くつろぎ日記

ストーリーとセリフに注目したドラマレビューです。

わたしたちの教科書 第11話

2007-06-22 15:59:03 | わたしたちの教科書

むせかえる金木犀のじゅうたんに腰をおろして

明日香と語らった日のことが甦り胸を熱くしていた雨木でしたが、それでも

「明日香には虚言壁があった」というほかありませんでした。

疑いの目を向けつつも、すがる目で見ている珠子です。

兼良陸のことも河川敷で教科書を焼いていた報告すらもいじめと受け取れない。

何を言っても明日香の「ウソ」として強い目で見返してきました。

「死人に口なし」

あなたはこのように考えているのでしょう。

事情を知らないとはいえ、雨木の人格さえも否定しかねない珠子の反論でした。

そして法廷から出て行く音也の手には「カネヨシリク」とメモが。

うっすらと笑みを浮かべて。


加地は職員たちに強力を求めます。

兼良がいじめを認めているということ。学校全体でいじめについて考えてもらう

いい機会。雨木にいじめを認めてもらえるようにと教員たちに頼むのですが、

皆、それは無理だとわかっているようです。

そして職員会議でも誰も、口を開くこともなく過ぎてしまいました。

 

加地は珠子から音也の話を聞いていました。

かつての学校で、事件を起こした音也。

「いじめっこは僕が処刑する」

この気持ちはこの後も引きずっているようです。

珠子は音也を待ち伏せし、過去の事件を聞きました。

学校で起こして事件とは別に20歳のときの刺傷事件。

音也はその時20歳で相手は高校生だったらしい。

その相手の子も学校でいじめを行っていた張本人だったとか。

結局音也は自分が正義だと鉄槌を下したということなんですね。

そして、学校にはいじめはなくなった。

僕のおかげでいじめは解決したんだ。

こんな話をしているところに雨木が帰ってきます。

胸騒ぎを覚えたのか話をさせたくなかったようですが、

「就職が決まった」という音也の報告に笑顔になり家に入っていきました。

雨木は初めいじめを公表したが、世間のバッシングを浴びただけだった。

本当は母さんだって明日香をいじめた子が憎かったんだ。

でもやる勇気がなかったから目を閉じていた・・・

当たらずといえど遠からじ。

 

珠子はいつもの店に加地と兼良も来ています。

いじめは複雑な要素が絡み合って起きるもの。

きっかけは明日香が兼良の父親の噂をながしてると聞いたから。

しかし本人に質すこともなく明日香に対してのいじめが始まったという。

明日香がそんなことをするとは考えられないという雨木。

雨木は兼良にもちゃんと接触していました。

そして明日香には手紙を書いていたというのです。

教科書を燃やした陸もさすがに雨木の手紙は焼く事ができなくて

筆入れに入れた状態で木の下に埋めたといいます。

雨木は副校長として自分なりにきちんと向き合っていたのです。

その手紙を探そうと必死に掘り起こす珠子を見て陸から涙がこぼれました。

 

忘れ物をした朋美は教室に行くと音也が陸のノートを破いているところを目撃。

いじめっこは死刑になってもいいと思わない?

・・・思いません。


翌日、自分のことを話していいという兼良から背中を押されたように

加地は雨木にいじめを認め、クラスで話し合うと言います。

しかし、雨木はあくまで学校にはいじめはないと言い切るのでした。

会議室でレポートを書くように指示しますが、加地は従えないという顔です。

さらに他の教員たちに加地のクラスに自習だと伝えるように言いますが、

誰も立ち上がろうとしないのです。そこに大城が「お願いします。いじめを認めてくだ

さい」と頭を下げました。それにつられたように次々と頭を下げる教員たち。

それでも雨木は「当校にいじめはありません」と強く言い放つのでした。

教師の使命は、この平穏を守り、より安定した環境を提供し、

生徒に勉強を教えること。

確かにその通りですが、安定した精神状態じゃないと勉強どころではないですよ・・・

 

加地はクラスでいじめの問題を正面から切り出しました。

そして兼良に合図を送ります。立ち上がる兼良は自分のしたことを語りだしました。

僕が彼女たちにどんなひどいことをしたのか、どんな気持ちだったのか。

教科書がなくなったときの気持ち。靴を隠されたときの気持ち。

体操服を隠されたときの気持ち。

戸板も八幡も大城もそれぞれのクラスでいじめを語りだしました。


珠子はとうとう筆入れを掘り出しました。

この設定はやや甘いですが、でも執念が見つけたと思うことにしますわ^^

雨木が瀬里に判断をと校門をでたところで珠子の待ち伏せにあいます。


珠子は筆入れから手紙を取り出しました。達筆の綺麗な手紙。

土の中に封印されていたとは思えない^^;

