空手道へっぽこ稽古日誌 An ordinary person's karate practice diary

いい歳こいて空手を学ぶおっさんの備忘録。
23年7月2日に二段になりました。
まだ続けるのこれ?

原発避難の生徒にいじめ 無念の4年、被害生徒の父「時間返して」/16.11.10/東京新聞

2016年11月10日 | 【東日本大震災】
原発避難の生徒にいじめ 無念の4年、被害生徒の父「時間返して」
2016年11月10日 東京新聞 朝刊

 東京電力福島第一原発事故で福島県から横浜市に自主避難した中学一年の男子生徒(13)が、市立小学生時代に避難者であることを理由にいじめを受けていた問題で、生徒の父親が九日、本紙の取材に応じた。いじめは避難直後から少なくとも四年に及んでおり、「学校がちゃんと対応してくれず、卒業式にも出られなかった。時間を返してほしい」と訴えた。 (志村彰太)

 父親によると、一家は放射能の影響を恐れて避難。生徒は小学二年の二〇一一年八月、市立小に転入した。直後から同級生から「菌」や「放射能」と呼ばれたり、蹴られたりした。支援物資として提供された文房具を取られたこともあり、三年のころから休みがちになった。
 さらに五年になると、「(原発事故の)賠償金をもらっているだろ」と言われ、ゲームセンターや観光地の同市みなとみらい地区で遊ぶ金をせがまれた。多い時には十人に十万円を支払い、一カ月半の間に計約百五十万円に上った。
 生徒は父親のお金を内緒で持ち出していた。自主避難のため賠償金は数十万にとどまり、親族から当面の生活費を借りて家に置いていた。生徒がそのお金を使い果たし、財布のお金を持ち出したときに、父親が気付いた。生徒は「お金を持って行けば、いじめられなかった」と話したという。
 父親が学校に相談すると、学校側は「お金が絡んでいるので警察に相談してください」と言うだけで同級生への指導はしてくれなかったという。生徒は六年になると、一度も登校しなかった。
 父親は学校に不信感を抱き、弁護士に相談。学校側やいじめたとされる同級生の保護者らと話し合ったが、改善せず、昨年十二月に第三者委に調査を申し入れた。
 父親は「避難者ということで少しのいじめは覚悟していた。しかし、学校が対応してくれず、いじめがエスカレートしていった」と振り返り、「子どもには、修学旅行も行かせてあげたかったのに、できなかった」と無念を語った。

◆報告書 目立つ黒塗り
 自主避難した男子生徒のいじめ問題で、有識者でつくる横浜市教育委員会の第三者委員会は九日、林文子市長にいじめの原因や再発防止策をまとめた報告書を提出した。林市長は「申し訳ない。現場に緩みがあったのは間違いない」と対策を検討する考えを示した。だが、市教委が報道陣に公表した報告書は黒塗りが多く、校内で何が起きたのかを市教委自らが説明することはなかった。
 生徒の父親から相談を受けた弁護士によると、報告書では生徒が受けた暴言や暴力は「いじめ」と認定。遊ぶ金を負担させられたことは「いじめを背景に起きた問題」としている。だが、市教委は「個人が特定される」として、生徒が受けたいじめの内容を記した部分は公表しなかった。
 市教委はこの日の会見で「高学年になると、親との信頼関係が失われ、事実関係の聞き取りができず、いじめが長期化した」などと釈明した。報告書では、この学校側の言い分を「言い訳にしても不適切」と厳しく批判している。

東京都水道水のセシウム汚染…福島原発事故から5年後のナゼ/16.10.28/女性自身

2016年10月31日 | 【東日本大震災】
東京都水道水のセシウム汚染…福島原発事故から5年後のナゼ
女性自身 10/28(金) 6:00配信

東京都水道水のセシウム汚染…福島原発事故から5年後のナゼ
11の都県で’16年1~3月の時点で放射性セシウムが検出
 ’11年の福島原発事故を受けて、原子力の安全確保のために環境省に新たに設置された原子力規制委員会。そのホームページ(HP)に「上水(蛇口水)モニタリング」というデータが公開されていることをご存じだろうか。ここには47都道府県の水道水の放射性物質の検出結果が一覧表になっている。その表を見てみると、なんと11の都県で’16年1~3月の時点で放射性セシウムが検出されているのだ。

【宮城県(仙台市)】放射性セシウム137・1.1ミリベクレル
【山形県(山形市)】放射性セシウム137・0.76ミリベクレル
【福島県(福島市)】放射性セシウム137・1.2ミリベクレル
【茨城県(ひたちなか市)】放射性セシウム137・0.8ミリベクレル
【栃木県(宇都宮市)】放射性セシウム137・1.7ミリベクレル
【群馬県(前橋市)】放射性セシウム137・1.3ミリベクレル
【埼玉県(比企郡)】放射性セシウム137・1.3ミリベクレル
【千葉県(市原市)】放射性セシウム137・0.57ミリベクレル
【東京都(新宿区)】放射性セシウム134・0.43ミリベクレル、放射性セシウム137・1.7ミリベクレル
【神奈川県(横浜市)】放射性セシウム137・0.4ミリベクレル
【新潟県(新潟市)】放射性セシウム137・0.38ミリベクレル

