日本の携帯電話がガラパゴス化だというのは間違いだ(2015年10月20日)

2015年10月20日 | 随筆

桑原名誉顧問からの投稿

日本の携帯電話がガラパゴス化だというのは間違いだ (2015年10月20日)

 
 あらゆる「モノ」がインターネットでつながる「IoT(インターネット・オブ・シングス)」が世間の注目を集めているが、総務省は来年度からIoTに用いる通信規格の開発を進めるという。NTTなど通信や自動車などの有力企業200社あまりに参加を呼びかけ、欧州委員会や米政府とも早い段階から連携して国際標準を生み出す考えのようだ。

 
 大いに結構なのであるが、それについての報道記事が気に入らない。「早めに連携すれば、携帯電話のように日本国内での規格や技術が諸外国の潮流から離れて独自に進歩し、市場を広げられなくなる“ガラパゴス化”を防げる」と解説するが、これは読者に誤解を与える。第3世代移動無線方式は国際会議の初期段階から日本が議論をリードし、ドコモのフォーマ―は世界に先駆けて第3世代サービスを開始した。

 
 世界に広げることができなかったのは、高機能の携帯電話(フィーチャーフォン)である。通信事業者とメーカーが協力して、世界中が真似のできない高度な性能の電話を作り上げた。しかし2007年にアップルがアイフォーンを発表して以降は世界がスマホ一色となり、高機能携帯電話の出番は消えた。これは携帯電話がスティーブ・ジョブスの革新的なアイディアに負けたのであって、移動無線標準規格の問題ではないのである。

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「世界大学ランキング」で東大がアジア首位の座から転落(2015年10月20日)

2015年10月20日 | 随筆

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「世界大学ランキング」で東大がアジア首位の座から転落 (2015年10月20日)

 
 英タイムズ紙が10月1日発表した今年の「世界大学ランキング」で東京大学が昨年の23位から43位へ大きく順位を落とし、26位のシンガポール国立大、42位の北京大学に抜かれた。アジア首位の座から転落したことはテレビや新聞で報道され、多くの人に知られることになった。

 
 この辺の事情に詳しい友人の話によると、タイムズ紙が最初に発表した2004年の調査では東大の13位を頭に京大、阪大、東北大、名大の5校が100位以内に入っていたが、毎年そろって順位を下げ、今年は京大が88位と辛うじて100位以内に留まったが東北大、阪大は150位以下にまで落ちた。代わりに中国や韓国の大学が健闘している。

 
 ランキングは教員スタッフ1人当たりの学生数、外国人教員や留学生の比率など13の指標で評価しているが、友人が指摘するのは論文が他者から引用される頻度だ。これは直接、その大学の研究レベルの高さを表すからである。

 
 研究成果には研究費の多寡が大きく関わる。日本が財政赤字に悩む中で国立大学の研究費を増やすのは難しいかもしれない。多くの企業が緊縮経営を続けており、大学への委託研究費も圧縮されがちである。外国から招聘した副社長に165億円も役員報酬を与える会社があるが、その何割かを大学に寄付をしてもらいたいものだ。

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IT・家電の見本市シーテックの勢いが失われている(2015年10月20日)

2015年10月20日 | 随筆

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IT・家電の見本市シーテックの勢いが失われている (2015年10月20日)

 
 国内最大のIT・家電の見本市シーテックが10月7日から10日まで幕張メッセで開かれた。もののインターネット化(IoT)に対応する電子デバイスやサービスの展示が目立ったという。「4K」や「8K」に対応したディスプレーが会場を彩っていたが、昨年、業界で初めて「4K」放送のチューナーを内蔵した液晶テレビを誇示した東芝の姿が見られなかったのが寂しい。

 
 トヨタ自動車、ドコモなど超大型企業や家電大手パイオニアの出展もなかった。ソニー、日産自動車も昨年に続いて出展していない。日立は一昨年から姿がない。海外企業の参加も減っているが、そんな中で中国企業の台頭が目立つ。中国通信機器最大手の華為技術も相変わらず大きなブースを構えていた。「8K」の液晶パネルを世界で初めて量産している京東方科技集団は、シーテックではさらに解像度の高い「10K」パネルを展示し、優れた技術に贈られるグランプリ賞を海外企業で初めて受賞した。

 
 見本市の魅力の低下には空の玄関口が成田から羽田空港にシフトしていることが影響しているという。成田空港から都心へ向かう高速道路から幕張メッセの会場を眺めることができるが、改めて都心のホテルから行くのには時間がかかる。シーテックが日本のIT技術を海外にアピールするのに役立つよう関係者の努力を期待したい。

