空手道へっぽこ稽古日誌 An ordinary person's karate practice diary

いい歳こいて空手を学ぶおっさんの備忘録。
23年7月2日に二段になりました。
まだ続けるのこれ?

図説 武術事典(新紀元社)

2008年10月12日 | 【紹介】書籍
図説 武術事典 (単行本)
小佐野 淳 (著)
単行本: 273ページ
出版社: 新紀元社 (2003/08)
ISBN-10: 4775301918
ISBN-13: 978-4775301913
発売日: 2003/08

本の内容ですが、なかなかに面白いです。
特に各武術に関する基本的な定義や制度、諸流の隆盛衰退、そして誤解されやすい武術の技などについて、わかりやすく解説されています。
中国拳法との比較や、日本と中国の武術的な関係性なども併記されていて、こちらもためになります。
著者は日本の古流武術(しかも複数)と中国拳法 金鷹拳を習得されているとのこと。

今回紹介する『図説 武術事典』によると、柔術諸流が整理体系化されたころは、戦国時代が終わり、剣術が介者剣法から素肌剣法に変わってから。
むしろ刃物を持たないまたは持てない農民や捕り方が武士・浪人・やくざものなどの刃物をもった人間に立ち向かうための武術として柔術が成立した可能性があるという論拠でした。だからこそ、杖術や棒術と柔術が併伝されているというのです。

また甲冑柔術を名乗る流派もあるが、まったくなかったわけではないだろうが、甲冑を着て稽古することは…?というように記されておりました。
著者ご本人も、代表的な甲冑柔術である柳生心眼流を修めた上で書いてらっしゃるので、信憑性は高いのかも。
と、思いつつ、しかし甲冑を着た重い武者を仮想的にした投げ技もありますし、「蓮華砕き」の名でしられる甲冑の上から心臓や内臓を打つという打突技があることも事実です。
私が思うに、きっと太極拳と同じで、戦国時代に発祥し、鎧武者との組討を中心に技が作られ、江戸期に対剣術を中心とした徒手格闘技に洗練されてきたというかたちではないでしょうか?そんな気がします。