明日香にあてた手紙は愛情に満ち、必ずいじめをやめさせる。

助けると書いています。

手紙のなかではいじめを認め、明日香を守ろうとしているのに、間に合わなかった。

それは迷いがあったから。いじめを公表したことでバッシングを受け、

しかも音也の事件が起こり、いじめは排除することが正しいかもと揺れたからでは

ないかという珠子。

「そんな手紙を証拠に出されても。」

証拠の話などしていません。珠子は強く切り返しました。

私が知りたいのはあなたが明日香をどう思っていたかです。

明日香を守ろうと努力し、苦悶されたのでしょう。

それでも私はあなたを赦せません。

あなたは明日香をうそつきだと言いました。

珠子は自分が明日香に冷たかったけれど、明日香に優しくしながら

その一方で明日香を貶める雨木がどうしても「我慢なりません。

あなたに憧れていた明日香はあなたが大好きだった明日香は、

「教えてください。明日香はウソをつきましたか?」

・・・いいえ、・・・

やっと珠子の聞きたかった言葉となって雨木から発せられました。

でもそれでも雨木は言わねばならないのです。

私の考えは変わりません。いじめを認めれば学校は壊れます。

しかし、藍沢明日香さんはウソをつくような子ではありませんでした。

そしてカバンから明日香の教科書を出し、珠子に返しました。

明日香の教科書を胸にだきながら忍び泣く珠子。

 

雨木は瀬里や教育委員長に叱責を受けています。

これ以上彼女を傷つけることはできませんでした。

以前は、多少のいじめも必要悪だと割り切ったような教育委員会でした。

そんなところに雨木が教科書を手放したのですから、打撃です。

瀬里は今後法廷に来ないように言い渡しました。



しかし、家に帰ったみればぬいぐるみに包丁をつきたてその下のメモには

陸の名が書いてあります。いきなり走り出す雨木。母としての勘は鋭いのです。

血相を変えて走る雨木は陸を探しています。


裁判では証拠として教科書を差し出すと珠子が言いました。

そんなところに朋美が現れ自分が証言をすると言います。

手続きを踏んでいたら遅い。今でなくてはダメだという朋美。

こうして朋美は裁判に認められました。

 

そのころ、職員室には、陸を包丁で脅しながら、音也が現れています。

凍りつく職員室。箱に携帯を集めるように加地に指示。加地は皆の携帯を集めて

います・・・そして隙をみて、音也にくらいつきましたが失敗!

加地は腰を刺されてしまいました。大城の悲鳴が響きます。

お母さん、僕が本気だと教えてあげて・・

雨木の一番心配した事態になってしまったのです。親の心子知らず・・・

 

裁判では証言を認められ、証言台に立った朋美。珠子が声をかけようとすると、

あたし、明日香が死んだとき、・・・あたし、その教室にいました。

遠くをみるような朋美の脳裏では、お下げの明日香がいます。

そして何かを言おうと口を開きました・・・・

                        

いいところで終わっちゃうのね・・・

はあ~~ため息でした。


雨木が母としての本能が見えた今、

いよいよ瀬里がすごく悪く見えてくるのが悲しいですね。

すっかり法廷対決を詭弁で解決しようとしています。

根本から生徒のことを考えている珠子とエライ違いじゃないですか。

 

ここでやっと明日香の事件の真相が見えそうですね。

今までこれが事故なのか自殺なのかもわからず、「いじめ」ということのみに

焦点を絞ってきたので、まずここからはっきりできるのは大きな進歩。


しかし、いじめを公表して学校がバッシングなんておかしいですね。

そんな話・記事は読んだことがないので驚きました。

本当にそうなのでしょうか?