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AIの研究開発は慎重でありたい(2015年10月20日)

2015年10月20日 | 随筆

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AIの研究開発は慎重でありたい (2015年10月20日)

 
 世界の多くの先端企業がAI(人工知能)の研究に取り組んでいる。狙いとするところは様々だ。グーグルは世界の情報を漏れなくかき集め、そのビッグデータを処理するために活用しようとしている。アマゾンやアリババは顧客の潜在需要を分析し趣向に合致する商品を提案して販路を広げたい。DARPA(国防高等研究計画局)はサイバー攻撃からの機密防御対策を練る。

 
 米国を中心にAIの専門家の争奪戦が激しくなっているようだ。先行するグーグルやフェイスブックを追い、アップルやツイッターも人材獲得に熱心である。高額報酬で人材募集をする一方、AI絡みの研究を行っているベンチャー企業を買収、戦力強化を図る。特に、人の脳の働きを真似する「ディープラーニング(深層学習)」の研究者が希少価値らしい。

 
 こうしたとき米ジェイムス・バラット著「人工知能」が隠れたベストセラーである。同書はAIを「人類最悪にして最後の発明」であるという。コンピューターが人の知能を追い越す2045年を「シンギュラリティ」と呼ぶが、もしかすると人類の破滅が始まる元年になるのかもしれない。人と同レベルのAIをAGI(人工汎用知能)というが、それが瞬く間に人のレベルを超えるASI(人工超知能)に進化し、人類を生かしておくか否かは彼らの意のままとなる。

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海外市場へ進出するアリババや小米(シャオミ)(2015年10月20日)

2015年10月20日 | 随筆

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海外市場へ進出するアリババや小米(シャオミ) (2015年10月20日)

 
 巨大な中国市場が景気減速などで成長に陰りが見え始めており、急成長を遂げてきた中国の新興巨大企業も対策に追われている。昨年ニューヨーク証券取引所に上場、ソフトバンクに8兆円の含み益をもたらした中国電子商取引最大手アリババの4?6月期決算は、売上高は昨年同期比で28%伸びたが営業利益は人件費の高騰により25%減少、市場の期待に反したため株価が5%下げて上場来安値を記録した。

 
 アリババは電子商取引以外の新しい展開を目指す。まず国内ではクラウド事業の強化である。これまで自社の仮想商店街へ出店する中小企業向けの付帯サービスが中心だったが、3年以内に大手企業の顧客を10倍の2000社へ増やす目標を掲げた。中国企業が成長戦略優先から経費節減に経営の重点を移す機会が狙いとなる。もう一つは海外事業の強化だ。新設した最高幹部ポストに元ゴールドマン・サックス幹部を起用し、海外への事業進出や各国企業との提携を主導させる。

 
 海外に新たな成長の場を求めるのは中国スマホ大手の小米(シャオミ)も同様である。売上高の9割を占める中国市場の減速が鮮明となり、その分を海外市場で補うべく、米グーグルのスマホ用基本ソフト担当幹部を招き国際部門担当副社長とした。当面の開拓先はインドとブラジルだという。両社とも変わり身の早さは相当なものである。

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食う語句人観光客の「爆買」で大賑わいのラオックス(2015年10月20日)

2015年10月20日 | 随筆

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中国人観光客の「爆買」で大賑わいのラオックス (2015年10月20日)

 
 南浦和駅前にラオックスという家電量販店があり、筆者の自宅近くで重宝をしていた。それが平成20年に突然閉店すると聞かされた。今後について店員レベルでは「秋葉原店と他に1店舗は残るようです」という情報しか持っていない。顧客もかなり多くいたのに勿体ないと思ったものだ。ところが平成21年6月になって中国の家電小売会社「蘇寧電器」が27%を出資し筆頭株主になったと報道された。

 
 そのときは中国企業が日本に進出する時代の到来に小感慨を抱いた程度であったが、そのラオックスが近頃、中国人客で大変な賑わいであるらしい。日本製の家電製品が中国人に評判が良く、買い物目的で訪日した裕福な観光客が電気炊飯器などを10個以上も「爆買」する話を聞いていたが、ラオックスは蘇寧電器傘下で「中国のお店」という宣伝がツアーガイドに行き届いたものか、秋葉原本店には観光バスがひっきりなしにやってくるという。

