経営改革が進むシャープ(2017年2月26日)

2017年02月26日 | 随筆

桑原名誉顧問からの投稿

経営改革が進むシャープ (2017年2月26日)

 仕入れ価格を引き下げる。商売を繁盛させる基本中の基本である。仕入れ価格が安くなれば、安い価格で販売できる。安く販売すればたくさん売れる。そうなると仕入れ価格の値下げ交渉にも力が付く。これは好循環である。逆に販売が低迷すると仕入れ先から値上げを持ちかけられる。負の循環となる。

 
 シャープは2017年3月期連結決算で経常損益を上方修正し、3期ぶりに黒字になると発表した。太陽電池の材料であるシリコンの調達価格を値下げする交渉に成功し、太陽電池事業部の収支が改善したことが貢献したようだ。過去の調達量では全く見通しがなかったが、連結売上高が15兆円を超える鴻海をバックにして交渉力が強化されたのだ。

 
 昨年12月、鴻海とシャープが共同運営する堺ディスプレイプロダクトが韓国サムスン電子にテレビ向け大型パネルの取引中断を伝えた。パネル需要の回復に即応するという鴻海式の経営姿勢を反映し、取引条件を見直して収支を改善するやり方である。シャープの液晶事業も16年10~12月期は8四半期ぶりに黒字化した。債務超過が危ぶまれる東芝と比べて、同じく経営危機であったシャープは再建への道を歩み始めたように見える。鴻海から送り込まれた社長の指導による調達改革が実を結んでいる。

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