でも教育者たるものバッシングを恐れてはいけないのではありませんか。

現にいじめられてるほうもいじめるほうも、地獄にいることをしっかりと

認識してほしいものです。



10 コメント

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熊澤先生 (mari)
2007-06-22 18:42:02
雨木を振り切って、各クラスに散った担任たち。
確かにイジメをした方と、「何もしなかった」方にも責任はありますね。
無関心が一番責任が重いかもしれません。それでも、
イジメの対象が自分に移動すると大変だから、
無視しているのが大多数の人たちなのでしょう。

人生一度しかないけど、自分に恥ずべき行為はとりたくないなぁと、思いました。ま、大人社会にもイジメはあるから質が悪いですね
返信する
Unknown (お気楽)
2007-06-22 19:06:34
音也怖いですね。自分が間違ってるなんて、微塵も感じないんでしょうね。怪我人も出て、余計興奮して何をし出すのか・・・。
こうなると兼良がかわいそう・・・。
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mariさん♪ (かりん)
2007-06-22 23:23:42
こんばんは!

>「何もしなかった」方にも責任はありますね。

そうですね。傍観した人も本当は良心の呵責に耐えかねていながらも、傍観せざるを得なかったのかも。
それは大多数の人たちの実感ではないでしょうか。

>人生一度しかないけど、自分に恥ずべき行為はとりたくないなぁと、思いました

mariさん、立派だわ。
何となくその場の都合で切り抜けるような私。
もっと気高く生きたいものです!!

オトナのいじめは子供よりもさらに酷いですよね。
うつになった人をたくさん知っています。
真面目な人ほど酷い目に遭うのです。。。
こういう現状を何とかしないといけないのに・・
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お気楽さん♪ (かりん)
2007-06-22 23:37:00
こんばんは!

音也って子供の正義漢がそのまま大人になったのですね。これは雨木としても心配でしょう。

しかしとうとう人を刺してしまいました。
加地もびっくりでしょうが、雨木が一番のショックでしょうねえ。かわいそうな母親です。

そして兼良も。
まさか自分が狙われるなんてと思ったでしょう。
いじめだけでも酷いのに、でもここで一気に同情を買えるから意外と逆転かもね・・
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こんばんはです (ikasama4)
2007-06-23 00:04:00
積木と雨木
二人ってどこか似てますね。
目的のためには手段を選ばないところとか
過去の過ちによって誰かを傷つけてしまったがために
今の自分を、規範を作り上げたとことか
一人で戦っていたとことか

守る者が同じであるとことか


過程はどうであれ世間一般から見れば
結果的に子育てに「失敗」してるとことか

「失敗」というよりも
子供とちゃんと向き合ってこなかったというのが
正確なんだと思いますがね。

それほどまでに似ている二人なのに
それぞれの規範のために戦わなければならないのが
ちょっと悲しいですね。


そして、そんなに自分の生徒達を考えてくれているのに
何故その思いを自分の息子に向ける事が出来なかったのか

それも残念でならないですね。
まぁそれがこのドラマの狙いでもあるのでしょうけど。


>しかし、いじめを公表して学校がバッシングなんておかしいですね。
>そんな話・記事は読んだことがないので驚きました。
>本当にそうなのでしょうか?
ある会社や役所の機関等で不祥事や社会的問題が発生した時
当事者は「自分達に非はない」といいます。
マスコミはその原因を作った犯人探しをします。
たとえ当事者が責任を認めたとしても。

このドラマでの教育委員会がそのイイ例でしょうね(苦笑)

ここんとこ学生の自殺報道が続きましたが
それまで教育委員会に学校側からのイジメの報告は「0件」だったそうですからね。

そうやって都合の悪い事は隠す。


「これから、どうするべきか」考えて行動するよりも
その原因を作った「犯人」を探して好き勝手な事を言って断罪する。

そうして、原因が潰れるまで
もしくは飽きるまでバッシングを止めない。


ズバズバ言うのはそれでいいですが
それ以上に今の現状で何をしなければならないのか
行動が伴ってこそモノを言って欲しいと思うのですがね。

こういう風にすればいいって大人達が見せているから
社会も子供達もそれを見習うのかもしれません。


そう考えると
少しでも子供達を変えたいと思うなら
まず自分達が変わらないといけないって事なんでしょうね。
返信する
Unknown (みのむし)
2007-06-24 23:34:56
こんばんわ。かりんさん
マスコミが騒ぎすぎることによって、バッシングは
ありますよね。どこだったかな?忘れたけど、教師が槍玉にあがってました。
教師がいじめの原因になったとかで・・・
その間その学校に通っている在校生の人たちは
やっぱり、不安定な気持ちで学校に通っていたと
思うから学校崩壊って言うのは
ある意味当たってるかも!(雨木のいうことも)
と思ってしまいました。
これから学校へ入ろうとする子供たちも
いじめのあった学校へなど通わないというかも
しれないですしね。

