斎藤晴彦さんの一人芝居。
「ヴォイツェック」や「肝っ玉かあさん」で出会えた晴彦さんの魅力にまた会えるのを楽しみにiwato theaterへ。
内容がむずかしくて、正直話には入り込めなかった。
でも、はしばしの言葉が私の中につきささるように飛び込んできた。
社会的背景、人が抱える普遍的な孤独
人が今のこの社会に生まれて、希望のかけらもないどうしようもないことにぶつかってしまったとき、諦めたり怒ったり葛藤したりする。
わかったふりをした方が受け入れてしまった方がずっと楽なのに、そうしない。
できない。
だから苦しい。もがく。
時々……いや大半逃げながら。
空になった酒瓶と向かい合いながらそんな気持ちをひたすら一人で話し続ける姿。
それが、もう孤独そのもの。
舞台中に数えたくもなくなるくらい酒瓶が並べられていて、その中から一つずつ取り出ては転がしたり台に乗せてると、酒瓶が大勢の傍観者にも見えてきた。
空っぽなのがまた空虚を感じさせる。
酒瓶相手にしか自分の思いをぶちまけられない。まるでそこで行われていること自体が一人芝居のようで、そしてそれを演じているのもたった一人で。
この二重構造がたった一人の出演者という孤独と主人公の孤独と重なってみえた。
それにしても一人芝居とはなんと難しいものだろう。
二人以上いればそこに関係が生まれて、人数分の人間以上の何かを見いだしやすいのに、一人だと、ものや空間と対するか客と対するかしかない。
当日パンフで晴彦さんが二人以上の芝居をキャッチボールに例えつつ、一人芝居のことを「壁に向かってボールをなげてキャッチするのとは違う。投げっぱなし放りっぱなしだ」とその状況を語っていた。
投げ続けるのは役者のみ。なんという状況。逃げ場がない。
1時間半以上そこに立ち続け、少しの音楽と照明と酒瓶とお客相手に膨大な量のセリフをたたきつけていく。
それだけでも圧倒されるのに、さらにそれを逆手に?まっとうに?とって孤独を表現した佐藤信さんがこれまたすごいんだと思う。
話がよくわからなくても、なんでこんなにごつごつした感じばかりが胸に残っているのか。
私がもう少し賢くて話の内容がわかったなら、もっともっとこの表現の深みが感じられたんだろうに。
なんだか消化不良気味。お腹の中に食べ物がそのまま残っているみたい。
そんな状態を解消すべくこの後映画を見に行ってしまった。
そして、この消化不良をきれいに?解消してくれた。
ひらめきとタイミングで見に行ったのが運良く大当たり。
何を見たかは次のレビューで……。
「ヴォイツェック」や「肝っ玉かあさん」で出会えた晴彦さんの魅力にまた会えるのを楽しみにiwato theaterへ。
内容がむずかしくて、正直話には入り込めなかった。
でも、はしばしの言葉が私の中につきささるように飛び込んできた。
社会的背景、人が抱える普遍的な孤独
人が今のこの社会に生まれて、希望のかけらもないどうしようもないことにぶつかってしまったとき、諦めたり怒ったり葛藤したりする。
わかったふりをした方が受け入れてしまった方がずっと楽なのに、そうしない。
できない。
だから苦しい。もがく。
時々……いや大半逃げながら。
空になった酒瓶と向かい合いながらそんな気持ちをひたすら一人で話し続ける姿。
それが、もう孤独そのもの。
舞台中に数えたくもなくなるくらい酒瓶が並べられていて、その中から一つずつ取り出ては転がしたり台に乗せてると、酒瓶が大勢の傍観者にも見えてきた。
空っぽなのがまた空虚を感じさせる。
酒瓶相手にしか自分の思いをぶちまけられない。まるでそこで行われていること自体が一人芝居のようで、そしてそれを演じているのもたった一人で。
この二重構造がたった一人の出演者という孤独と主人公の孤独と重なってみえた。
それにしても一人芝居とはなんと難しいものだろう。
二人以上いればそこに関係が生まれて、人数分の人間以上の何かを見いだしやすいのに、一人だと、ものや空間と対するか客と対するかしかない。
当日パンフで晴彦さんが二人以上の芝居をキャッチボールに例えつつ、一人芝居のことを「壁に向かってボールをなげてキャッチするのとは違う。投げっぱなし放りっぱなしだ」とその状況を語っていた。
投げ続けるのは役者のみ。なんという状況。逃げ場がない。
1時間半以上そこに立ち続け、少しの音楽と照明と酒瓶とお客相手に膨大な量のセリフをたたきつけていく。
それだけでも圧倒されるのに、さらにそれを逆手に?まっとうに?とって孤独を表現した佐藤信さんがこれまたすごいんだと思う。
話がよくわからなくても、なんでこんなにごつごつした感じばかりが胸に残っているのか。
私がもう少し賢くて話の内容がわかったなら、もっともっとこの表現の深みが感じられたんだろうに。
なんだか消化不良気味。お腹の中に食べ物がそのまま残っているみたい。
そんな状態を解消すべくこの後映画を見に行ってしまった。
そして、この消化不良をきれいに?解消してくれた。
ひらめきとタイミングで見に行ったのが運良く大当たり。
何を見たかは次のレビューで……。
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