「東京都水道局のHPを見ると’11年4月4日に放射性ヨウ素131(8ベクレル)が検出されて以降、水道水から1回も放射性物質が検出された報告は載っていません。ところが原子力規制委員会のモニタリング結果では、いまだにセシウム134と137を合わせると約2ミリベクレルの放射性物質が含まれているんです」

 こう解説するのは経産省の諮問機関・原子力小委員会委員である伴英幸さん(原子力資料情報室共同代表)。

「福島原発事故後、岩手県から首都圏、神奈川県や新潟県の一部まで非常に広範囲に、福島原発から放出された90京ベクレル(京は兆の1万倍)ともいわれる大量の放射性物質が降りました。’11年3月22日に、東京都の水道水からも210ベクレル/kgという放射性物質(ヨウ素131)が検出され、金町浄水場付近の住民に代替飲料として水のペットボトルが配られたことを記憶している人も多いはず。当時汚染されたエリアといま水道水から放射性物質が検出されているエリアはほぼ重なります」(伴さん・以下同)

 驚くのは、現在、福島県の水道水より東京都の水道水に含まれる放射性物質のほうが多いことだ。それにしても事故から5年半たったいまもなぜ水道水のセシウム汚染が続いているのだろうか?

「現在観測されるセシウム134と137は半減期(放射線を出す量が半分になる期間)からいって(134と137が)1対4の比率ならば福島原発事故で出たものと特定されます。東京都の水道水の含有比率はまさに1対4なので、福島から飛来したものに間違いない。都の水道水は利根川水系、荒川水系、多摩川水系の水が混じっている。いずれかの水源の上流部から川底に沈殿しているセシウムが砂などといっしょにいまだに流れてきていると考えられます」

福島原発 8兆円負担増 電事連、国費求める/16.10.04/毎日新聞

2016年10月04日 | 【東日本大震災】
福島原発 8兆円負担増 電事連、国費求める
毎日新聞 2016年10月4日 14時00分(最終更新 10月4日 14時51分)

 電力業界団体の電気事業連合会(電事連)が、東京電力福島第1原発事故の損害賠償・除染費用について、東電を含む大手電力各社の負担額が当初計画を約8兆円上回るとの試算をまとめ、超過分を国費で負担するよう政府に非公式に要望していることが4日明らかになった。政府はこれまで「賠償・除染費用は原則的に原発事業者の負担」との立場を取ってきており、慎重に検討するとみられる。

 福島第1原発事故の賠償・除染費用は、(1)国がいつでも現金に換えられる「交付国債」を原子力損害賠償・廃炉等支援機構(国の認可法人)に渡す(2)東電は機構から必要な資金の交付を受け、賠償・除染に充てる(3)機構は後に東電を含む大手電力から負担金を受け取り、国に返済する−−という仕組み。賠償分は東電と他の大手電力が分担▽除染費用は機構が持つ東電株の売却益を充当▽中間貯蔵施設の費用は電源開発促進税で賄うことになっている。

 政府は2013年、賠償費用5.4兆円▽除染費用2.5兆円▽中間貯蔵施設の建設費などを1.1兆円と見込み、機構への資金交付の上限を9兆円とした。

 だが、関係者によると、電事連は、賠償費用が見通しより2.6兆円増の8兆円、除染費用が4.5兆円増の7兆円になると試算。また、東電株売却益も株価下落で1兆円減少し、合計で8.1兆円の資金が不足すると見積もっている。大手電力各社は「除染費用は東電株の売却益で賄えず、最終的に電力各社が負担を迫られる」とみている。

 一方、原発再稼働の停滞や、電力小売り自由化による競争激化などから大手電力の経営環境が悪化したとして、賠償・除染費用の超過分の政府負担を求めた。

 福島第1原発の廃炉費用を巡っては、東電が2兆円を工面しているが、数兆円規模の財源不足も予想される。東電ホールディングスは7月、廃炉費用などの負担支援を政府に求めている。今回の電事連の要望に廃炉費用は含まれていない。

 政府は福島第1原発の賠償や廃炉費用の負担について、5日から始める「東京電力改革・1F問題委員会」などで議論することにしており、電事連の要望も今後協議される可能性がある。【宮川裕章、工藤昭久】

解説 事故つけ回し「無責任」

 電気事業連合会が東電福島第1原発事故の賠償・除染費用の超過分を国に負担するよう要望した。だが、大手電力各社はこれまで「原発のコストは安い」と説明してきた。事故のつけを国に求める姿勢は、「無責任」との批判が免れない。

 電力各社には「原発は『国策民営』で推進されてきたのに、事故が起きたときは事業者が責任を取らされる」との不満がある。東電以外の大手には「東電の事故の責任を負わされるのは理不尽」との思いもある。

 だが、大手電力は原発稼働で巨額の利益を上げてきた。原発の「安全神話」に寄りかかり、事故対策を怠ってきた面は否定できない。福島第1原発事故に伴う賠償・除染費用が膨大な額に達する見通しになったからといって、国に負担を押しつけるのは筋が通らない。国が負担を引き受ければ、最終的に税金が投入され、国民負担につながる。

 福島第1原発事故の処理費用は、国が原子力損害賠償・廃炉等支援機構を通じていったん立て替えるが、最終的に電力各社が負担する仕組みだ。この制度の趣旨にも大きく反する。【宮川裕章、工藤昭久】