でもなんといっても社会全体が、よくないんだと
思いますね。
親はもちろんだけど、子供を小さいころから叱らないそういう風潮になってる。だから子供は悪いことと
悪くないことの区別を知らずに大きくなって
大きな事件を起こすんですよね。
返信する
ご無沙汰スイマセン~ (くう)
2007-06-25 03:13:03
ホント、終わって溜め息でしたね~(^^;)
私も、「はぁ~。。。」って感じでしたよ。

雨木が明日香を本当に思っていてくれたこと、
そして、明日香が実は雨木の本音を知っていて
慕っていたこと、救われました。

音也は狂っていますね。
刑務所よりも病院が必要な気がしますが。。。
それに気付いていながら、そう出来ないのが
母親の弱さなのでしょうか。

本当に面白い展開になってきました。
最終回が楽しみです。
返信する
ikasama4さま♪ (かりん)
2007-06-27 00:03:20
こんばんは!

>積木と雨木。二人ってどこか似てますね。

確かに・・・
不器用な二人ですね。
しかも世間的な大層な顔ももってるし、
二人とも子供をある意味失ってしまってます。

でも珠子は既にいない明日香のことをなんとしても
その名誉をまもらないといけないし、
雨木は、現にいる音也を守らないとならない。

親というものは窮屈ですが
それだからこそ
頑張り甲斐があるというものでしょう。


>ある会社や役所の機関等で不祥事や社会的問題が発生した時、当事者は「自分達に非はない」といいます。マスコミはその原因を作った犯人探しをします

確かに、そういう傾向はありますよね。
犯人探しというか、
責任の所在を追及しないと
今後のためにもよくないですからね。

今回の教育委員会は、生徒を守るというよりも
学校のメンツを守るほうが重要なようでした。

>その原因を作った「犯人」を探して好き勝手な事を言って断罪する。

そういう記事を書くのは三流ですね。
でも断罪されてあたふたするのが関の山なんでしょう。
もともと、そういう気質だからこそ断罪される
下地があったということでしょうね。

事件から学ぶものがあれば
建設的な意見を書いてこその記事を読ませて欲しいものですね。
そういうところでマスコミのもつ品格が試されます。

オトナたちも手本にできるような・・・
返信する
みのむしさん♪ (かりん)
2007-06-27 00:15:40
こんばんは!

>教師が槍玉にあがってました。教師がいじめの原因になったとかで・・・

その事件知ってます!!
その報道が真実なら、ひどい教師もいたものだと思ったものです。
しかし、報道が真実かどうかなんて、当事者しかわかりませんものね。
そして、その学校の生徒たちは不安を持っていたでしょうね・・・
バッシングを受けたのは子供が引き起こしたのではなくて教師が引き金になったからではないでしょうか?

子供の世界のいじめというのは陰湿だったり、
暴力だったりいろいろありますが、
どこの学校にもあるものだし、ないはずがないのですよ。
隠したって何の解決にもなりませんよね。


>子供を小さいころから叱らないそういう風潮になってる。だから子供は悪いことと悪くないことの区別を知らずに大きくなって大きな事件を起こすんですよね。

親が善悪をきちんと教えないからなの?
いじめのことはかなり複合的で、成り行きとか
雲行きみたいなものに左右される気がします。
犯罪はある意味、親の影響を受けて引き起こす場合が多いかもね?

ただ、学校のいじめは標的にされたら
私は加寿子と同じように逃げると思う。
それが一番子供を守れそう。
返信する
くうさん♪ (かりん)
2007-06-27 00:29:15
こんばんは!

いいところで終わっちゃうから、
商売がうまいわ(笑

>雨木が明日香を本当に思っていてくれたこと、そして、明日香が実は雨木の本音を知っていて慕っていたこと、救われました。

本当ですね。
今までの雨木の態度からかなり誤解してました。

でも雨木としては一番守りたいのは、音也だったのでしょうね。
けれど音也は母の代わりに天誅という、
間違った考えを持っているみたい。
そういう音也を雨木は強く正すということもしていなかったみたいで、それが気になりました。

>母親の弱さなのでしょうか

母だからなのでしょうか?
私はダメならダメと強くいうタイプなので
やんわりじんわり言ってもわからなければ
もっと別の行動に出るかも?
そういう点、雨木は教育者だというのに
わかってないような気がします。

毎回、目が見開くようにハマってきていたので
最終回がくるなんて残念な気分ですが・・
もうあさってですね・・・
返信する

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