くつろぎ日記

ストーリーとセリフに注目したドラマレビューです。

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映画「バベル」

2007-04-30 10:08:43 | ドラマ

菊地凛子がアカデミー賞の候補になったことと、

彼女の役が高校生だという以外は先情報は全くなしの状態で見に行きました。

本当に全然、知らなかった・・・

呆然とするシーンがたくさんありました・・・

                         

モロッコで始まる事件。銃を買うシーンから。

放牧を生業とするこの地ではジャッカルを撃つためにも銃は必要だった。

しかし、父親のいないところで兄弟が銃の乱射をして試し撃ち。

その一発が観光バスに命中。

一人の乗客の肩を貫通する。

 

その乗客はアメリカ人夫婦。

病院まで早くて4H。救急車の手配をしても話をしても

通訳がいないと進まぬもどかしさ。

命の期限が迫ってくるが・・

やっとつながった電話に大使館へと頼むが、アメリカはテロと騒ぐ。

兄弟たちの単純な行動とは別に国際問題となっていくのである。

 

さて、この銃は日本のある男性@役所広司がモロッコにやってきたときに

狩猟と通訳のお礼にと差し上げたもの。

その娘がチエコ@菊地凛子。

日本の描き方が凄まじいです。

一番平和で暮らしやすい国。

その平和ボケした若者達を揶揄してるのでしょうか?

六本木?渋谷のクラブでの喧騒の様子。

酒と薬に手をだし、酔ってるチエコ@凛子。

チエコがイカれた頭のおかしい子ぐらいにしか見えないシーンが続出


先のアメリカ人夫婦はメキシコ人の乳母@アメリアを雇い、

子供2人の世話を任せている。

その日は、アメリアの息子の結婚式で日帰りで戻りたいが子供を預かってくれる人

がいなくて、結局二人を連れてメキシコに出かけます。

この子供たちがとにかくかわいい子。

アメリアは乳母として一生懸命にやっていたと思うが・・・。

預かっている雇い主の子供を連れて出たことがのちに大きな間違いだったと気付く。

 

こうした一本の銃と、3本の柱が絡み合い、関係してきますが、

それぞれは独立した物語なのです。


バベルというタイトルからして、バベルの塔を連想させます。

このバベルの塔とは、旧約聖書によると、もともと一つの言語を話していた人々が

天まで届く塔を作ろうとしたことが、神の怒りをかい、この塔建設は「言葉が同じ事が

原因」であると考え、人々に違う言葉を話させるようにした。それに混乱した彼らは世

界各地に散っていき、塔の建設は中止になったということです。

つまりバベルの塔は実在しない空疎の塔なのです。

 

この映画では同じ日本でも、聾唖者役のチエコは言葉が通じる相手は同じ状態の

友達だけ。知らない人とは話せず、また相手の反応も手話を使うチエコたちを化け

物を見るようなところがあり、その状態を皮肉っているようにも受け取れます。

 

そして、モロッコで銃撃に遭った夫婦はモロッコの国で同じように言葉が通じず、

今にも消えそうな命を前にもどかしい思いをします。

だからこそ通訳がいてくれたことに非常に感謝が湧き上がるのです。


世界が一つの言語であればよかったけれど、旧約時代にすでに人間は、結託して

神に闘いを挑んでしまったために、国によって違う言葉になってしまった。

言葉が違う事の苦しみというものを味わうことも神によってもたらされた運命。

この試練を乗り越える知恵こそ神によって試されているのかもしれないのですね。

 

チエコの家庭は、母が自殺という重い空気があります。

しかし住む家はそれこそバベルのように天高くそびえる高層マンションの最上階。

そしてその調度のすばらしさには目がとても喜びます。

本当に素敵な住居でした。

 

このベランダから母は飛び降りたと刑事に偽りの話をするチエコ。

父親は後に、「銃で頭を貫いた」という話をしています。

触れたくない話があるようです。

どうしてここでチエコが泣きながら脱ぐのかさっぱりわからないのですが、

その見事な体は、高校生には見えないというのがひとつのポイントでしょうか・・。

最後に刑事にぎっしり文字がうまったメモを渡していましたが、

その説明が何もないのです。

あとでそのメモを読んだ刑事が重苦しい顔をする・・・

それだけ。

この映画を見た人だけがそのメモに書かれてあることを想像し、

宿題として抱えてしまうようです。

聾唖のチエコを生んだことが母の精神を傷めたのは想像に難くないが、

チエコのメモは、自分が生きていることへの葛藤なのだろうかと・・・。

 

単純な感想としては銃をもつことは、強い意志とモラルが必要だということを思い、

そして、日本がやっぱり一番住みやすい国だと再認識してしまいました。


さらに菊地凛子の存在感の凄さといったら相当なものがあったかもしれません。

25歳の時だったそうですが、高校生役を演じても違和感がないのに、

目が鋭く狂気の光が宿り、一人違う世界に生きているような錯覚さえあります。

決して美人でもないのに、何か圧倒されるというのは演技力の賜物なのでしょう。

 

