くつろぎ日記

ストーリーとセリフに注目したドラマレビューです。

「神はサイコロを振らない」(the1st day)

2006-01-19 11:56:55 | ドラマ

全く先入観なしで見ました。HPも紹介しておきながら私は最初の青空だけでやめてし

まいました。そして、思い出してしまいました。402便が消えた日が8/10。その翌々

日の8/12はあの日航ジャンボ機が墜落した日です。関係ないとは思いつつ、この

ジャンボには知人のお父様が乗っておられたのでとても他人事ではなく重ねて見て

しまう私がいます。このお話がもしも実話であるなら、時空を超えて会わせてあげた

いとそんなことばかり頭のなかでこだまして一人で涙がでてしまいました。

 

ヤス子と菊介はすき焼きをつついています。話の様子だとどうも菊介は30過ぎて

無職かバイト君レベルのようです。ヤス子は年金の話までしています。そんな年でも

ないのになぜ?でも仲良し兄弟ですね。その回想のなかに亜紀がでています。

「ミス角煮まんじゅう」だそうでそのネーミングがツボでしたね。突然消えてしまった

402便には恋人の哲也と、親友だったその「ミス」の亜紀が乗っており、

それから10年。遺族対策に追われヤス子は友を作らず孤独なまま、

そしてただ老後のためだけにこの航空会社に埋没してきたという様子でした。


その連絡は突然でした。長崎に飛んでほしいと。何でも「ブラックホール相対性理論」

を説く加藤元教授が2006/2/10に長崎に、402便が戻ってくると言うのです。

その書き込みを見た遺族たちが殺到するかもしれないので対策に飛んで欲しいと

指名です。そして出現しましたね。全く突飛と言っていい発想です。だけど信じたい。

会社から「余計なことをしないように」という電話を柚子が受けてしまいましたね。

そんな事は知らないヤス子です。いつまで機内に待たせるのかと、怒声が響くなか、

ヤス子はリムジンバスの手配をしてしまいました。 ・・「私が責任をとります」・・と。

 「逆らわず、そつなく、無理なく、淡々と。」

 「頑張ったところでどうにもならないことを学んだ。」

こんな人生だったはずなのに。

ヤス子はなんだか寂しい人生のようです。航空会社ってこんなものなの?

やりがいのない職場に我慢していたのはただ年金のためだけでしょうか?

私は違うような気がします。10年前にけんかしたまま消えてしまった恋人の哲也を

死という形で受け入れるには10年では足りない様子が冒頭から伝わってきました。

まだ、ヤス子のなかでは哲也は恋人なのです。だけど10年経っています。

こちらはもういい年。なのに哲也は若いまま。その胸中、いかばかりか。

 

さて、対面です。

続々と現れる搭乗者たちと待ち受ける家族たち。再開は感動でもあり複雑でもあり。

こちらは10年。向こうは30分足らず。その差は大きいですね。娘に孫がいることが

見えた夫婦。“だっちゅうの”を連発する友人。

カブトムシは死んでいましたね。「ヤッチ」「アッチ」と目で会話する二人。

すっかり時の人のはずだけれど加藤教授は意味深な発言をしてそそくさと

帰りました。

   「私は理解者を得たいわけではない。計算を確かめたかっただけ。

    有意義な時間を過ごしてくれ」

この意味がわかったのはラストです。加藤教授は知っていたということですね。

辛い宣告をこの研究バカのような教授ができるはずもなさそうですし。



さて航空会社の本部長がやってきてヤス子を叱責しています。

「上からの命令に背きヒーロー気取りになって。もし、君の軽率な行動が取り返しの

つかないことになっていたらどうするつもりだったのか。東京に戻るように」

何が問題だったのか、皆さんわかりましたか?

家族が早く会わせてと叫ぶ中、機内でもいつまで待たされるかとじりじりしている

わけで。そのときにただ一人航空会社の人間であったヤス子は何もしないで

ただ時間が過ぎるのを待てば良かったのですか?

私だって同じことをしたと思うのですけど。

誰かこういう時の対策を教えてgoo・・・。

 

さてホテルでは混乱が続き、状況を把握できない遺族会会長はヤス子を求めて

います。帰るつもりで空港に行ってしまったヤス子を亜紀は追いかけます。

二人はやっと対面しました。

状況を説明しホテルに戻るようにいう亜紀にヤス子は会社からの通達で東京に

戻ることしか頭にありません。失望した亜紀は「老けたね」と。

ヤス子はむっとして反発してしまいます。言わなくてもいい年の差や、それまでの

時間の過ぎし方、そして現在のなげやりな気持ち・・。

「心に汗をかけ」と亜紀は言っていましたが風化した時間の流れはそんな熱い

言葉を受け入れるほど余裕はなかったようです。

ヤス子は去っていきました。残された亜紀は顔を覆い泣くだけ。

そのころ哲也はフロントで手紙を受け取っていました。

      「残された時間は、あと9日」

そしてこれはあのインターネットのサイトにも書かれていたのです。

    来週はこの宣告を受ける人々のところから描かれますね・・・


 

衝撃のラストでしたね。加藤教授の「有意義な時間を過ごしてくれ・・云々」とは

この限られた時間をさしていたのですね。なぜ加藤教授は知っていても

そのことは言わなかったのでしょう。ただ研究だけが重要であり、そこに様々な

人間模様があることを全く理解できてない、研究だけの世界に住むってこういう

ことなのですか。残り9日って事は各話一日ずつですね。このストーリーが終わる時

この乗客たちの命も終わりなのでしょうか。

「ロングラブレター」で未来に飛んだドラマと「今、会いにいきます」で死者が蘇り

また天国に戻った話を足して割った感じですね。

それぞれの再開の仕方に見せ所を作ってくれるのでしょう。

でも突然打ち切られるよりも、別れるための準備ができるだけまだいいのかも。

    いつその日が来るやもしれないならば、その心づもりを

    私たちはしておいた方がいいのかもしれません。

 



12 コメント

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TBありがとうございます! (lavish)
2006-01-19 14:33:05
こんにちは~!

