歴史の重さと痛みを交錯させた

現代にも通じるファンタジーとして仕上げました。

 

  「見たでしょう、大輔。呪いなんかじゃなかった。

  あれはきっと希望の光。

  安房の国にまた陽が射してたくさんの華が咲いて

  愛する人と一緒に幸せに。」

仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌 の透き通った青い珠が伏姫の魂となって

静かに天空へ上って行くシーンと

「争いのない世界を」と渡部篤郎の慟哭が胸を打ちます。

仲間由紀恵の伏姫は素晴らしかったですね。この台詞が今回のドラマの根幹を

流れています。戦乱の世を嘆き、人々の心をどうやって平和に導こうかと悩みぬいた

馬琴の手法は愛する人を守り、八つの言葉を表すことで人々の良心に訴えました。

  「孝」 → 犬塚信乃戌孝 ・・・ 滝沢秀明

  「義」 → 犬川荘助義任 ・・・ 佐藤隆太

  「忠」 → 犬山道節忠與 ・・・ 小澤征悦

  「信」 → 犬飼現八信道 ・・・ 押尾学

  「悌」 → 犬田小文吾悌順 ・・・ 照 英

前編はこの5人が揃うところまでです。

浜路は実は義実様のお屋敷から鷹にさらわれたお姫様だった

ところがミソでしょうか。綾瀬はるかのお姫様は可愛らしく、信乃を

愛しぬく姿は、一途で視聴者の好感度を高めてくれました。

芸人達との間で山田優はこれまでの概念を打ち壊すアクションを

魅せてくれました。かっこよかったですね。

彼女もこの中の珠を一つ持っているのでしょう。

 

義実様は子供に命を狙われます。ちょうど出家した渡部がいる時ですね。

父親が悪公に進言したために自害させられたという子供(親浜衛)です。

山下公は悪政のため領民は全てが里見へとなびいた時にこの子の父親は

忠義を誓い山下のところから離れずにいたのです。それでもなおかつ

自害させられたというところにリーダーとしての才能がない素顔が見えてきます。

その子に向かって義実名将は、こう言うわけです。

  「人を殺せば必ず嘆くものがある。

  憎しみは憎しみを呼び、その繰り返し。

  その憎しみの環が切れるならそれでいい」 

そして自分を斬りなさいと静かな面持ちで。

これが訴える力の強さに圧倒されます。

しかし、出家した渡部は「お前には無理だ」と言うのです。

誰もが裏切った時に忠義を誓った父親の子供なのだから。

父もあだ討ちは望んでないはずだと、説くのでした。

この子供も珠を持っているようでしたね。

どのような展開になるでしょうか。後編に続きます。


しかし菅野美穂の玉梓は圧巻でした。

怨みを魂に押し込め、この世から去るときに呪いの言葉を残していきます。

  「里見の子、孫代々にわたり、畜生道の犬、

   この世の煩悩の犬と変えてやる」

恨みというものはものすごいエネルギーが要ります。

彼女が口を開くと真っ赤な口紅が呪いの形となり

屈強な武士達さえもひるんでしまう、凄まじい空気を作り上げました。

その死に様は毒蜘蛛の形となり、地面に跡を残していきました。

十分に怖さを知らしめた伝説の怪演となったことを認識しています。

美穂、がんばれ!



すっごい面白かったですね。今夜の後編が楽しみです。

しかし、今晩は「古畑」もあるのですよ・・・

たぶんリアルで「里見八犬伝」を視聴し、今夜の古畑は後日ということになるでしょう。

私としては、明日のイチローと菜々子ちゃんをリアルで見たいと思っています。

 

 

   



8 コメント

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TBありがとうございます (アンナ)
2006-01-03 16:16:32
すごく面白かったですよね。

時代劇があんまり得意ではない私でしたが

冒頭からクギ付けで2時間半があっと言う間でした。

そう、、、今夜は古畑があるんですよね。

私は里見をDVDレコーダーちゃんにお願いして

明日見ます
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見たい…けど。 (たちつていしお。)
2006-01-03 21:43:37
昨日はお出かけしてて見てないんですよね…(A^_^;)

でも録画入ってるようなので明日か明後日あたりまとめて見ようかと思ってます。



小学生くらいの頃読んだことあるんですけど、あれってお姫様、犬と結婚したいとかいうシーンなかったですか…?そんなのない?勘違い??

きっとドラマみたら本も読みたくなるんだろうな…と思ってます(・ω・)
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アンナさん♪ (かりん)
2006-01-03 23:51:00
アンナさん あけましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。



昨日の八犬伝ですが後編見たら冒頭でかなり前編の説明が・・。昨日見てなくても十分わかるようでしたわ(笑)

後編も良かったですよ。夜は睡魔で危ないのですが自爆せずに最後までいきました(苦笑)



これから古畑も見ます。明日から仕事なんで記事UPは簡単なものになると思います。

アンナさんは明日、里見を観られるのですね。

本当によかったですから、楽しみにしてくださいね。



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たちつていしおさん♪ (かりん)
2006-01-03 23:57:35
すっごい面白かったですよ。



これってアニメか何かでTV放映してましたか?

なぜか既視感があるんですよね。

原作は読んでないからわからないけど今回に限って言えば犬との結婚はなかったですよ。

原作にないという菅野の役がすっごく良かったです。

時代劇のなりはしていますが現代に通じるストーリーなのよ。全く私好みなんで・・どんなのか予測できるでしょう?(苦笑)

明日まとめて観るといいですよ。

お楽しみにどうぞ!!



お兄様からドラマのコメント2度目ね。

嬉しいです
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Unknown (mari)
2006-01-04 03:38:05
過燐酸、面白かったですね。

CGが、イヤミ無く、まるでホンモノに見えました。

記事でアップするには長すぎたので、もっぱら

見るほうに徹しました。

4日から仕事です。つらいなぁ~
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mariさん♪ (かりん)
2006-01-04 07:46:04
おはようございます。

おおっ・・観られましたか!

面白かったですよね。かなり気に入りました。

いい台詞が多くて感動しました。



mariさんも今日からお仕事ですか。私もなのです。

たくさんお休みしたあとなのでほぐしていかなくては。がんばりましょう。

今晩は古畑、観ますか?
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始めまして (しらたき)
2006-01-06 09:05:17
私は、仲間ちゃん目当てで八犬伝観たのですが

菅野ちゃんの演技には、驚いたといいましょうか

感服!しました。m(__)m

いやー、凄い!演技でしたよ。!(^^)!
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しらたきさん♪ (かりん)
2006-01-06 16:28:11
仲間由紀恵さんのファンでしたか。

ごくせんが一番印象に残ってるかしら。

今回の伏姫は慈母というイメージでもうマリアでしたね。女優対決として菅野と対にして語るところが多かったですね。

菅野も素晴らしかったですよね。

私も久しぶりに見て感嘆しました。

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