廃炉費 新電力も負担 政府調整、料金に上乗せ/16.09.08/毎日新聞

2016年09月08日 | 【東日本大震災】
廃炉費 新電力も負担 政府調整、料金に上乗せ
毎日新聞 2016年9月8日 東京朝刊

 政府が原発の廃炉や東京電力福島第1原発事故の賠償を進めるため、大手電力会社だけでなく、新電力にも費用負担を求める方向で調整に入ったことが7日、わかった。電力自由化で大手電力から新電力に契約を切り替える消費者が増えた場合、原発の廃炉や原発事故の賠償にかかる巨額の費用を賄えなくなる可能性があるためだ。だが、本来は大手電力が負担すべきコストを国民全体に求めることになり、議論を呼ぶのは必至だ。

 現行制度で原発の廃炉は、原発を保有する大手電力が自社の電気料金から費用を回収することになっている。福島第1原発事故の賠償は、東電が国の認可法人「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」から必要な資金の交付を受け、大手電力が負担金を同機構に納付している。

 政府が導入を検討している新制度は、原発を保有する大手9社だけでなく、新電力にも廃炉や福島原発の賠償費用を負担させる仕組み。新電力各社は電気料金に上乗せして回収するため、契約者の負担が増すことになる。政府は事故を起こした福島第1原発のほか、全国の原発が廃炉になった場合の費用と、同機構を設立する前にかかった福島原発事故の賠償費用の合計を約8兆円と試算。家族3人の標準家庭モデルで月額数十円から200円程度の負担を想定している。

 しかし、新電力の契約者に原発の廃炉や東電の賠償費用を負担させることは、大手電力と新電力との競争を促すことで料金引き下げにつなげる電力自由化の趣旨に反し、原発を抱える大手電力の事実上の救済策と言える。

 政府は総合資源エネルギー調査会(経済産業相の諮問機関)の下に小委員会を設け、新制度を議論し、年末までに一定の方向性を出した上で来年の通常国会に電気事業法の改正案を提出する。【川口雅浩】

負担額4兆2000億円超す=福島原発事故で国民転嫁-除染・廃棄物費用など/16.08.28/時事通信

2016年09月04日 | 【東日本大震災】
負担額4兆2000億円超す=福島原発事故で国民転嫁-除染・廃棄物費用など
時事ドットコム 2016/08/28-15:31

東京電力福島第1原発事故で掛かる除染や廃炉、損害賠償などの費用のうち、国民の負担額が2015年度末までに4兆2660億円を超えたことが28日、分かった。日本の人口で割ると、1人3万3000円余り。東電は政府にさらなる支援を求めており、今後も拡大する見通しだ。

時事通信は15年度までの復興特別会計の決算状況などを精査。
原子力災害関連予算の累計執行額や東電など電力7社が電気料金の値上げ分に含めて賠償に回す一般負担金などを集計した。

その結果、除染や汚染廃棄物の処理、汚染土などの中間貯蔵施設の費用に計2兆3379億円支出されたことが判明。
政府が原子力損害賠償・廃炉等支援機構などを通じて立て替えている。

除染や汚染廃棄物処理の費用は最終的に同機構が保有する東電株の売却益が充てられる計画。
東電株の取得に際して金融機関が行った融資には政府保証が付き、株価低迷などで返済が焦げ付けば税金で穴埋めされる仕組みだ。

政府は東電株の売却益を約2兆5000億円と見込むが、株価の大幅上昇が必要な上、環境省は今年度中に除染費用などの累計額がその額を上回る可能性があるとみている。

中間貯蔵施設の費用にはエネルギー特別会計から計約1兆1000億円が支出されることになっており、その大本は電源開発促進税で、電気料金に含まれている。



これ以外に、政府は直接の財政支出で廃炉支援や食べ物の放射能検査、研究開発の拠点整備などを実施。
計1兆3818億円が使われた。

また、東電など電力7社は事故後の電気料金値上げで、既に一般負担金分として少なくとも3270億円を上乗せ。
さらに、東電は汚染水処理装置の保守管理費や賠償相談のコールセンター運営費などで2193億円以上も消費者に転嫁した。(2016/08/28-15:31)

海洋汚染、収束せず 福島第一 本紙調査でセシウム検出。/14.12.01/東京新聞

2014年12月06日 | 【東日本大震災】
海洋汚染、収束せず 福島第一 本紙調査でセシウム検出 
2014年12月1日 07時03分 東京新聞

東京電力福島第一原発至近の海で、本紙は放射能汚染の状況を調べ、専用港の出入り口などで海水に溶けた状態の放射性セシウムを検出した。事故発生当初よりは格段に低い濃度だが、外洋への汚染が続く状況がはっきりした。一方、東電は精度の低い海水測定をしていながら、「検出せず」を強調する。事故当事者としての責任を果たしているのかどうか疑問がある。 (大野孝志、山川剛史)

本紙は十月二十日、地元漁船をチャーターし、独協医科大学の木村真三准教授(放射線衛生学)と合同で原発周辺五カ所の海水と海底土(砂)を採取。後日、同大の高性能のゲルマニウム半導体検出器を使い、それぞれ二十四時間、八時間かけ計測した。海水はろ過し、ちりなどに付着したセシウムは除去した。

