石屋のカミさん日記

仕事に趣味に 好奇心の赴くまま楽しいこと追求します!

恋愛小説

2010-06-12 07:15:37 | Weblog
久しぶりに本を読んだ

面白くて夜中までかかって1日で
読み終えた。

江国香織「真昼なのに昏い部屋」



表紙の装丁と帯の言葉に惹かれて買った
「人妻は物を感じちゃいけないなんて法があるかしら」

何の不自由もなく満ち足りた主婦、美弥子さんが
近所の、アメリカ人大学教師ジョーンズさんと
恋に落ちていくストーリー

昨今、私が読んだなかで
とびきり完成度の高い恋愛小説だった。

江国香織さんの宝石を散りばめたような文体
ひとつひとつ言葉を厳選して
紡がれた丁寧なラブストーリーに
惹き込まれてしまった。

恋が始まるときのワクワクとした高揚感
少しずつ相手を知っていくキラキラした毎日

言ってもらって嬉しかった言葉を
何度も何度も反芻する楽しみ

初めての手のふれあい
初めてのキス

手に入れたあとの幸せと
それを失くすんじゃないかという不安

疑惑 嫉妬 束縛心

そして、恋の終わり
何もかもが常でなく、変わることを
諦めをもって知る・・etc


久しく忘れていた恋心を思い出して
真夜中、どうしようもなく切なくなった。

恋はするものでなく、落ちるもの

江国さんが何かの対談で、おっしゃっていた。

表紙の絵は 
江国さんがどうしても、この本に使用したかったそうだ。

美しく、幸せそうな女の人が
悪魔みたいな怪物に 取り押さえられそうな絵

フランシスコ・ゴヤ
「お前は逃げられまい」


読んだあと、とても怖い小説だと思った。

恋の甘美さを想うと、恋してみたいと感じる。

けど、やっぱり怖い。

恋に落ちてしまったら どうしよう
そんな不安な気持ちになるのは
江国さんの素晴らしい才能の成せる業。

かつて恋をしたことある
すべての人妻に読んでほしい本だった


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする