晴旅雨旅

爺の前に道は無し。爺の後にも道は消えかけて…枯れた中年爺の独り言

平成の〝秩父困民党〟はできるか?

2016-11-22 01:55:49 | 政治
秩父事件って、なに?(秩父事件研究顕彰協議会オフィシャルサイト)]
明治15年頃、軍備を拡大するための間接税の増税と緊縮財政によって、各地の農村は深刻なデフレに見舞われた。当時と今の日本とが似ていることの一つは、デフレ経済に苦しんだ民衆の怒りが蓄積されつつあることだ。

ところが、思わぬ人物をアメリカ新大統領に選んだことが、その怒りの矛先を移民などの社会的弱者に向け、弱者同士の憎しみを利用することでその反逆のエネルギーを摩耗させ、潰し合う仕組みを作ることになりそうな雲行きになってきた。

ところが、こんな時こそその存在性を発揮しようかという“庶民の味方”を旗印に掲げている各野党は、時代が“平和主義的な”秩父困民党を求めているのに対して、出てくる候補者は有権者のご機嫌伺いのような者たちばかりで締められそうだ。有権者は自分のエゴを満足させてくれる候補者に一票を入れることと引き換えに、口を封じられた。

かくして日本においては、これで庶民は半永久的に自らの政党を立ち上げる魂を売ってしまったことになる。言葉を日本人は奪われることとなった。それを差し置いて、明治維新以降150年の月日に意味があった、などとはとても言えない。

サッカーの魂を忘れた名古屋に明日は微笑まない

2016-11-19 23:38:41 | ランニング
J2降格の名古屋、小倉隆史氏の退団が決定 8月から休養、GM職も契約解除
スポニチアネックス 11/19(土)


風間氏 名古屋来季監督受諾 降格「オリジナル10」立て直し挑む(スポニチ 11/19(土))

現在の日本サッカー界のエース風間氏を迎えれば、なんとかしてくれうだろう、というところが如何にも成金趣味的だ。
世界的名監督・選手(アーセナル監督ベンゲル氏、世界的ストライカー妖精ピクシー・ストイコビッチ氏、マイアミの奇跡を起こしてブラジルを破った鬼才の西野朗氏、日本代表・本田・吉田などのサッカー界のスター)を思うがままに集められる財力を、サッカーの本質だと思っているのではないだろうか。
たとえ世界一の監督、選手を集めても、サッカーの基本を忘れた名古屋に明日は微笑まない。

「株式会社の終焉」出版記念セミナーに参加して

2016-11-19 09:08:37 | 経済
水野和夫氏「トランプ後の世界は中世に回帰」
「アメリカは自らグローバル化に幕を引いた」:東洋経済オンライン2016年11月19日

三省堂主催で開催された昨夜(11月18日)の講演会は1時間30分の講演、質疑応答そしてサイン会とあっという間に終わった。会場は満席で、人々の関心の高さを示していた。
講演内容は、今まで氏が唱えてきたり著作に表してきたりしたことに沿っているが、今回はトランプ氏大統領誕生についても、半ば即興で講演内容に追加して下さった。もう一つは、英国のEU離脱にも触れられ、ドイツが半歩先の世界を歩み始めたのかもしれない、というのも合点するお話だった。

講演の内容の締めくくりとして、氏が唱えたのは本稿にも示されておられるように、

「もはや「物理的・物的空間」にはそれらの成長を実現する場所はありません。
21世紀のシステムは、20世紀の延長線上ではなく、潜在成長率がゼロであるということを前提に構築していくことが必要です。それにのっとれば『よりゆっくり、より近く、より寛容に』が、21世紀の原理であるのです。
これを資本主義の中核を担っていた株式会社に当てはめれば、減益計画で十分だということ、現金配当をやめること、過剰な内部保留金を国庫に戻すことです」

ということでまとめられたと思う。
団塊の世代やそれに準ずる私たちの世代は、平和に恵まれた高度成長期が各々の人生と重なっている。「成長」こそが人生だ、と骨の髄まで貫いている。しかし、明らかに今の若い世代は違う。彼らの一部では「滅私奉公」的な企業価値観を体現しているかのようではあるが、その奥底では揺らいでいる者が少なくないであろう。

日本の現実に立ちかえってみれば、この間GDPは大して変わらずとも、人々の暮らしに対する意識は大きく変わってきた。逆に、GDPが成長してきたときは主流の「立身出世」的な価値観が変わらなかったことと比較すると面白い。バブル崩壊からリーマンショックまでの間で、静かに、しかし大きく日本人は変わったのだろう。
21世紀の「中世への回帰」…確かにじわじわと説得力を持つ。


内閣官房参与浜田宏一氏の苦しい発言

2016-11-15 10:14:22 | 経済
アベノミクス4年 減税含む財政拡大必要(日経新聞2016,11,15)
<金融政策を転換?>
「…学者として以前言っていたことと考えが変わったことは認めなければならない」
金融政策が間違っていたことをさらっと認められても…それを信じて日本中が振り回されたこの数年間は一体何だったのだろう?残っているのは膨大な借金だが、財政に関しては、

「…今後は減税も含めた財政の拡大が必要だ」

全体を通して非常に弱気で苦し紛れの発言が、不安感を増大させる。
この国、本当に大丈夫だろうか?今までどこか他人事だった財政破綻の怖れがじわじわと国民の間に拡がってきている。アメリカが新大統領の下で、21世紀のモンロー主義とも言える内向きな姿勢を選択したことと併せ考えると、非常にシビアな2017年となることは間違いない。

私たちの暮らしは改善しないのはもう当たり前、それどころかさらに酷くなりそうなことは覚悟しておかねばなるまい。願わくば、最悪の道をただることだけは避けたい。あなた任せの政治では、日本が暴走するかも。