 
 ラオックスの営業損益が黒字になったのは14年12月期のことだ。15年には昨年よりも売上高が2倍、純利益は7倍にも達すると見込んでいる。店舗数も24にまで増やした。10月からはドコモと組んで訪日客に割引クーポンを配信する予定とのことだ。顧客が中国に帰った後もネット通販の利用を促す狙いがある。ラオックスも蘇寧電器に買収されて大化けしたと言えるかもしれない。

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ウィンドウズ10への無料アップグレードに注意(2015年10月20日)

2015年10月20日 | 随筆

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ウィンドウズ10への無料アップグレードに注意 (2015年10月20日)

 
 マイクロソフトがウィンドウズ7あるいは8からウィンドウズ10に無料でアップグレードするサービスを7月から始めた。基本ソフト(OS)をパソコン事業者に有料で配布する商売からクラウドなどのサービスで事業を進めることに方針を変更したのだという。パソコン操作に熟練した人でないと無理だとの情報があり躊躇していたが、先日思い切ってダウンロードしたところ見事にトラブルに巻き込まれた。

 
 まず印刷ができない。「ワンノートに送る」などと見かけない応答が出るだけで印刷を実行しないのだ。これは後にプリンターの優先設定をマイクロソフトのプリンターから自分のプリンターに戻すことにより解決したのだが、その前にとんでもないことを仕出かしてしまった。早く解決させたいと思い「ウィンドウズ10のトラブル」を検索したところ「マイクロソフトサポートに聞く」という項目がある。ところが、これがインチキサイトであった。

 
 質問に対して満足な答えが来ないのに、料金の請求をメールしてくる。それに止まらず見事に月極め有料会員に誘導されてしまった。1回だけの料金は仕方ないにしても、毎月の会費支払いは避けたいと思い、退会をしようといろいろ試みたが、どうにもうまく行かない。結局、その解決にはクレジットカードの番号を変更するしか方法がなかった。従来の番号で引き落としていたサービス提供者への連絡に余計な手間がかかった。

 
 さらにウィルスチェック・ソフトのウィルスバスターが消えてしまった。友人にこの話をしたところ、彼はシマンティックのノートンを使っていて、ウィンドウズ10にアップグレードしたら同じく無効になってしまったが、コールセンターに電話をしたところ遠隔で有効にしてくれたという。しかしウィルスバスターにはそのような手段はなさそうなので、面倒くさくなり、アップグレード後まだ1カ月以内であったのでウィンドウズ8.1に戻してしまった。

 
 その後、この件について国民生活センター越境消費者センターにメールをしたところ、退会手続きはきちんとしておくようにとアドバイスされた。しかし、インチキサイトである「ジャスト・アンサー」にメールしても「不達」になってしまい、どうにもならない。記録だけきちんと残して放っておくことにした。いずれにしても、ウィンドウズ10へのアップグレードは、何方も心して取り組まれるよう注意されたい。

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音楽や動画の定額配信の普及(2015年10月20日)

2015年10月20日 | 随筆

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音楽や動画の定額配信の普及 (2015年10月20日)

 
 最近は映像や音楽を記録してあるCDやUSBメモリーから再生するのでなく、サーバーからネットを通してして直接視聴する人が増えてきた。回線から流れてくる信号をライブで再生するのをストリーミングというが、高速ブロードバンド回線の普及と、冗長度圧縮された信号から元情報を遅滞なく複合化する高速プロセッサの出現がこうしたサービスモデルを可能にした。

 
 日本で定額の音楽聞き放題サービスは11年にau、12年にはドコモがサービスを開始しているが、大きく注目されるようになったのは比較的最近のことである。5月にエイベックスとサイバーエージェントが共同で「AWA」をスタート、6月にLINEもサービスを始めた。6月にはアップルが新サービス「アップル・ミュージック」を発表、7月1日からサービス開始した。さらに9月にグーグルも参入した。10月18日までに加入をすれば、月額780円と低廉である。

 
 定額サービスは動画にも広がりつつある。昨年、日本テレビが米フールーの日本事業を買収、これに対抗して米ネットフリックスが9月に定額動画配信を始めた。米国では若者の半数以上がテレビよりも動画配信を楽しんでいる。日本はブロードバンドの普及で世界の最先端を行く。今後テレビ業界を巻き込んで、動画配信事業を誰がリードしていくかが見ものである。

 
 9月10日、米アップルがテレビ向けソフト市場に参入したとの報道があった。10月後半に発売するテレビ向け配信端末「アップルTV」用にソフトをそろえるとあるが、その詳細については調べていない。

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