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爺の前に道は無し。爺の後にも道は消えかけて…枯れた中年爺の独り言

新しい経済哲学の種を蒔く

2016-08-23 09:50:03 | 政治
【労賃の低さが日本の最重要課題】
本日の日経新聞特集「オピニオン」でスパークス・グループ社長の阿部氏が述べるように、日本の労働分配率の低さこそが日本の最重要課題なのは、労働者はもちろん、経営者や資本家だって誰しも良く分かっている。需要の基本である所得が伸びなければ、「国富論」に示されるまでもなく、GDPの増加はほぼ不可能だろう。
だとすると、みんなが賛成ならさっさとあげれば良さそうなものだが、これが自由主義経済の功罪に直結する根本的矛盾だから難しい。
例えば、国家権力の発動によって一時的に労働者の給与をアップさせても、必ずそれを逆手に取る業者が抜け駆けして大儲けする。結果、良心的な企業はあっという間に倒産することは容易に想像できる。ならばそうした業者を厳しく取り締まれ、と言ってもそんな経済ファシズムの行き着く先は歴史の実験を終えている。
社会変革には時間が必要だ。打出の小槌は無い。資本主義の自由度を活かして上手く社会の本当の豊かさへとつなげていく「智慧」が人類に求められ、その後やっと資本主義を超えた新しい哲学が登場するだろう。
今はその哲学の土壌を築き上げる時期だ。焦ったところで、何も生み出しはしない。
 賃上げによる日本型資本主義を 阿部修平氏(日経新聞オピニオン 2016,8,23)

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