結果は図の通りで、水、砂とも港の出入り口が最も濃度が高く、ここから拡散していることがうかがえる。注目されるのは、同地点の海水から一リットル当たり一・〇七ベクレルのセシウムを検出したことだ。「一ベクレルの海水=食品基準の一〇〇ベクレルの魚が捕れる可能性」が一つの目安としてあり、決して無視できない汚染といえる。

東電は原子力規制委員会が定めた基準に沿って海水モニタリングをしているが、日々の公表資料は「検出せず」の記述が並ぶ。計測時間はわずか十七分ほどで、一ベクレル前後の汚染はほとんど見逃すような精度しかない。大型魚用の網で小魚を捕ろうとするようなものだ。

東電の担当者は「国のモニタリング基準に沿っている」と強調する。

原子力規制委事務局の担当者は「高濃度汚染がないか監視するのが目的。迅速性が求められ、精度が低いとは思わない」としている。

しかし、かつての高い汚染時なら、精度が低くても捕捉できたが、現在のレベルなら、やり方を変えないと信頼できるデータは出ない。汚染が分からないようにしているのではないかとの疑念を招きかねない。

地元、相馬双葉漁協の高野一郎・請戸(うけど)支所長は「何度調べても汚染が検出されなければ、私たちも消費者も安心できる。しかし、国や東電がきちんと調べてくれないと、誰も信用できない」と語った。

木村准教授は「高性能な測定機器を使っても、短時間の測定では、国民や漁業関係者から信頼される結果を得られない。海の汚染は続いており、東電は事故の当事者として、汚染の実態を厳密に調べ、その事実を公表する義務がある」と指摘している。
(東京新聞)

原発賠償:受けられず倒産…ADR申し立てのバス会社/14.11.23/毎日新聞

2014年11月23日 | 【東日本大震災】
原発賠償:受けられず倒産…ADR申し立てのバス会社
毎日新聞 2014年11月23日 07時30分

東京電力福島第1原発事故の賠償を巡り、裁判外で紛争を解決する手続き(原発ADR)を担当する「原子力損害賠償紛争解決センター」が、事故後に減収したバス会社15社の和解協議を打ち切った問題で、このうち1社が倒産に追い込まれていたことが分かった。センターに詳細な資料を要求されたが準備できず、賠償を受けられなかった。社長の父は「早く解決してくれれば倒産しなくてすんだ」と批判した。

倒産したのは東京・多摩地区のバス会社。民間の信用調査会社などによると、1974年設立で、当初は冠婚葬祭の送迎や地元住民の旅行など小規模の契約が中心だったが、2007年からは大手旅行会社によるツアーを受注。08〜10年は毎年4億〜5億円の売り上げがあり経営は順調だった。しかし関係者によると、11年3月の原発事故後、旅行会社のツアーや小中学校の遠足、老人会の旅行、ゴルフ大会の送迎など、予約が次々とキャンセルされた。社長の父は「かかってくる電話はキャンセルばかり。電話を取るのが怖かった」と話す。

11年の売り上げは約2億円と半減。12年春、同社も加盟する「東京バス協会」の呼びかけで、減収分を東電に請求するため、集団で原発ADRを申し立てることになった。同社を含む東京都と神奈川県の16社が参加を決め、12年5月に開かれた弁護士との打ち合わせで社長は「早くやりましょう」と訴えたという。

申し立ては同10月。同12月の進行協議で、和解案を作成するセンターの仲介委員(弁護士)は「キャンセル1件ごとに、原発事故が理由かどうか分かる資料を出してほしい」と求めた。しかし、客からキャンセルの連絡を受けるたびに理由を聞き記録していたのは1社だけで、同社を含む15社は資料を用意できなかった。

この間、同社の経営は悪化。約10台のバスのリース料が払えなくなり、バスが手元から無くなり、注文が入っても他社に回さざるを得なくなった。関係者は「社長は支払いを督促する電話に『すみません、すみません』と頭を下げていた」と振り返る。13年3月、関東運輸局に事業休止を届け出て、同月、2度目の不渡りを出し事実上倒産した。

センターが結論を出したのは、それから約9カ月後の13年12月。キャンセル理由に関する資料を提出した1社分だけの和解案を示し同社を含む15社の和解協議は打ち切った。

東日本大震災:福島第1原発事故 県外進学、賠償返還請求 東電「避難終わった」/14.10.23/毎日新聞

2014年10月24日 | 【東日本大震災】
東日本大震災:福島第1原発事故 県外進学、賠償返還請求 東電「避難終わった」
毎日新聞 2014年10月23日 東京朝刊

東京電力福島第1原発事故で、実家が帰還困難区域になった女性(21)に支払われた賠償金1600万円のうち、福島県外の短大に進学して転居した以降の精神的賠償など約900万円について、東電が返還を求めていることが分かった。女性側は「帰還できる見通しが立たず、精神的苦痛は続いている」と反論。具体的な賠償基準が公表されていないことに加え、多額の返還を突然求められれば、被災者の生活設計に混乱をもたらす恐れがある。【栗田慎一】