映像的に何がいいとか、ストーリーも面白い流れがあるとは言い難いが

私はけっこう引きずり込まれました。

でも、全然つまらないという声もあるそうです。

人によって評価が大きく分かれそうな映画でもあります。


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8 コメント

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こんばんは。 (SHINGO。)
2007-04-30 19:43:53
これだけは観ておきたいと、僕も本日観てきました。
事前に情報をほとんど入れてなかったので、
まず菊地凛子の・・に、驚き(汗)
クラブのシーン、ニワトリのシーンに、もう勘弁して・・と
目を背けたくなったんですが、全体的には面白かったです(笑)

>でも、全然つまらないという声もあるそうです。
まず娯楽作品ではないですよね。
観たくないシーンもあるし、そこがいいと感じる人もいれば
単純に、気持ちわるって思う人もいるでしょう。
僕は「点と点がつながっていくマニア」なので、
こういうストーリーは大好きです。

後は、藤井隆に驚きました(笑)
それから「バンビ~ノ!」に出演してる、小松彩夏も
一瞬映るんです。
これを見つけた時、自分の中でテンションが一番上がりました。
SHINGO。さん♪ (かりん)
2007-04-30 20:19:12
こんばんは!

ご覧になりましたか・・事前情報がなかったという点では私と同じですね・私も本当に衝撃でした・・
次のエントリーではさらに激しく暴露しています(笑

そう、同じく目を覆うシーンがいくつもあったのに最後までしっかり見ていました。やはりどこか面白いと思って引きずり込まれていたんでしょうね。

娯楽映画ではないですよね。問題作として捉えその
メッセージを読み取ることが必要なのでしょうね。
あんまりそこまで考えるとつまらなくなるのですが
それでも、見て良かったと思います。

藤井隆がいましたか?気付きませんでした。
小松彩夏も顔を知らないのでわかりませんでした。。
惜しい事をしちゃいましたわ。
ところでこれがいつかテレビにくる時って、例のシーンはカットですよねえ・・
こんばんは♪ (ミチ)
2007-04-30 21:18:53
菊池さんのオスカーノミネートで公開されるまで期待が高まりすぎたような気がします。
やはりアカデミー賞というのは大した威力を持っているのだな~と改めて思いました。
軽い気持ちで見に行くとちょっと驚いてしまうような作品かもしれませんね~。
分からないと仰る方も多いですが、分からないのがいいのかもしれません。
どうしようもないもどかしさややりきれなさを抱えて劇場を後にしました。
試写でみました~ (Eureka)
2007-05-01 19:51:51
公開前に試写でみたんですが
タイトルと予告編で想像していた内容と
違って、もっともっと奥深いテーマが
描かれていたのにびっくり!
すっかりこの監督にハマってしまいました。
「心の中にあるバベル」
私たち誰もが抱えるこの苦しみ。
いろいろなことを考えされる映画でした。
それにしても体調不良の人がでてしまって
この映画の評価がさらに悪くならないか心配・・
ミチさん♪ (かりん)
2007-05-02 00:08:34
こんばんは!

予備知識全くなしでただノミネートというだけで有名になった作品を見に行ったという人は多いと思います。私もその一人で、とにかく度肝を抜かれてしまい思考がストップでしたよ。
でもそれぞれのエピはうまくつなげたように思います。日本の描き方はかなり違和感でしたけどね。
それぞれが持っている壁を壊すためには、どうしたらいいのでしょう。そのメッセージを読み取れた人はちゃんと実行に移さないとね。自分にできることは何でしょうか?これも宿題ですね。
Eurekaさん♪ (かりん)
2007-05-02 00:21:07
こんばんは!

映画を中心とするブログさんでは絶賛してますね。
さすがといいますか、その感受性の鋭さに感嘆してしまいます。映画みるのにそこまで脳みそ使わないといけないのかと終わったあとは、ぐったりしてしまったので、私にはあんまり語る資格はないですが・・

心にあるバベルとは、それぞれが持つ壁という意味でしょうか?
一番ストレートに伝わるのは言葉の壁ですが、チエコを使った表現は酷いと思いました。日本ではまずあり得ないことですから。他の方法がいくらでもあったのにちょっとした怒りも感じたかもね。あれを素直に受け取れるというのはそれはいったいどうしてなんだろうと逆のことを思ってしまうくらいです。

ただ映画としては完成度は高いのでしょうか。
最後に余韻を残すあたりもこの監督の手法なんでしょうか?
Unknown (ケント)
2007-05-25 16:17:01
こんにちは、TBお邪魔します。
なかなか重厚なテーマであり、モロッコ編は見応えがありました。あのガイド一家の暖かい気持ちには感動しました。
ただ日本編には余り脈絡や必然性を感じませんでしたし、あのクラブでの騒音も長過ぎますね。
全般的に秀逸な内容だっただけに残念で溜まりません。
ケントさん♪ (かりん)
2007-05-26 20:50:53
こんばんは!

TBありがとうございました。
この映画、すごく引き込まれました。
良かったですよね。
大部分の映画ブログさんは絶賛しています。
私もモロッコ編はかなりすばらしい出来だと思いました。同時進行かと思ったら時間軸のズレもあってその設定もなかなか魅せてくれました。
しかし私も日本編は違和感でした。あれは日本人を描いていませんよね。外国の某国ならあるかもしれませんが間違っても日本人のほとんどは変だと思って見ていたはずです。そういう意味で本当に残念でした。世界に間違った日本人観を植えつけたのではないかと心配しています。

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