笑いの要素も含めながら、この物語のテーマは揺らぐことなく展開していった初回だったと思います。

ヤス子と亜紀の温度差は、これから乗客全員に様々なかたちとなってでてくるのでしょうね。

でも残された時間は9日。

9日たったら、一体どうなるのでしょう??

クワガタは死んでいたことが気になるところです。

次回が待ち遠しい初回でした。
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あれ? (ふう)
2006-01-19 23:53:31
全く内容は知りませんでした。  

402便に、何事かが起きたときは、すごかったですね。

乗客が戻ってきた時は、失われた10年をこれから埋めていくのかと思ったのですが、最後でえっと・・

これから一話一話が、そういうことになっていくのでしょうか?

全体の感じは、さほど深刻でもなく、むしろコミカルなところさえありましたが、何となく、とらえきれないです。

小林聡美さんと武田真治さん姉弟の会話は、結構好きでしたが。

来週からどうなるか、見守っていきたいです。

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Unknown (mari)
2006-01-20 00:06:27
かりんさん、こんばんわ。

あの日航機のときも辛かったですね。あの日をなぜか鮮明に覚えています。まだ父が元気で、夕飯の時に「飛行機が消えたんだって、無事だといいけど」



突然戻って来た飛行機にも、驚きました。

10年前はキラキラしていたのに、10歳以上老けた感のあるヤス子は、無事に仕事を勤め上げるだけ。

ふとanegoと比較していまいました。これからきっと、濃い時間を亜紀と一緒に過ごすのでしょうね。
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Unknown (まりこ(^▽^))
2006-01-20 01:07:21
こんばんは

私も「ロングラブレター」思い出しました。

「いま、会いにゆきます」も過去から戻ってきてましたね・・

残された時間が9日ということで、最後のほうは、

切なくなりそうです。。

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切ない・・・ (まこ)
2006-01-20 23:00:02
「死んじゃえっ!」の言葉が、10年前に哲也に言った最後の言葉・・・ヤスコはどんなにか悔やんだでしょう。どんなにか苦しんだでしょう。

そして自分自身も悲しみのどん底だったであろうに、事故の対策委員の一人として、業務を追行せねばならない状況を、どうやり過ごしてきたのだろうか?

そんなヤスコだから、きっと亜紀と哲也とは感動の再会を果たすのだと思ってたのに・・・ヤスコの反応が意外でした
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lavishさん♪ (かりん)
2006-01-21 00:49:49
水曜日はこれ一つなので期待していました。

SF仕立てですが、あまりそうしう感じでもないですね。

ただ残りの日が刻まれたことにとてもびっくりしてしまいました。

どんな結末が待っているのか心配ですね。

亜紀はヤス子に命を吹き込んでいってほしいですね。

あ、そうかあれはクワガタでしたね。

あの気流で死んじゃったということですか?

10年という線を越えたからかしら?
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ふうさん♪ (かりん)
2006-01-21 00:54:54
内容はHPには出てなかったの?

終わってからあらすじが出たのかしら?

青空のイメージでさわやかなものを連想していましたが、いろんな要素が詰まっていて面白いと言ったら面白かったですよね。

確かに深刻さがなかったですね。

まだ誰も残りの日々を知らないってこともありますけど。

亜紀とヤスコの目の会話や、対面してからの言いたい放題もなかなか。親友だから言えることもあるしね。

これからいろんな人間模様が始まるってことですね。

残していく方も残される方も悔いのないような日々を過ごさなくては。
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mariさん♪ (かりん)
2006-01-21 12:18:06
もしかしてあの日航機事故があったからこのストーリーが生まれたのかも?考えすぎ?

あまりにも突然すぎたので、分かれるためには時間が必要だとも思いました。

そのための準備編みたいに思って見ようかしら。

そうか哲也とヤスコはanego的になってしまいますね。奈央子はガッツに生きているけどヤス子は精彩がないですね。ヤス子に生きる目的を与えてくれるような脚本なのかもしれませんね。
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まりこさん♪ (かりん)
2006-01-21 12:21:30
「ロングラブレター」はかなり面白かったですよね。

あれくらい引き込ませてほしいですね。

残された時間が9日っていうのはHPには載ってなかったのですよね?

皆ドラマで初めて知ったということはやっぱり衝撃です。

最後がどうなるのかわからないのがさらに心配。

はらはら見ていきますか。
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まこさん♪ (かりん)
2006-01-21 12:26:10
「死んじゃえ」と言ってから消えたんですもんね。

10年たったも忘れない言葉でしょう。

それのせいで死んだように生きてきたのかしら?

まだ今週回は哲也と対面してないヤスコですが

次回は意地を張らないで昔に戻ってほしいですね。

時間が無いのよ。。。画面に叫びたい私ですよ(苦笑)

しかし何気に年の差が気になってきました。ヤス子がそれを乗り越えて哲也と再会できますように。
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