文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会の中間指針は、精神的賠償の対象を「長期間の避難を余儀なくされた者」と規定し、請求を受け付ける東電が判断する。賠償金の返還を求められたことが明らかになったのは東電社員以外では初めて。精神的賠償の対象は約8万人いるが、今後も進学、結婚、転勤などで住所を変える被災者に波及する可能性があり、賠償基準の明確化が課題になりそうだ。

毎日新聞の取材に応じた21歳女性の家族によると、女性は双葉郡居住の高校3年だった2010年12月、関東地方の3年制看護短大に推薦入試で合格。11年3月の原発事故後は家族と県内の避難先を転々とした。進学した同4月上旬、短大近くのアパートで1人暮らしを始め、今春卒業して関東の病院に就職した。

家族が今年6月、賠償の相談で東電窓口を訪れ、女性の進学経緯なども説明すると、9月上旬に「本来お支払いすべき金額と異なる」として「精算」を求める文書が届いた。東電に「進学先は事故前に決まっており、入学に伴う転居で避難は終わった」などと説明された。

返還を求められたのは▽11年5月以降の月10万円(6年1カ月分)の精神的賠償計730万円▽旧警戒区域からの避難に対する賠償48万円▽家財の財物賠償約128万円。財物賠償について女性側は、原発事故で家具などを持ち出せず、新たに購入したため請求したが、「進学に伴う購入」などの理由で返還を求められた。

女性の家族は「帰還困難区域は自宅に長期間戻れない。進学しても経済的に自立したわけではなく、避難生活は終わっていない。東電は支払い基準を公にしておらず、納得がいかない」と話す。東電福島復興本社広報部は毎日新聞の取材に「個々の事例は明らかにできないが、進学だけで判断しているわけではない。今後の賠償は個々の状況も確認しながらやっていく」としている。

福島県教育委員会によると、この女性のように11年春に卒業した高校生は避難区域内に約1000人いた。事故前に避難区域外への転居が決まっていれば、賠償金の返還を求められる可能性がある。

 文科省原子力損害賠償対策室は「一般論では自宅に戻れない以上、進学で避難終了にはならない」との見解。一方、東電の監督官庁である経済産業省資源エネルギー庁の原子力損害対応室は「支払うかどうかの境界線上の事例」とみて議論が必要だとしている。

 ◇結婚機に打ち切りも

支払い済みの賠償金を巡り、問題が表面化した例として、東電が東電社員に対して行った返還請求がある。立ち入り制限区域外の賃貸住宅に転居した複数の社員に「避難は終了した」として精神的賠償などの返還を求め、ある社員への請求額は数百万円に上った。

賠償金支払いの打ち切りが問題になった例もある。避難区域に自宅のある30代女性が避難区域外の男性と2011年10月に結婚した際、東電は「結婚で生活基盤が整った」として精神的賠償を打ち切った。女性は「精神的苦痛はなくならない」と訴え、国の原子力損害賠償紛争解決センターによる和解仲介手続き(原発ADR)を開始。経済産業省資源エネルギー庁が「結婚で打ち切るのはおかしい」と東電への指導に動き、支払いが再開された。

核燃料ほぼ全量落下 福島3号機 廃炉一層困難/14.08.07/東京新聞

2014年08月08日 | 【東日本大震災】
核燃料ほぼ全量落下 福島3号機 廃炉一層困難
2014年8月7日 東京新聞 朝刊

東京電力は六日、福島第一原発事故で炉心溶融(メルトダウン)した3号機について、核燃料のほぼすべてが溶け落ちた可能性が高いとする解析結果を発表した。これまでは溶け落ちた量を六割程度とみていた。1号機でもすべての核燃料が溶け落ちたとみられており、廃炉のための核燃料の取り出しは、さらに難しくなった。

解析結果によると、3号機では従来の推定より約五時間早い、二〇一一年三月十三日午前五時半に核燃料が溶け始め、翌日の午前七時ごろには圧力容器の底を突き破り、格納容器に落ちた。格納容器床のコンクリートを最大六十八センチ溶かし、容器外殻の鋼板まで二十六センチに迫っていた。これまでは最大63%の核燃料が溶け落ち、床面を二十センチ溶かしたとみられていた。

3号機では一一年三月十三日未明、緊急用の冷却装置を運転員が手動で止めた後、ポンプ注水をしようとしたがうまくいかず、冷却の遅れにつながった。

その後の調べで、前日の十二日午後八時ごろに冷却できなくなっていたと分かり、東電が解析し直していた。

原子炉への注水で温度が下がったことから、東電の担当者は、圧力容器の中に核燃料の一部が残っているとみているが「核燃料の取り出し作業では、相当な量が落ちていることが前提となる」と説明した。

一方、2号機では事故当時、炉内の圧力を下げられないまま消防車で注水したため、核燃料と水が反応して大量の水素と熱が発生。注水が中断し、核燃料の溶融を促したと分析した。

解析結果と原発の新しい規制基準との関わりについて、原子力規制委員会事務局は「一般論だが、福島事故の教訓として得られる知見があれば、基準の見直しを図っていく」とした。

<帰還困難区域>年間被ばく線量、内閣府が試算公表/14.06.23/毎日新聞

2014年06月24日 | 【東日本大震災】
<帰還困難区域>年間被ばく線量、内閣府が試算公表
毎日新聞2014年6月23日(月)23:01

内閣府は23日、東電福島第1原発事故で帰還困難区域(年間被ばく線量50ミリシーベルト超)に指定された地域を中心に、個人の年間被ばく線量の推計試算結果を公表した。年間被ばく線量が100ミリシーベルトの地点でも、除染を行えば事故から10年後の2021年に、避難指示解除の目安となる20ミリシーベルトを下回ると試算している。内閣府は、試算を復興計画や住民の意向確認の時などに活用していく。ただ、避難自治体や住民からは、年間被ばく線量を1ミリシーベルトまで下げることを求める声もある。

 ◇2012年、20ミリシーベルト下回る

内閣府は、環境省が行った除染モデル事業の結果などを参考に初めて試算を行った。

成人男性が1日を屋外で8時間、屋内で16時間過ごした場合、昨年11月に年間被ばく線量が100ミリシーベルトの地点は、除染を行わなくても事故から10年後の21年3月に37ミリシーベルトまで低減するという。来年3月に除染が完了した場合は、除染の効果が高ければ9~10ミリシーベルト、低ければ17~19ミリシーベルトになると推計した。

同様に、年間被ばく線量が50ミリシーベルトでは、除染を行わない場合は21年3月に19ミリシーベルト、除染を行った場合、効果が高ければ6~7ミリシーベルト、低ければ10~11ミリシーベルトになると試算した。

内閣府の担当者は「さまざまな仮定を置いた上での推計であり、試算結果の数値は幅をもって解釈する必要がある。今後、住民に分かりやすい形で情報提供し、復興施策に活用させる」と話している。【小林洋子】

東京電力、関係自治体に謝罪 八王子エリアなどの大規模停電/14.04.28/産経新聞

2014年04月29日 | 【東日本大震災】
東京電力、関係自治体に謝罪 八王子エリアなどの大規模停電
産経新聞2014年4月28日(月)19:33

東京都八王子市や多摩市で27日夜、最大約30万1千軒が停電した問題で、東京電力八王子支社の幹部が28日、関係自治体を訪問して謝罪した。

八王子市には、同社の山本司副支社長らが訪問。石森孝志市長に対し「長時間の停電でご迷惑をおかけしました」と陳謝した。

そのうえで、原因について「南多摩変電所(八王子市)の『開閉器』のトラブルだと思われるが、詳細は調査中」と説明した。開閉器は、電気設備の点検等のために電気の流れを切り替えるためのスイッチ。

八王子市の防災担当者によると、停電発生後、市民から停電に関する問い合わせが集中。東電側に電話や防災無線で連絡を試みたが、なかなか繋がらなかったという。

石森市長は東電に対し、大規模な停電事故が起きた場合の自治体への連絡体制を確認するよう要請したという。

「分かれて生活」半数 福島県調査、避難2万世帯が回答/14.04.28/朝日新聞

2014年04月29日 | 【東日本大震災】
「分かれて生活」半数 福島県調査、避難2万世帯が回答
朝日新聞2014年4月28日(月)23:21

福島県は28日、東京電力福島第一原発事故などで避難した全世帯を対象にした初めてのアンケートの結果を公表した。避難後に2カ所以上に分かれて暮らしているという回答が半数近くに上り、7割近くが避難後に心身の不調を訴えるようになった家族がいると答えた。

県が今年1月下旬~2月上旬、県内外に避難した6万2812世帯に用紙を郵送し、2万680世帯から回答を得た。このうち国の避難指示区域から避難したのは1万6965世帯(約82%)、同区域以外からのいわゆる自主避難者は3683世帯(約18%)。どちらか分からない避難者が32世帯いた。自主避難者も含めた県全体を対象にした調査は初めて。

1カ所で暮らす世帯(一人暮らしを含む)は44・7%。
2カ所以上に分かれて暮らす世帯は48・9%、3カ所以上の世帯も15・6%に上った。

インタビュー:原発は国家ぐるみの粉飾決算=吉原・城南信金理事長/14.04.18/ロイター

2014年04月18日 | 【東日本大震災】
インタビュー:原発は国家ぐるみの粉飾決算=吉原・城南信金理事長
2014年 04月 18日 18:30 JST

[東京 18日 ロイター] -脱原発路線を強力に主張する異色の地域金融機関トップとして知られる城南信用金庫(本店・品川)の吉原毅理事長が、ロイターのインタビューに応じ、原発コストが安いというのは将来負担を無視した国家ぐるみの粉飾決算に近いとの見解を示した。

また、新エネルギーの開発が新しい経済の活力を生み出すとの持論を展開した。

東京・神奈川を地盤に信金業界2番手の総資産3兆6000億円を持つ同信金は、地銀中位行に匹敵する規模を誇る。そのトップとして、金融業とエネルギーの政策のかかわりあいに関し、どのような本音を持っているのか聞いた。

―金融機関のトップが、政治的発言をするのが極めてまれだ。

「金融は、政治にかかわるべきではなないという意見がある。それは本来、権力にかかわることで金融が求めるべき理想がねじ曲げられ、利用されてしまう懸念が生じるために生まれた考えだ」

「しかし、金融に限らず企業の目標は、より良い国や社会を構築することだ。すべての企業は、理想の実現のためにある。経営者は、金儲けだけ考えればいいというのはおかしいのではないか」

―国論を二分する1つの側に付くことで、顧客からの不評を買わないか。

「消費者のニーズに応えることが企業、つまり消費者主権という考えは間違えていないか。例えば当社は、投機のためのゴルフ会員権購入のための融資はお断りする。そういう資金使途には貸せない。健全性とは何かを考え、顧客にも説明していく。それが金融マンの役割だ」

「福島第1原子力発電所の事故で分かったことは、将来の世代に責任を持てないエネルギーということだ。もはや原発は反社会的存在だ。原発を造る金を貸せと言われたら、お断りする」

―電力債は、金融機関の運用手段としても重要だ。

「東電の株式と社債は、事故後に売却した。金融機関は公共的な存在だ。東電の株式や社債に投資をするわけにはいかない」

―経済界の中には、コストの安い原発を稼働しないと、日本経済が立ち行かないという意見が多い。

「原発のコストの方が低いという人で、いやしくもビジネスマンや経済に携わる者ならば、会計の原則ぐらい勉強していただきたい。コスト計算には、直接原価と間接原価があり、そこで総合原価計算が行われる。原発は、今あるウランを使うだけならば直接原価は低い」

「では、その結果の間接原価はどうなのか。将来の廃炉費用や、使用済み核燃料の保管料や処理費用、工事費や人件費、地代がカウントされているのか。カウントされていない。われわれは今、時価会計で、将来に発生するキャッシュフローをすべて現在価値化し、負債計上している。原発にはそれが入っていない」

「1回事故が発生したら、天文学的なコストがかかる。貸し倒れ引当金の積み立ての考え方を入れれば、とんでもない引き当てを積まなければならない。これは、不採算というのではないか。国家ぐるみの壮大な粉飾決算だ」

――原発の再稼働ができなければ、値上げしなければならない。
  顧客の中小企業にとっても、それは経営上の困難になるのではないか。


「まず、原発の将来に発生する未計上のコストをちゃんと計上しなければならない。その上で、原発を再稼働させたら、もっと値上げをしなければならない」

「新しい電力産業が勃興してくれば、新産業としてモノづくりの復活にもつながる。例えば、石炭ガス化コンバインド発電やソーラーパネル、さまざまサービスも増える。工事やモノづくりに携わるわれわれの顧客たちにも恩恵がある。原発の再稼働では、新産業は生まれない」

――経常赤字を懸念する指摘もある。

「燃料の輸入によって、貿易収支が悪化し、経常収支が赤字に陥るのは日本経済にとってマイナスだという指摘は、本当に正しいのか。経常収支が赤字でも成長している国はたくさんある。日本は、黒字を溜め込み、結果的に円高になり、デフレから抜け出せなかった。輸出入のインバランスは、為替で調整される」

――大手銀行は、福島第1原発の事故後に、東電に対して巨額融資を行った。どのように評価する。

「第2の住専問題だという気がする。当時も、政府が保証するからとみんなが貸して、最後は損失となった。1980年代のバブル時も金融機関は公共性という考えを放棄し、その後、大きなツケを払わさられることになった。金融機関は、引き返す勇気を持つ必要があると思う」

――大手行は公共性を考えて貸しているのではないか。

「それは、公共性を勘違いしている。東京電力を生かすことが公共性ではない。安全でコストの安い電力サービスを継続的に安定的に保証することが公共性なのではないか。もっと見識を持たなければならない」

(インタビュアー:布施太郎 浦中大我)

(布施太郎 編集:田巻一彦)

匿名 陰から 脅し 盗撮 大量メール 「反原発」に続く嫌がらせ/14.02.22/北海道新聞

2014年02月24日 | 【東日本大震災】
匿名 陰から 脅し 盗撮 大量メール 「反原発」に続く嫌がらせ(02/22 11:37)
北海道新聞 02/22 11:37

「子供は家に一人だよな」と脅す。
がんで闘病中なのにお悔やみのはがきをばらまく。
陰険な手口は今も昔も変わらない。
名も名乗らない手合いによる反原発運動に対する攻撃だ。
犯人が捕まることはまれで野放しに近い。

「子供たちに放射能の危険を残したくない」。
元アイドルで情報会社社長の千葉麗子さんは反原発の思いを自己規制しない。首相官邸前デモで、ツイッターで、訴える。

経営者としての損得を考えると、沈黙が無難だろう。だが、福島県出身。
福島市職員だった父から「あぶない」と聞かされていた東京電力福島第1原発が2011年3月11日、本当に凶器になった。
政府、東電の発表は、後でうそと分かることの繰り返し。自分なりにできることをやろう、と決めた。

13年7月2日朝。登校しようと玄関を出た子供が「母ちゃんっ」と叫んだ。
外に出て息をのんだ。マイカーにペンキで「原発推進」の大文字。窓ガラスは粉々で、タイヤがぺしゃんこだった。

6日、ツイッターに書き込みが来た。「毎週金曜18時から20時前は官邸前に行ってるんだろう。その間、子供一人だな、イヒヒ」

引っ越した。
防犯カメラをつけた。
警備を頼んだ。
「母親の一番弱いところをついてきた。なんて陰湿」。
犯人はまだ、捕まらない。

 ◇68人に合計4千通

昨年8月と今年1月、東京新宿区立区民ギャラリーで「反原発への嫌がらせの歴史展」が開かれた。
弁護士や市民運動家でつくる実行委員会(代表・海渡雄一元日本弁護士会連合会事務総長)が1980年代から今に至る、嫌がらせの実例を展示した。民主主義と表現の自由に対する犯罪だ。

例えば、原発の危険性を専門的に分析している民間団体、原子力資料情報室(新宿区)の女性スタッフが、子供と一緒に歩いている写真がある。誰かが、こっそり撮り、自宅に郵送してきた。「いつも見張っているぞ」とでも言いたいのか。

「コンビニで後ろにいたの気づかなかった?」という別の手紙もある。
トイレで使ったような紙、たばこの吸い殻から昆虫まで、判明しているだけで反原発派68人に約4千通の郵便物が届いた。

 ◇資金力ある組織か

反原発運動の支柱的存在だった故高木仁三郎元東京都立大助教授は1992年、地方講演の際、会場に知らない贈り主から花輪がずらり届いた。共産党の名前入りは豪華だった。
全てニセ。「アカ」と印象づけたかったらしい。

 実行委員会は、これらの犯人像をこう分析する。

《1》郵便の消印は全国、海外にまたがる
《2》個人の自宅住所、出張先まで調べ上げ、写真を撮ったり器物を破壊したりしている
《3》全国の集会参加者や反対運動家のリストをばらまいている
《4》反対運動の内部資料や、反対運動家の郵便箱から盗んだとみられる書類もあった―、
こんなことができるのは、強力で資金力のある大きな組織に限られる、と。

昨年は、全国の反・脱原発33団体に約253万通、迷惑メールを送りつける事件も起きた。
「反原発教徒を皆殺しにしなければ世界平和はこない」といった内容だ。
受けた団体は大量の迷惑メールの中から真正のメールを探さなければならず、大混乱した。

海渡代表は呼び掛ける。
「原発再稼働に向け、反原発運動を分裂させるため、嫌がらせは続くだろう。われわれはひるまない。再犯を防ぐためにも、犯行に加担した人は名乗り出てほしい」

 ◇一転「申し訳ない」と

檜山管内せたな町の法華寺住職大塚泰淳さん(69)には確信がある。
1988年、北電泊原発前で抗議の断食をした。
後日、街宣車が寺に現れボリュームを上げた。「大塚、出て来いっ」

本堂に招き入れ、言い分を聞いた。
「売名行為をやめろ。原発は必要だ」。
溝は埋まらない。だが、話し合いを約束し、以来、手紙のやりとりが続いた。

3・11直後、男が書いてきた。「あなたの言うとおりだった。申し訳ない」

大塚さんは言う。
「人には仏性があり、必ず仏になれる。どんなことをされても、その人を軽んじたり、憎んだりしてはならない。逆に、被害を受け苦労しても、いつか必ず花開く時が来る。諦めてはいけない」

とはいえ脅し、嫌がらせがこれだけのさばる社会とは一体何か。
福島県知事時代、いったんは原発を容認したものの、東電のトラブル隠しなどで反原発に転じた佐藤栄佐久さんは断罪する。
「これはもう原子力帝国だ。日本の劣化だ」(徃住嘉文)

児童虐待:被災地で増加率高く 福島沿岸部は過去最多に/13.07.28/毎日新聞

2013年07月28日 | 【東日本大震災】
児童虐待:被災地で増加率高く 福島沿岸部は過去最多に
毎日新聞 2013年7月28日(日)09:29

昨年度初めて全国で6万件を超えた児童虐待の件数に関し、とりわけ東日本大震災の被災地で増加が確認された。児童相談所(児相)が2012年度に対応した虐待相談は、福島県では311件で前年度より52件増え、増加率は全国平均の倍近い20%。仙台市を除く宮城県も875件で、増加率は28%に達した。関係者は、震災や原発事故に伴う避難による親のストレスなどを背景に挙げている。

厚生労働省が25日発表した全国の昨年度の相談対応件数(速報値)は、虐待に対する社会の関心の高まりも受け、1990年度の調査開始以来最多の6万6807件で前年度比11%増だった。

福島県は、原発事故の避難区域を抱える双葉郡や南相馬市などを受け持つ浜児相分が前年度比2.1倍の120件で過去最多となり全体の4割を占めた。県外避難者が多いにもかかわらず、県全体の相談件数は10年度224件、11年度259件、12年度311件と大幅増が続き、県は「震災と原発避難の影響が数字に表れた」(児童家庭課)と分析する。12年に県警が受理した相談も109件と前年から8割増えた。

宮城県は、震災被害が大きかった名取市などの沿岸部を担当する中央児相分が前年度比30%増の374件。被害が深刻だった石巻市や東松島市を抱える東部児相は前年度と同じ169件だが、県は「落ち着いて相談できない状況の人も多い」(子育て支援課)とみる。

被災地の中では景気が良いとされる仙台市は、442件で前年比8%減。だが、宮城県警全体の虐待対応は254件と前年より3割強増え、子が親の暴力を目の前で見るといった心理的虐待が全体の6割を占めた。岩手県は376件で前年度から微減したが、県警対応は約1割増の144件だった。【野倉恵】